こんにゃく鍛冶屋②
※今回もグロ表現があります。
オモテは目をかっぴらき、足に光をこめ地面を思いっきり蹴り上げヌタに迫った。蹴り上げられた地面に亀裂が走る。そのままイサリビの右足を切り落としているヌタの左手をタンッッと切り落とた。
「!!!!!!!」
ヌタの顔面が驚愕に染まる。
自身の、左手が、切れている。
「アアアアアアアアアアアアッッ!!!!!!!!!!!!」
ヌタが叫ぶ。ヌタの思考が逸れたので、それまでオトヒメやイサリビを拘束していたクロモチの統制がくずれた。イサリビはその場にどたっと落とされた。オトヒメをゆっくり時間をかけ溶かしていたクロモチはすぐオトヒメを食べようとした。
ずるりと自身の身が魔物の中にずり落ちるのを感じたオトヒメ。体全体が酸の中で溶け始めたのを感じた。
「ぁ・・・」
「爆ッ!!!!!!!!!!!」
そのとき、ビワがオトヒメを食べていたクロモチを爆破する。
オトヒメの耳元で爆音がある。キーンっと音の鳴る世界。突然の強い光に目が見えなくなった。
気づくと、誰かが自分を抱き上げてくれたようだった。
「・・・すまぬ。遅くなった。」
耳が聞こえない。目も見えない。一体だれ?
ああ、それよりじっさまを。
オトヒメは自分がその部屋から移動しているのを感じた。体に海流があたる。
オトヒメを抱えたビワの横を、リュウグウと兵が走り抜け交差する。リュウグウとビワは目で会話を交わした。リュウグウの兵の一人にオトヒメを渡す。衛生兵だ。
ああ、何人もの人が来てくれた・・・?体の感覚がない。意識が朦朧としてきた・・・。眠い・・・。じっさま・・・。
そこでオトヒメの意識は途切れた。
リュウグウが炉に入ると、そこはひどい有様だった。
血の海、体の破片、炉による熱い温度の海水の中、誰から漏れ出したのか、大量の光が舞う部屋だった。
そんな光を、一人の男が面に吸収しながら女をすさまじい勢いで一方的に切りつけていた。女はただ逃げ惑うことしかできない。
女の一部が切り落とされる。指、手首、耳――――
床には一人の老人が横たわっていた。
「オモテ!!!!!」
戻ってきたビワが声をかける。
オモテの体がピクッと動いた後、静止した。
最後に見たのはオトヒメがクロモチに飲まれている姿と、イサリビが四肢を切り落とされている姿だった。そこからの記憶がない。声をかけられた気がした。ふと気がつくと目の前で血と光を出したぐちゃぐちゃな顔面で涙を流して命乞いをする女がいた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
オモテは我に返った。
ヌタが戦意を喪失しているのは誰が見ても明らかだった。部屋のクロモチはビワと兵によって始末されていた。
「たすけて・・・たすけて・・・まもの・・・」
ヌタがオモテのことを“まもの”と呼んだ。ヌタが這いずり、壁際に逃げる。その際、炉に体が激しくぶつかった。蓋が閉められたのか、炉で明かりが灯っていた部屋がいっきに暗くなった。
暗くなった瞬間、オモテはぞわりとした。
――――夜の気配だ。




