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面ーオモテー:深海の勇者  作者: タナバタネコ
ハタグルマの里
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精霊研究所

オモテ達はハタグルマの里の隅、岩山の空洞内にある精霊研究所の前にいた。研究所を行き来する人は白い白衣を着ている人が多い。ここの職員であろうか。

すれ違う人々はオモテの肩にいる精霊を見ると興味深そうな顔をしたり、立ち止まってノートにペンを走らせたりした。

オモテとビワは研究所内に入り総合窓口に行く。


「いい海ですね。ご用件をお聞きしてもいいですか?」


受付の人が対応する。


「いい海ですね。こちらの精霊様について相談があり伺いました。」


オモテは肩元にいる白い魚を指し示した。


「まぁ!精霊付きの方ですか。アポイントメントはとられていますか?」

「いえ、すみません。」


ビワも受付に話す。


「ここに夜のことも詳しい者もいるか?」

「夜?・・・すみません。研究名簿を見ても夜の文字は該当ですね。申し訳ありません。」

「そうか。ありがとう。」


受付は椅子を後ろに引き、電話を片手にオモテ達に話す。


「精霊付きに詳しい方にお繋ぎします。でも、アポイントを取られていないのでお待ちいただくかもしれません。」

「はい。ありがとうございます。」


受付が電話をつなぐ。


「よかったですね。すぐいらっしゃるようですよ。」


そして、二人の前に一人の男性が現れた。


「はじめまして。研究所に勤めているラカンと申します。」


薄青の肌、白い斑点模様のある青い髪が腰までのびた少し神経質そうな男性。

ラカンは自分の研究室に二人を通した。


「精霊研究所へようこそ。こちらには何をしに?」


オモテは答えた。


「初めまして。実は、こちらの白い魚についての見解を聞きたいのです。」

「精霊付きの方ですか?」

「いえ、正確にはこの面についています。」


オモテはカバンからウーラ姫の面を出した。ラカンは面を受け取り、印や角飾りを触る


「話せば長くなりますが聞いてください。」

「精霊の話はうれしいです。どうぞ話して。」

「自分は面蛸(めんだこ)族のオモテといいます。深海光夜祭のとき、ひときわ光る緑色の光を追って魔物が村にやってきました。魔物はそのまま村人を襲い、村の巫女姫ウーラ様を襲ったのです。ウーラ様が魔物に食いつかれたとき、姫の体から光が吹き漏れ、そのあと強く体が発光されました。発光後姫の姿はなく、魔物を倒した後、腹を裂けども姫はいませんでした。しかし腹から巨大な白い光の球が飛び出て姫のいた場所に落ちていたこの面に吸い込まれ、面の上にウーラ姫のような姿の光が浮かび上がりました。人型は崩れ、仮面の上にこの白い魚が現れたのです。ここまでよろしいですか?」


オモテはあの日の記憶を思い出し語る。何度繰り返し思い出したかわからない。今でもはっきりとあの日のことを思い出すことができる。


「はい。続けて。」

「その後、村の婆の鑑定によりこの白い魚にはウーラ様である可能性が現れました。なので、本当にウーラ様なのか確かめるため、自分はチョウチンの里に訪れました。里長オチョウ様に白い魚の光の性質を見てもらうと、白い魚の中に巨大な2つの光があることがわかりました。「思考」と「心」の光。光は以前の人が持っていたもので、片方は光の形が女性の姿をしていたからウーラ様ではないかという結論になりました。ですが、他の光も融合しているので、すでにウーラ様本人とは言えないかもしれないと。オチョウ様は白い魚に光を食べさせ続けろと。精霊様の中には話すことのできるものもいると聞きました。成長すればこの魚自身が話してくれるだろうと。」

「…」

「そこから自分たちはハタグルマに来ました。聞けばこの里には精霊様に詳しい研究所があると。ですので、この白い魚について研究所の見解を。そして、話す精霊様について教えていただきたいのです。」


ラカンはオモテの話を聞いた後、ビワに目をやる。


「あなたは何をしに?」

「ワシは付き添いだ。」

「…なるほど。・・・話を整理させてください。まず空から巨大な緑色の光が降ってきた。魔物はそれを食べ、そのあと巫女姫も食べた。」

「はい。」

「魔物を倒した後、巫女姫は白い光になり、面に宿ると白い魚になった。」

「そうだと思われます。」

「なるほど。まるでチョウチンの里に伝わる精霊伝説ですね。」

「精霊は巫女姫の死んだ後の姿である、というやつだな。」

「ご存じでしたか。・・・少し失礼を。」


そう言って、ラカンは自身の研究机から虫眼鏡を取り出した。その虫眼鏡を白い魚に向けラカンは観察する。


「・・・」


ラカンは虫眼鏡を覗きながらオモテ達に説明する。


「・・・これはかつて太陽の研究所と共同研究し開発された『海神の眼鏡』というものです。精霊様がどんな光をお持ちなのか、以前の持ち主はどんな人だったのかなどを確認することができます。」

「ウーラ様は!!ウーラ様は写っておられるか!?」


オモテは大きな声で質問する。

ラカンは眉をピクッとさせた。うるさかったようだ。少し目を細め、虫眼鏡を除いている。


「お待ちください。まずは創世紀の記憶です。私と一緒に虫眼鏡をつかみなさい。」


過去のお話の誤字や台詞を少し変えました。序章が長すぎるので、章を細かくしました。

いつも読んでくださりありがとうございます。引き続きお楽しみください。

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