ハタグルマの里⑧
「・・・っと、オモテ!指輪!続きだ続き!!能力確認するぞ!!!!」
ビワはそう言ってもう一度指輪に光を流し、画面を開いた。自分の情報を紙に書き写し、次にオウム、オトヒメ、そして白い魚も同じように確認した。
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▼オモテ
種族:面鮹族
光量:59
能力:面相
称号:面を操る者
光の導き
夜の幕開け
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オトヒメ「面相が面鮹族の能力なんだね!」
オモテ「はい。」
ビワ「ほんと光量がずるいなぁ。」
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▼ビワアンコ・チョウチン
種族:鮟鱇族
光量:23
能力:閃光
称号:灯火
カリスマ
夜の幕開け
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オウム「姫様は発光能力がありましたねぇ。閃光はそれのことかと。」
ビワ「ワシもそう思う。灯火はなんだろうな?」
オトヒメ「カリスマ・・・!!確かにビワさんはなんかこう魅力的だよね。」
ビワ「まぁな。」
オウム「姫様は里でバンドをしていたのです。ライブシンガーで。ファンがたくさんいましたよ。」
オトヒメ「だからカリスマ・・・!!」
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▼オウム
種族:鸚鵡貝族
光量:33
能力:鉄壁
目利き
称号:金級の商人
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オモテ「オウムさん33歳なんですね。」
オウム「はい。皆さんより少し年上ですね。」
ビワ「鉄壁とはなんだ?」
オウム「うーん・・・?鸚鵡貝族は防御力に優れています。ちょっとした攻撃ならびくともしないので、それですかね?」
オトヒメ「金級の商人の称号だ。金だからとてもいいのかもね!」
オウム「そうだと嬉しいですね。」
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▼オトヒメ
種族:草魚族
光量:16
能力:鍛冶
称号:銀級の鍛冶職人
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オモテ「草魚族の方を初めて見ました。」
オトヒメ「そう?結構多い種族だよ。」
ビワ「オモテは田舎ものだからな。」
オモテ「(田舎・・・)」
オトヒメ「・・・あ、私は銀級。やっぱり金や銀の階層があるんだね。」
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▼白い魚
種族:???
光量:???
能力:気付け
???
称号:光を分け与える者
太陽のミコ
【思考】【心】
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白い魚に光を指輪に流し込んでもらい出した画面にオモテは驚愕した。
「姫様!能力が少しわかるようになっていますね!」
ビワが情報を読む。
「ほぉ、???とは面白い。・・・精霊様の能力『気付け』・・・これは死海で遭遇した夜との戦闘の時にワシがされたものかもしれぬな。戦闘中恐怖で固まっておったら、精霊様の温かな光が流し込まれて恐怖状態が解除されたのだ。」
「おお!さすが姫様!もしかしたらそうかもしれないですね。」
オモテは自分の情報とビワの情報を確認した。
「自分とビワには共通の称号、夜の幕開けがありますね。」
「ああ、確実に夜関連だな。」
オトヒメがオモテのステータス情報を指さした。
「オモテさんの光の導き、って?」
「自分もよくわかっていないのですが、多分ウーラ様関連なのではと思うのです。」
「ウーラ様?」
オウムとオトヒメが疑問を投げかける。
「…ああ、そういえば言っていませんでしたね。自分は、白い魚がウーラ様であるという証拠を見つけるために、そして元の姿に戻すために旅をしているのです。」
「白い魚って、つまりこちらの精霊様のこと?」
「はい。」
オモテは深海光夜祭での出来事を語った。
「――――――――――・・・というわけで、魔物に襲われたあと、姫の面にウーラ様の姿をした光が浮かび上がったと思ったらその光は白い魚に変身してしまわれたのです。」
「そうだったの・・・」
「なんと・・・ですが・・・」
オトヒメは口元に両手を当てて悲しそうな顔を、オウムは暗い顔をしていた。
「・・・以前オウムさんが自分に語ってくれたことを覚えています。精霊様は使命を全うした巫女たちの次の姿で巫女が死んだ後の姿であると。太陽からの恩寵で特別に白き姿に変え天にもどると。」
「・・・」
「ああ、ワシたちチョウチンの里に伝わる昔話だな。」
「へえ!ハタグルマの里では少し違うよ。」
「!どんなふうにですか?」
オモテがオトヒメに詰め寄る。
「いや、残念ながら死んだ後の姿というのは変わらないよ。ごめん。…でも、ハタグルマでは巫女姫様だけでなくすべての人の死んだ後の姿が次の世海へ行く姿って言われてるよ。死んだ人の体から光が出て長い年月をかけて光が変質し、精霊様になる。合体して大きくなった精霊様は光の門を通られて天海へ向かい太陽のもとへ旅立っていくってね。」
「死んだあとの姿か、『次の世海へ行く姿』?何が違うんだ?」
ビワが口をはさむ。
「いや、私も実際には見たことがないんだけど。あれ?でも生きたまま精霊になることもあるんだったかな…?」
オモテがガタっと立った。
「ほんとか!!?」
「いや!ごめん!!私も見てないし本当じゃないのかも…いや、研究所なら断定できるかも?」
「ああ、知ってる。精霊研究所!」
「そうそれそれ、って知ってたか。精霊様を研究所に連れて行き、見解を述べてもらったら?」
「そうしてみます。ありがとう。」
オモテは座った。もしかしたらウーラ様は生きている可能性があるのではないか。
ビワがオモテに話しかける。
「どこで聞いたんだオモテ。」
「神殿で聞いたんだ。」
「そうか。じゃあこの後行くか。オトヒメ、オモテ借りていくがいいか?」
「もちろん。行ってらっしゃい。」
「すみませんオトヒメさん。」
「いいよ!精霊様が姫様だとわかるといいね。」
オウムが席を立った。
「私はこの後仕事がありますので、ここで帰らせていただきますね。オモテ様と巫女様の旅の無事をこれからも祈っていますよ。」
オモテも席を立った。
「はい。メンダコ便ありがとうございました。」
「いえいえ!ああ、まだこの里にはいますから入用がありましたらぜひウチで購入して行ってくださいね。・・・オモテ様、今度機会がありましたら、指輪も含めまたお話しさせてくださいね。」
「もちろんです。」
「では、よい海を。」
「はい、よい海を。」
オウムが鍛冶屋を出た。オウムの行った方向とは逆の方向に向かってオモテとビワは精霊研究所に尋ねに向かうのであった。




