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面ーオモテー:深海の勇者  作者: タナバタネコ
ハタグルマの里
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ハタグルマの里⑤

オモテは白い魚とともにハタグルマの里の神殿に訪れた。チョウチンの里にあった神殿と同じような建物であったが、こちらの神殿の方が大きい。壁に施された彫刻がすばらしかった。白を基調にした神殿の屋根部分にさまざまな種族の元になった海洋生物が彫られている。生物たちは神殿の一番高いところにある太陽のレリーフに向けて泳いでいるように感じさせた。


「(我らを救済すると言われている太陽様。早くそのお姿を見てみたいものだ。)」


オモテは神殿内に入った。ちょうどお祈りの時間のようで、神殿の中には多くの人々が太陽像の周りを囲んでいた。ここの太陽像もチョウチンの里にある像と同じものだった。太陽の周りをマンボウや小魚が泳ぎ守るような像。その周りたくさんの精霊がいた。


白い魚がすいっと泳ぎ出て精霊様と合体していく。そのようすを見ながら、オモテも像の前に来て膝をつき祈った。


「(村を出てだいぶ時が過ぎました。村の者は皆元気でしょうか。族長、婆・・・。姫様は元気です。ウーラ様であるという証拠を見つけ、そしてできれば元のお姿に戻し必ずウーラ様と村へ帰ります。太陽様、どうか自分の旅路を見守りください。)」


祈っていると首元に白い魚が戻ったようだった。一回り大きくなったようで、白い魚の真珠のようなウロコがちょっぴり大きくなったように見えた。


「では行きましょうか姫様。」


オモテは太陽像の横にいた神官に声をかけに行く。


「よい海ですね。」

「やぁ旅人さん、よい海ですね。…おや、精霊付きの方ですか。」

「はい。正確には、面に宿っていらっしゃるのですが。ところで少しおたずねしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」

「ええ。もちろんです。なんでしょう。」

「私はお話される、という精霊様を探しているのです。ご存じでしょうか?」

「お話をされる?あいにく聞いたことがございませんな。」

「そうですか・・・」

「いや、待ってください。もしかしたら、精霊研究所の方でしたらご存じかもしれません。」

「精霊研究所?」

「ええ。――ああ、実際に見られた方が早いでしょう。こちらへ。」


そう言って神官はオモテを神殿の2階、テラスに案内し、竜宮城の先にある白い大きな門を指し示した。


「あの門が見えますかな?」

「はい。」

「門の近くにイカの姿をした精霊様の群れが見えるのですが、わかりますか?」


白いイカの群れが白い門めがけて飛んでいた。


「!ああ、見えました。」

「精霊様はある程度大きくなられるとああやって、決まって『太陽の門』を通って太陽様のもとへ旅立たれるのです。なぜ精霊様がハタグルマから旅立たれるのか。そもそも精霊様とは何なのかを調べているのがあの建物。見えますか?竜宮城を挟んで門の反対側に見えるあの建物です。あれが精霊研究所です。」


神官はすいっと指を使いながら研究所を指し示した。岩山があり、中が洞窟になっているのか、洞窟内に建物があることが光が漏れているため確認できた。大きな望遠鏡のような物が洞窟内から出ている。


「神官様、ありがとうございます。行ってみます。」

「ええ。太陽様のご加護がありますように。」


ハタグルマの里は世海の中でも屈指の都海の里である。黒い煙のような熱水を出す白い煙突、熱水噴出口が乱立する里。まるで美しい白い背の高い木々の合間合間に建物が多く建つように見える里だった。温かいハタグルマには各都市からハタグルマに多くの人が訪れ、さまざまな交易品が立ち並ぶ。光付与された武器、薬品、真珠家具、温泉、海の羽衣、エビ、カニ、ナマコなどの珍味。それらを求めて多くの人が訪れるのだ。そんな里の中央に建てられた一際目立つ朱色の城、竜宮城。その城の一角にある部屋に座る男に知らせが入った。


「殿下、報告です。」

「なんだ。」

面鮹(めんだこ)族が里に入った模様です。」

「来たか。」


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