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面ーオモテー:深海の勇者  作者: タナバタネコ
ハタグルマの里
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ハタグルマの里①

あけましておめでとうございます。

今年も更新して参ります。よければ一緒に楽しんでいってください。

巨大な里を囲う朱色の城壁。白く、高い煙突のようなものが乱立している。その中心部に大きくそびえ立った竜宮城。オモテ達はついに次の聖都、ハタグルマに着いたのだった。

ハタグルマの里の門を通り、オモテ達は里を見渡す。

大きな建物、たくさんの人がいる。チョウチンの里も活気があったが、また違う印象だ。着ている服がきらびやかというか、お金持ちが多いのだろうか?


「ビワ、まずは宿屋を探そう。」


オモテ達は宿屋を見つけ、宿泊手続きを取る。


「いらっしゃいませ、旅人さん。一泊500シェルです。」

「高ぇ!!!!」


ビワは思わず叫ぶ。チョウチンの里ではどんなに高くても100シェルだった。


「ビワっ!すみません。」

「いえいえ、慣れておりますので。でも、この里内で旅人さん向きはウチくらいです。他の宿屋さんですと800~1000はしますよ。」


オモテは涼しい顔をして懐から財布を出す。


「そうなんですね。では7日分、2人でお願いします。」

「はい・・・確かに。朝食がつきます。オプションで夕食もおつけできますがいかがなさいますか?」

「いえ、朝食だけで結構です。それと、この里の地図はありますか?」

「もちろんです。お部屋に置いてあります。・・・では、ごゆっくりお過ごしください。」


オモテとビワはそれぞれの部屋に行き、その後昼食を食べるために飯屋に向かった。


「!おお、ワシ様これ好きだ!」

「ん。これうまいな。ウーラ様はいかがですか?」


白い魚もオモテから肉まんのようなものを受け取りついばむ。

オモテ達は宿屋の前の食堂街に入った。道が狭く、少し薄暗いが活気がある。小さな個人店がひしめき、いい匂いがする道。

観光客や大衆向けのようで、個人個人が手頃な値段で好きな物を売っているようだった。道行く人の格好も、大通りにいた金持ちそうな人々とは違う格好をしている。


ハタグルマの土産品だろうか。大きな4つのヒレのようなものがついた海流をうけるとヒレの羽が回転するおもちゃ。魚の皮をなめして作られたカバンや靴、乗り魚用の鞍、小エビが入った酒。何の肉だろうか、大きな鍋で香辛料と共に煮られている料理。狭い道であり少しスリが怖くあるが、異国の香りがする興味引かれる道だった。


買い食いをしつつ、地図を見る。


「ビワ、鍛冶屋に寄ってもいいか?」

「おお、いいぞ。新調するのか?」

「ああ。それもそうだが、剣を診てもらいたいんだ。」


オモテ達はハタグルマの里の西区に来ていた。地図によるとこのあたりは鍛冶屋、武器・防具屋地区のようで、街並みが黒い石造りとなっており重厚感があった。目についた最初の店に入り、中を観察する。

メンダコの村には鍛冶屋が1つあったが、こじんまりとしていた。ハタグルマの里の工房は職人の数が多く、活気があるようだった。


「いらっしゃいませ!」


店のカウンターにいた上品そうなフジクジラの男が声をかけてきた。


「旅人さんですね。見ていってくださいな。」


店の中にはたくさんの武器が陳列されている。

オモテはカウンターに近寄り、自身の剣を出す。


「この剣を・・・」


オモテが言い切る前に男が身を乗り出し剣を見る。


「どれどれ・・・おお!剣士様、よく使われていますなぁ。しかし、もう十分使ってきたようですな。相当魔物と交戦される方ですね。・・・ふむ。宝石もないようですし・・・あぁ、この剣なんかいかがです?」


カウンターの男はぶつぶついうと、カウンターの裏から一本の剣を取り出しオモテに見せる。

オモテにはごてごての、宝石が装飾された重そうな剣に見えた。


「いや・・・」

「見た目も美しく、威力のある剣ですよ!しかも光付与も施されています!」


光付与に反応したのはビワだった。


「へぇ!どんな?」


カウンターの男は大きな緑の目を光らせ、剣を見ながらビワにも剣を見せる。


「はい!光付与の中でも貴重!なんとこの剣には体力回復中がついています!とても・・・はぁ・・・素晴らしいです。この付与でお値打ち価格!」


男は剣に見とれながら話した。


「いくら?」

「なんと!80000シェル!」

「たっっっけぇ!!!!!」


ビワが大きな声を出す。

カウンターの男はビワの声の大きさに驚き固まる。


「ビワ!」


オモテがビワを叱る。

男は剣ではなく、初めてビワとオモテの顔を見た。


「いえいえ、お気になさらず。失礼しました。お兄さん方は光付与された剣を見るのは初めてで?」

「はい。」


ビワはむすっとしてそっぽを向いている。オモテが会話を進行させる。


「この剣の柄の部分にある一際大きい宝石があるでしょう?この石に光付与がされているのですよ。」


男が宝石にそっと手袋越しに触れる。

確かに、宝石の内部に光が宿っているのが見えた。


「へぇ。兄さん。俺たちあんま金ねぇんだ。もっと安い魔剣ねぇの?」


ビワがちろっと宝石を見て、男に話しかけた。


「うーん・・・そうですねぇ。」


男は顎に手を当てて、少しの間悩む。


「魔剣は希少で、大変な光付与を施して作られるものです。最低でも50000以上します。もし魔剣でなくてもいいのでしたら、別のお店をおすすめ致します。」

「・・・あ゛?この店には魔剣以外は売ってねぇってのか?」

「ここは魔剣専門店なのです。」


ビワが固まる。


「・・・あ~、すまぬ。勘違いした。」

「いえいえ、嫌みな言い方に聞こえたのでしたら失礼しました。」


ビワはばつが悪そうな顔をして男を見る。


「・・・お金ができたらこの店に買いに来るよ。そのときおすすめを売ってくれ。」

「ええ、ぜひ。お待ちしております。」


男はにっこりしてビワに答えた。

二人は店を出た。確かに、看板に魔剣屋と書かれていた。


「「・・・」」


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