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面ーオモテー:深海の勇者  作者: タナバタネコ
チョウチンの里
15/58

次の聖都へ

チョウチンの里編が一段落ついたので、章設定を行いました。次のオモテ達の旅をお楽しみください。

翌日、オモテは里の門の前にいた。


「よう、遅かったな。」


ビワがオモテに手を振る。


「いいのですか?こんな早朝に誰にも会わずに出るだなんて。」

「ああ。いいんだ。」


オモテは夜寝る直前、ベットに書き置きがあることに気がついた。


『ソウチョウ 4ジ モン コラレタシ』


そのメッセージを確認したのは0時少し前。オモテはもっとよく寝たいと思いながらベットで寝たのだった。


「なんだぁ?寝不足か?だらしねぇな。」

「誰かさんのせいですね。」

「フンッ。まぁ早く行こうぜ!ワシ様の冒険の始まりだ!」


オモテは寝不足によりいつもより少し不機嫌で、ビワは元気いっぱいハイテンションだ。

こうして二人はチョウチンの里を後にし、また暗い海を越え、次の聖都を目指すのだった。


ビワは初めて出るオチョウ公認の外の海。目にうつる新しい世界に目を輝かせて歩いていたが、今では死んだ魚のような目をしている。


「オモテ~・・・里の外はこんなにも景色が変わらないものなのか?」


今オモテ達が歩いているのは辺り一面何にもない水平に砂の地面が続く海の底だった。

歩いてはヒカリカイメンを灯し寝る。歩いては寝る、歩いては寝る・・・これを何日繰り返しただろうか。チョウチンの里の明かりに引きつけられてなのか、生物もさる事ながら多くの魔物と遭遇した。以前戦った魔物のクロモチや巨大なイソギンチャクが襲ってきたりしたが、ビワと一緒に戦って退治できていた。オチョウがくれた特製の提灯のおかげか、今のところ夜にも遭遇していない。

暗い海に見える光はオモテ達が灯すものだけだった。

今もオモテとビワは暗い海の道を歩き進んでいる。白い魚はオモテの肩元でいつものように寝ていた。


「ところでビワ、本当に里の者にだまって出てきて良かったのか?ライブ仲間だって心配してるんじゃ?」

「お!エビだ!何エビかな・・・あ?あー、それなら大丈夫だ。メンバーには置き手紙をしてきた。ファンにも、日頃からいつか旅に出るって言ってあったし。今頃応援ライブでもしてくれてるんじゃないかな。」


エビを見ながらにやりと笑ってビワが答えた。


「黙って出てきちまったことに後悔はねぇよ。また無事に帰ればいいんだからな。」


不適に笑って答えるビワに、そうか、無事に帰れば解決なのか。と気づかされる。


「自分のこの旅は、白い魚がウーラ様であるのか確認することです。そして、自分の勝手な思いですが、ウーラ様には元の姿に戻ってもらいたいのです。」

「そのウーラ様って、どんなヒトだったんだ?」

「村の巫女姫様で、幼なじみです。白い髪に白い肌をお持ちだった。面鮹(めんだこ)族の中で白色なことはとても珍しくて。神々しくもありました。村の者が困ったことがあれば進んで手伝ってくださったり、一緒に解決しようと寄り添ってくださったりしてくれていた。祭りのときは太陽に捧げる舞を披露されて、それは優雅だったんだ。」

「へぇ。お主はウーラ様が好きだったのか?」

「!」

「ハッ、ああ、いいよ、言わなくて。十分わかったからな!」


ビワが鼻で笑ってオモテよりも一歩前に出て歩みを進める。


「いや・・・自分は一介の兵士だからな。恐れ多いよ。」

「ふぅん?」


光のよく届かない暗い海の奥に、たまに人影を見る。目だけが光っているモノ。伸長4mはあろうかという巨人。金属がこすれる音。闇の中に見えるその気配は生きているものではないことがわかる。夜だ。

最初に闇の中でこれらを見たときは心臓が止まったかと思った。

夜を見るとぶわりと汗が噴き出し、あのときのパレードを思い出す。だが、夜は光には近づけないみたいだった。

そのことに気づいてからは、ビワと一緒に冷静に夜を観察することができるようになった。

夜は光の中にいるオモテ達に気づいてはいるようで、暗い中じっとこちらを見てたたずんでいる。と思えば、ふらっとどこかへ行ってしまうのだった。


「こう、近づいてこないとわかると、怖さを感じなくなるものですね。」

「まぁ、いざとなればワシが光って追っ払ってやるさ。」

「ですが、このままずっと夜におびえているようでは今後の旅路に不安があります。なんとか奴らを倒せる手段がないものかな。」

「うーん、どうだかな。代々夜の研究をしている鮟鱇(あんこう)族すらそれは知らねぇし。ちょっと実験してみるか?」


そう言って、ビワはオモテの腰につけていた提灯を消した。闇が濃くなった。


「おい!」

「大丈夫だって!いざとなったらワシが発光するか、提灯をつければいい。ほらオモテ!お主も提灯を消せよ。」

「消したらまったく見えなくなるじゃないか。」

「覚えてるだろ?あいつら、近くにいるときは光量に関係なくくっきり見えるようになる。」

「・・・わかりましたよ。やってみよう」


そうオモテは言って、オチョウからもらった提灯を消した。

消した途端。夜の気配がした。


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