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第3話
「こちらへ」
案内人は左袖に指を3本下向きに沿わせているようなワッペンが貼り付けられている。
下手に聞くことはできないが、きっと三つ指の人だ。
カツカツカツと、石畳の廊下を歩いていくと、一つの大きな講堂へと出る。
「この部屋において待機をすること。荷物は荷物置きが所定の席にあるためそれを使用すること。席次については正面にある黒板を確認すること」
「はい、ありがとうございます」
頭を深々と下げて、案内をしてもらった礼を伝える。
「今後の学業に期待する」
案内人は挙手の敬礼を示した。
そして回れ後ろを行うと、速やかにこの場から立ち去っていく。
よしっ、と気合を入れなおしてから、俺は講堂の中へと入っていった。