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ライラを君に  作者: ルカ
2023年
8/10

駆け引きの始まり


タクシーに揺られること数分。


隣にいる彼女はアルコールがはいっているからなのか、タクシーの揺れなのか、少しうとうとしていたのでそっと頭を引き寄せ、肩を貸すとすやすやと寝ているので、俺はタクシーの運転手さんへ静かに声をかけた。


「すみません。少し遠回りで目的地までお願いします」


タクシーの運転手のおじさんはそんな俺たちをルームミラーで確認して微笑むと「分かりました」と返事が返ってきた。


俺はふとさっきのカクテルが気になり、調べて検索に『アプリコットフィズ 意味』と入力すると1秒と経たずに出てきた。


「振り向いて下さい」


一瞬呼吸を忘れそうになった。自惚れるよ、俺。

肩越しに伝わってくるぬくもりに俺はそれ以上の熱を感じた。


そして、もう一つ、『ベルベットハンマー 意味』と入力するとこちらもすぐに検索結果が出てきた。


「今宵もあなたを想う」


ライラを送り、ベルベットハンマーが送られた。


その意味だけ噛みしめて、俺は流れていく窓の外は眺めた。


―――――――――――――――――――



俺はさっきのことは一旦何も知らなかったふりしてタクシーの支払いをすると莉乃を起こした。


「着いたよ」


まだ眠そうな彼女はまだ覚醒しきってないようでぽやっとしていたが数秒で状況を理解したようで手で顔を隠し「寝ちゃってすみません」というと、タクシーは眠くなるよね、と笑って返し、先にタクシーを降りる。


「ほら降りて」


俺は手を差し出すと少し躊躇しながら俺の手を取り、タクシーを降りた。

その手は降りた瞬間離されそうになったが、逃がさないと言わんばかりにそのまま手をつないだ。


マンションのエレベーターを待つ間、俺らの間に会話はなかった。


彼女はなにを考えているんだろう。

抵抗しないということは、嫌がってはないと思っていいのだろうか。

俺の目線の下にある顔は覗かないと顔が見えない分、さっきのカクテルの意味を思い返しては彼女の様子に俺は内心そわそわしている。


出会って間もない、それもまだ付き合ってもない女の子を家に上げるのは悪いことをしている気分になる。けどその相手が十数年の片思い相手となると訳が違う。

こんなチャンス二度とないだろう。だからと言って手を出すつもりはない。ちゃんと言葉で伝えるまでは。


エレベーターが来て乗り込むと彼女の手が離れた。

俺は帰られちゃうかな、と思ったその時、そっと彼女が俺のジャケットの裾を掴んだ。


そんなことされたら、俺期待しちゃうよ?


俺はそのまま、家の前につくと鍵を開けて彼女を家に入れる。

先に家に上がると「上がって」と後ろにいる彼女に声をかける。

彼女がショートブーツを履いていることを思い出した。


俺はそっと手を差し出し、掴まっていいよ。声をかけると「ありがとう」と返ってくるとおずおずと手を取って靴を脱ぎ始めた。


リビングに通し、ソファに座らせると俺も隣に腰をおろした。


「あのさ、さっきのBARで頼んだカクテルだけど…」

「…はい」

「俺もさ、頼んだカクテル、知らない振りしたけど意味があるんだ」

「え?」

「ライラ、『今、君を想う』。ブルドック、『守りたい』」


俺は、彼女の眼をまっすぐ見て言葉をつづけた。


「俺、遠回しに言うの苦手だから言うけど…これは俺の気持ち」


彼女は驚いてなのか、後ずさりをしようとした。

俺と彼女の間に少しスペースが出来ようとしたが、俺はそれを逃さなかった。

手を引いて、反動でそのまま自分の腕の中に閉じ込める。

彼女は逃げようとするけど、そのまま耳元で続ける。


「手は出さないって言ったでしょ」

「だとしたらこれはアウトです!」

「口に出さないとは言ってない」

「ずるいです」

「ずるくて悪いな。ずるいついでに、もう一つ。カクテルの意味調べた。アプリコットフィズ、『振り向いて下さい』。ベルベットハンマー、『今宵もあなたを想う』。この意味だけど」

「言わないでください。ちょっと酔っていただけですから」


彼女は俺の言葉を遮り言った。


「莉乃が酔ってたとしても、俺は本気だから。本気だからこそ今はこれ以上何もしない。酔ってたなんて俺は言い訳にしたくないし、大事にしたい。守りたいから」


彼女の頬に触れるとびくっと反応した彼女が本当に愛おしく思えた。

触れられる距離にいるのが夢のようで俺も酔いが今更酔いが回ってきたのだろうか。


俺は自制のためにもそっと彼女から離れた。


「少し寝よ!」


俺はお風呂使う?と聞いたことで自分の首を自分でしめると恋愛経験のない俺は考えてもいなかった。


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