幸せの瞬間
外の日差しで俺は目を覚ました。
昨日は夢だったのだろうか、なんてぼやっと考えていると夜、自分の腕の中にいた人物がいなくなっているのに気付き、慌てて回りを見る。
すると、昨日着ていた服に着替え終わりスマホをいじっている彼女がいた。
「おはよ」
俺は声をかけると「おはよう」と返事が返ってきた。
「お手洗いとか洗面所とか借りちゃった」
彼女は申し訳なさそうに言うと、そんな気にしないでどんどん使っていいよ。と言えば彼女はそんなに使わないよ、と笑っていた。
そして「朝ごはん食べる?」と聞くと「キッチンかりていい?何か作るよ」と言ってきた。
俺も食器を出したりと準備をするとあっという間にフレンチトーストができあがった。
フレンチトーストも食べおわり、帰るならタクシー呼ぶよ。と聞けば歩いて帰ると。
まさか、彼女の家は歩いて30分ほどらしい。
本人も驚いていたようだが、こんなに近いとは思ってもいなかった。
送ってくと言えば、大丈夫というがジョギング代わりにいい運動になる、といえば、彼女は昨日からの続きで俺が頑固なことが分かったのか引き下がった。
―――――――――――――――――――――――
帰り道、横を歩く彼女はたまになんでもないところで躓く。
危なっかしくて俺は彼女の手をそっととって繋ぐと、少し遠慮がちに握り返してくる彼女に幸せな気持ちともに愛おしく感じた。
彼女のマンションにつくと、名残惜しくも俺は手を離した。
「ありがとうございます」
「別に気にしないで」
「あの、、、少し上がってきませんか?お茶くらいしか出せないのですけど」
「うーん、やめとく」
ちょっと残念そうにする彼女に俺は手を引き寄せ、腕の中に寄せて彼女に伝えた。
「これ以上一緒にいるとほんとに返したくなくなるから」
彼女は離れようとするのでそのまま伝えた。
「家も分かったし、今度またお邪魔してもいい?」
「…はい」
「ありがと」
ゆっくり彼女を離した。
「この後は休み?」
「うん、友達とご飯行ってくる」
「…城ちゃんと?」
「違います!女の子です、相手」
「そっか」
ほっとした俺は彼女がマンションに入っていくのを見送る、マンションのオートロックの玄関の入り口が開いて彼女が入っていく瞬間、俺は名前を呼び呼び止めて後ろから抱き寄せると、髪に一房取り、キスをした。
「また連絡するから」
そう伝えると、俺は彼女の背中を押した。
彼女は驚いたように振り向くと俺は手を振った。
目が合った瞬間、彼女も手を振り返してくるとドアが閉まり彼女はマンションの奥へと足を進めた。




