失くした記憶
052(火) 帰路
坂を下りながら、私は隣に並ぶ屈託のない女性の話し方に既にかなりの好感を抱いていた。
この人の中にある最初は気付かなかったような小宮さんの部分が次第にくっきりと見えてきて、それがどんどん大きくなっていく。
「実は今日まで入院してたんですよ、一ヶ月ほど。クモ膜下出血ってやつで。幸い後遺症なんかはなかったんですけど。そのとき、初子さんの夢を見て、なんだか守って貰えたみたいな気がしましてね」
「そうだったんですか」環さんが納得したように頷く。
「医者が言ったんですよ。3センチもある動脈瘤から少しずつ血が滲み出してたらしくて、破裂しなかったのが奇跡だって。誰かが破裂しないように握っててくれたんじゃないですか、ってね。それって、初子さんしかいないじゃないですか」
「すごい、それは思いますよね」この子の同意が嬉しい。
「で、退院の報告に来たわけです。来てよかった」
「お話し出来ました?」
「いえ、なんにも。でも、聞いてないフリしてちゃんと聞いてるんですよ。下手なこと言うと後で何言われるかわかったもんじゃない」
「なんか、いまもお付き合いしてるみたいですね」そう言われて、胸にずしんと来た。
「ああ……、環さんに会えたからかな。話してたらいろいろと頭の中によみがえってきます」まさかつい最近まで一緒にいたなんて言えるわけはない。
そうだ、この間まで、一緒に過ごして来たんだ。ゆっくり仲良くなろうと約束した。なのに、小宮さんを感じなくなって、急速に思い出の中の姿に変わっていく。全部が夢の中の出来事のように思えてしまう。
「あ、そうだ、朽木さん、お昼は済まされました?」
環さんが思い出したように、昼食を誘ってきた。
「いえ、病院からそのまま来たんで」昼か、というか、朝から何も食べていなかった。ここに来ることだけを、小宮さんに会うことだけを考えていた。
「じゃあ、ご一緒にどうですか? 私もまだなんで。もっとお話し聞きたいし」
「ああ、そうですね」もっとお話、か。隣を見ると、小宮さんに似た口元に愛らしい笑窪があった。
「いいですね」いいのかな、小宮さん。この子とご飯を食べに行って。
「何か、食べたいものとか、あります?」
『朽木くん、何食べたい?』隣で小さく首を傾げる女の子が、そう言ったように聞こえた。この人の言葉が、小宮さんの声のように感じてしまう。
小宮さんとの食事。
彼女はいつも料理に一生懸命だった。目玉焼きが上手だった。美味しいチキンステーキ、甘口のカレー、焦げた大きなハンバーグ…………、それに、何がある? 味噌汁、ご飯、刻んだキャベツ、他には? あれっ? 思い出せない。いや、思い出そのものがない。彼女と過ごした沢山の、沢山の事実がない。
まるで、ドラマだ。ドラマの登場人物は物語の中で沢山の時を過ごしている筈なのに、画面に映るのはその断片でしかない。
なにか、なにか…………。
「牛丼……、そう牛丼だ」
「牛丼ですか?」
「あ、いや、頭の中に浮かんだだけなんで、いいですよ、なんでも」
私は小宮さんと牛丼を食べに行った。でも、その記憶はない。きっと、あれは現実じゃなかったんだろう。でも、彼女と過したはずの幻の時間を取り戻したい。
「実は、私も、一人なら牛丼屋に行こうって思ってたんです。行きましょうか?」
若い女性が頭に牛丼を思い描いてたとは思えないが、話を合わせてくれてるのだろうか。それならそれで嬉しくもあるが。
「ずっと病院食だったもんで、そういうのに憧れるんですよ」女性と二人だけの食事にいきなり牛丼を提案してしまったもっともらしい理由を見つけた。
「ですよねぇ」
環さんの度重なる同意に、ふと〝相手の意見を否定せず上手く受け止めるのがセールスのポイントだ〟というような言葉を営業の人間から聞いたのをふと思い出した。彼女がそうなのか分からないが、十万円もする変なぬいぐるみを売り捌くのだから、おそらく環さんは成績優秀なスタッフのだろうと想像できる。
下を向いてこっそりと苦笑いした。私はこの子一体に何を期待しているんだろう。
管理棟前の駐車場に停めていた環さんの車の助手席に乗り込んだ。
「可愛いですね」
彼女の車はパステルピンクの軽で、ウサギのロゴマークが入った内装も愛らしく、如何にも若い女の子向けといった仕様車だった。
この子の雰囲気だと、もっとスッキリとしたシンプルな車のイメージという気がしたのだが。
「オーレリーの友達にタマっていうピンク色のウサギがいて、私のお気に入りなんですけどね、この車、その子のイメージにもうぴったりなんですよ」
可愛いという私の感想に気を良くしたのか、エンジンを掛けながら環さんがにこやかに愛車の説明をする。
「タマですか、ネコじゃなくてウサギなんですね」まあ、外国のキャラクターでタマ=ネコの図式もないんだろうけど。
「そこがポイントなんですよ」
環さんがハンドルを操作しながら、こちらを向いて顔の前に人差し指を立てて、なんとも下手くそなウインクをした。
可愛いとは思うが、運転に集中して欲しい。
環さんは車を進めながら、その〝タマ〟が如何に愛すべきキャラクターなのかを熱く語る。
曰く、タマは彼女にとって最高に可愛い女の子なのだそうだが、その子は自分にそっくりなんだそうだ。
「あ、私のこともぜひタマって呼んでくださいね」
「タマ、ですか?」そう言われても簡単にそう呼べるもんでもない。
「はい、朽木さんは、クッキーですからね」
クッキーというのはオーレリーの頭に乗っている黄色いダンゴムシの名前で〝くっつき虫のクッキー〟というキャラクターだそうだ。そういえば、あれが帽子ではなくダンゴムシだということを教えてくれたのはあのぬいぐるみを買った時の店員、環さんだった。
この子はどれほどオーレリーを愛して止まないのだろう。
「じゃあ、僕のことはクッキーと呼んでください」
タマちゃんは「はい」と満面の笑顔を見せた。
しかしながら、残念なことに車の中で二人だけで会話をしている者同士が目の前の相手をわざわざ名前で呼ぶ必要性が生じることはなかなかないことだった。
それから、彼女はオーレリーの愛すべきキャラクター達を私に笑窪を振り撒きながら表情豊かに紹介してくれたのだが、あの巨大なぬいぐるみの正体だけは明かされる事はなかった。多分〝海の生き物〟という事以外、知らないのだろう。
ロードサイドの牛丼屋の駐車場に車を入れて、店に入った。好きな牛丼店を聞かれて吉野家を指定すると、知ってる店という事でここになった。
昼時は過ぎているので店内は空いていた。
ボックス席に着くとすぐに店員がお茶を持ってオーダーを聞きに来たが、後で声を掛けると店員に告げて、メニューを手に取った。
「決まってます?」環さんにメニューを向ける。
「はい、一応」と言いながらもそれを受け取る。
私は隣の席に手を伸ばしてもうひとつメニューを取った。空いてるし、注文を決める間だけならいいだろう。
吉野家も、最近は新しいメニューがどんどん増えているが、ここは定番だろう。
「僕は、並で生卵を付けようかな」
ガッツリと特盛にしたいところだが、病院食が続いたせいで胃が小さくなってる気がする。
「私は、大盛りで卵かな、米が欲しいんですよ米が」
環さんが照れたようにいう。初めての相手と牛丼屋に来て大盛りなら余程好きなんだろう。
「あと、汁だくで」
「僕は汁だく汁多め」
「それ、卵足したらぐっちゃぐちゃですよ?」環さんが酷く嬉しそうに笑った。
店員に声を掛けて、注文を告げる。店員が厨房に向かってオーダーを繰り返した。吉野家は元気が良くていい。
「吉野家は、ひと月ぶりか、半年ぶりですかな」
環さんが私の言葉に不思議そうに首を傾げた。
「ひと月前に食べたはずなのに、その時の記憶が全然無いんですよね」
「それ、ヤバいですよ」
「まあ、ヤバくてこうなったんですけどね」私は自分の頭を指さした。おそらく、最も幸せな牛丼を私は覚えていない。
「じゃあ、私と食べたのは覚えておいて下さいね」
これ以上、何かを忘れたくはない。私はしっかりと頷いた。
「よく来るんですか? 吉野家は」
環さんは、と聞こうとして、タマちゃんと呼ぶべきかどうか瞬時に迷って、呼び名を省いた。そう呼びたい気持ちはあるが流石に呼べない。
「ここは久しぶりですけど、吉野家は三日ぶりです」
そりゃ、常連客じゃないか。
自宅の最寄り駅の近くに吉野家があって、帰りが遅くなった時はお世話になるのだという。自炊はしないのか気になったところで、店員がトレーを持ってやって来た。
店員が大盛りの方を私の前に置こうとして、環さんが「私です」と手を挙げた。
二人の前に茶色い丼が並ぶ。やっぱり女性との食事はもう少し彩りのいいものにしたいと思うのは、環さんを何となく意識しているからなのだろうか。
いただきますの後、生卵を丼に乗せ、箸で突いて肉とかき混ぜた。目の前の女性のことを考えれば行儀が悪い食べ方かもしれないが『気を使ってたら結婚生活はできないよ』とい言葉を思い出した。別にこの子と結婚生活を営もうなんてつもりはまだないのだが、何事も気を使わないでいこうと思う。せめて牛丼を食べるときぐらいは。
「クッキーさんも、そういう食べ方をするんですね」
「環さんも?」いま、クッキーと言ったのか、それとも朽木だったのか。意識し過ぎなのか、発音が酷く微妙だ。
「私も、一人だとそうなんですけど、もうちょっと上品に食べた方がいいかなって……、なんとなく」そう言いながら、私の食べ方に安心したのか生卵を丼に乗せる。
「もう、ぐっちゃぐちゃでしょ」と掻き混ぜながらにやにやと笑う。
なるほど、人前では気を使っているんだろう、と想像がつく。何しろあのお母さんなのだ。
「お父さんお母さんは厳しかったでしょ。女の子らしくしなさいって」
「ああ、姉から聞きました? おかげでマナーは身につきましたけど、その反動で一人暮らしを始めてからこんな感じです」
環さんはかなり大胆に卵を混ぜ込んでいる。まるで納豆を混ぜているみたいな勢いだ。
「こいつはガツガツ食べたほうが美味いんですよ」私も好みの混ぜ込み方で、肉と米を大きくすくって、口に詰め込んだ。
「ええ、これは母には見せられません」環さんもがっつりとひと口目を頬張った。
こういう食事は楽しい。小宮さんとの吉野家ももしあったならこんな感じだったんだろうか。気持ちの通じる人と共に笑顔でとる食事。
向かいに座る大きな口を牛丼でいっぱいにする幸せそうな女の子を見つめた。
気持ちの通じる人、か…………。
「ボーイフレンドとかも、うるさかったでしょう」確か、男が訪ねてきたら殺されるって言ってたっけ。
「あ、でも、それはなかったですね。好きな人ができたら、ちゃんと言いなさいねって感じで」
「そうなんですか?」小宮さんと随分と待遇が違う。時代ってやつなんだろうか。
「ええ、でも、せっかくそんなこと言われてたのに、男の子と付き合ったことってなかったですけど」
環さんの言葉に、もう少し男性関係の話も聞いてみたかったのだが、さすがにそれはハードルが高い。好きな人がいるのかなど、私が聞けばあからさまに狙っているようにも感じてややこしくなりそうだ。
「自炊とかはしないんですか?」女子力の意味で聞いてみたが、それすら女性にそういうことを聞くのはなにかのハラスメントになるのかもしれない。
「夜九時を過ぎたら自炊しないことにしてるんです」きっぱり「うん」と言い切った。やはりデパートの仕事はきつく忙しいのだろう。
「料理、苦手なんですよ。たいてい帰りが九時過ぎるからそういうルールにしておくと作らなくて済むんです」苦手なところをスパッと言ってのけるところは気持ちいいぐらいだが。
「たまに作っても、カレーにハンバーグに鶏の香草焼きみたいなのばっかりヘビロテしてて」
半分ほど食べた丼に紅ショウガの山を築きながら、独り言のように公表するレパートリーにどこか既視感を感じる。
「ひょっとして、目玉焼きなんか、得意なんじゃないんですか?」
「あーっ」赤い山を箸で突き崩しながら大きく頷く。
「もう、唯一の得意料理ですね」それで、はぁっと溜息をついた。
「けど、目玉焼きって料理ランク低いじゃないですか」初心者マークでも作れる入門編で、料理のうちに入らないとさえ言われたこともあると言う。
目玉焼きは私にとって必要不可欠なメニューだ。小宮さんはいつも卵を二個使って上手く美味く焼いてくれた。誰だそんなこと言ったヤツは。
私は環さんに目玉焼きを上手に焼くことの難しさを語った。目玉焼きは最高のなん料理だと。
「ほんとに。環さんは、理想の女性ですよ」
私は小宮さんが作ってくれた目玉焼きを思い出していた。
「毎朝そんな目玉焼きを食べれたらそれだけで一日が幸せですから」私は何を語ってるんだろう。
この場のこの会話でこのセリフは不味くないか?まるで彼女を口説いてるようにも見える。
残り少ない丼の箸を握ったまま、環さんが私をじっと見詰めている。
「ひょっとして、姉の目玉焼きを食べたことあります?」
そういう風に受け取ってくれるならいまは好都合だ。
私はそうだと頷いた。
しかし、あの頃の私は小宮さんの手料理など何一つ食べたことがない。キャンプのカレーも小宮さんは味付けには一切関与していなかった。
私が食べた彼女の料理の数々は、確かに美味しくて、確かに焦げてて、確かにボリュームは半端なくて、確かにそこにあった。はずだった。夢だったというのか?
『もっといい夢見せてあげる』
ダメだ、小宮さんの記憶を辿ると泣きそうになる。ここは目の前の女の子だけに集中しよう。いや、そういう意味じゃない。
「いや、夢ですよ、あの頃のそういう。だったらいいなあって感じの」
環さんはなるほどという風に私ににやりと頷いた。
「中学生ですもんねぇ」
いま、この子の頭の中に少しでもエロい内容が浮かんでいない事を願う。
これは昼間に牛丼食べながらの話題じゃない。
「朽木さんって、目玉焼きはソース派ですか、醤油派ですか?」
良かった、軽い話題に変えてくれた。
「目玉焼きは……」塩コショウと言いかけて、違うと思った。
「醤油派ですね」そうだ、一番美味しい食べ方は。
「あ、私も醤油です、目玉焼き丼にしたりして」
「あぁ、ご飯に乗っけて醤油かけて、黄身を突き崩して」小宮さんの食べ方が頭に浮かんだ。
「ぐっちゃぐちゃ!」環さんが同意したように頷きながら嬉しそうに笑う。きっと彼女もそうやって食べるのだろう。
「ええ、この間まで頭の中までぐっちゃぐちゃでしたから」
「朽木さん、なんでもぐっちゃぐちゃなんですね」環さんにかなり受けている。
「環さんだって、かなりぐちゃぐちゃさせてましたよ」牛丼の混ぜ方は半端なかった。
「二人して一緒にぐっちゃぐちゃですね」そう言って、ハッとしてバツが悪そうに目を逸らした。
さすがに女の子がその表現は微妙だろう。そういう別の状況を思い浮かべてしまう私も私だが。
「私、姉のお墓参りは久しぶりだったんですよ。もう一年以上ぶりぐらい」
照れ隠しなのか、さっと話を変えてくれたのは、私にとっても好ましい。
「ほら、姉の命日の頃って年末で死ぬほど忙しいんです」
命日で死ぬほどというのは、別に掛けてる訳でもないだろう。確かにクリスマス直前のデパートは殺人的な人出に違いない。
「今日は急にシフトが変更になって休みになって、朝寝坊して起きて目玉焼き作ってたら、そうだお姉ちゃんとこに行こうって、突然思い立って」
そうだ、今日は月命日でもない、偶然の日なんだ。
「でも、思い立ったら吉日って言いますもんね」
それは、私と会えたことを好事と捉えてくれてるということだろうか。一緒にぐっちゃぐちゃでも。
「僕も、初子さんの所へは二十年ぶりですからね」今日が退院日でなかったら、環さんとも会えなかったということか。
「あれ? でも、あそこに姉のお墓を建てたのは十年ぐらい前ですよ」
「えっ!?」
小宮さんが亡くなっても、両親はその事実を受け入れられずに、家の墓には納めず長く自宅で供養していたらしい。
それが、父親が病気で亡くなって何年かして、お母さんが「いい場所があった」と言って、あの霊園を見つけて来たんだと言う。それは環さんがちょうど小宮さんが亡くなった時と同じ年齢になった頃だった。
「僕は、中学の頃、確かにあそこに行ったことがある。坂道の両側に雪が積もってた……」
環さんが怪訝な顔で首を傾げる。
「いや、ほんとに小宮さんと二人で、来た……」いや、そんな…………。
「姉のお墓なのに、一緒に来れませんよ」
そうだ、それはそうだ、しかし、私はこの場所を知っている。現に知っていたじゃないか。
「朽木さん」
環さんが笑いをこらえている。彼女の言いたいことは分かる。
「記憶がぐっちゃぐちゃですよね」私は苦笑いで自分の頭を突っついた。
二十年という時間の流れの中で、様々な記憶が入り交じってしまったのか。でも、そんなはずはないんだ。私はあの時、まだ中学生だったじゃないか? あの展望台に私はいつ行ったんだろう?
十年前は、私は元妻と出会ってあの子を忘れて生きていた。
「あの、あのお墓にあった『光の矢』ってどういう意味なんですか?」お墓の場所は知っていたのに、お墓の形や刻まれた言葉については何も知らなかったのも、不思議なことだ。
「あれは、分かりません」
彼女が知らないということか。私はどう聞けばいいのかと考えた。
「誰も知らないんです。お墓を建てた母も」
環さんが馬鹿馬鹿しい答えを大真面目に続けた。
意味も分からずに墓に刻んだというのか? そんなことがあるのか?
「逆に、朽木さんは心当たりないんですか? あの頃、一番仲が良かったんですのね」
「いや、考えたこともなかったな……」『光の矢』全く思い付かない。
「姉が最後に残した言葉だそうですよ」
彼女との別れは突然やってきた。最後の言葉を聞いたのはお母さんなのか? 『光の矢』何のことだろう?
「あれは、何を……、あっ、ちょっと、すみません」
スマホの着信、中瀬さんからだ。
「はい」
『ああ、朽木さん、中瀬です。茉弥花ちゃんのことですけど……』
そうだ、茉弥花の事もあったんだった。
私はもう、ぐっちゃぐちゃだ。




