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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
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ゆうりんの小説広場

夢描き屋

リ「ユウト、レナのこと好きなんでしょ?」

ユ「なんで?」

リ「だって、いっつもレナの方見てるもん。今日とかずっと見てたじゃん。レナが気づいてないのが不思議なくらいだよ?」

ユ「そ、それは、その......」

リ「好きなら思い切って言ってみたら?幼馴染なんでしょ?割とうまくいくって」

ユ「でも、レナがぼくのことどう思ってるかわからないし、それに、レナの家ってお母さんが捕まってるらしいし、どんな家庭なのか心配なんだよね」

リ「まさか、レナも、お姉さんのメイさんも、そんな悪い人じゃないよ。ユウトはほんとに心配性だね。」 ユ「あはは、そうだよね......でも、簡単にうまくいく方法ってないのかな......」

メ「どうしたの?そんなに浮かない顔して歩いてると幸せが逃げちゃうわよ?」

ユ「え......あなたは......?」

メ「私はみんながかなえられないと思ってる願いをかなえる人。あ、もちろんお金は取るけどね。」

リ「へぇ、すごいじゃん。えっと、じゃあ......」

ユ「リョウ?絶対この人怪しいよ?」

リ「まあまあ、ちょっと試してみようよ。えっと、じゃあ、明日のテストをなくしてください。」

メ「はい、わかりました。じゃあ2000円ね。」

ユ「ねえリョウ、昨日の夜から先生入院してるらしいよ?なぜか猛毒が入った水飲んじゃったって......」

リ「あのお願い、ほんとにかなっちゃったね」

ユ「でも、うまくいきすぎて怖くない?」

リ「そんなことないよ、あのお姉さんは本当のこと言ってたんだよ。ユウトもお願いしてみたら?レナのこととかね。」

ユ「う、うん......」

ユ「(あの人見たことあるような気がするんだよな......いやな予感がするけど、でもほんとに叶うんだったら......)」


ユ「あの、お姉さん?」

メ「あら、この前の子じゃない。今日はどうしたの?」

ユ「その......ぼく、好きな人がいて、でも、その、むこうがどう思っているかわからないし、告白するのも怖くて......」

メ「なるほどね。わかったわ。うまくいくようにしてあげる。この前も来てくれたし、お代は1000円でいいわよ。」

ユ「ありがとうございます!」

リ「そういえば、ユウトって結局あのお姉さんのとこ行ったの?」

ユ「うん、行ったよ。レナのことお願いしてきた。」 リ「でも、何も変わってなくない?」

ユ「うーん、たしかに......もう一回行ってみようかな。」

ユ「こんにちは、えっと、前お願いに来た......」

メ「うん、覚えてるわよ。あれから何かいいことあった?」

ユ「いや、それが......」

メ「うーん、ああいうのは効果が現れるのが遅いのよね。1万円払ったらすぐ効果が出るようにしてあげるわ。」

ユ「(うーん、1万か......いつかは叶うんだし、それはいいかな......)」

ユ「えっと、その、それはいいかなって」

メ「ほらほら、払わないとかなわないよ。そのお金で自分の未来を買うの。ほら、ちょう だい?」

ユ「は、はい、お願いします」

ユ「(あのお姉さん、絶対怪しいよね。それに、あの見覚えのある感覚、なんなんだろ) 」

レ母「将来みんなは何がしたいの?」

レ「あたし、ユウトと結婚する!」

ユ「ぼくもレナと結婚する!」

レ母「あはは、二人ともいい相手が見つかるといいわね。」

メ「私はお母さんみたいにみんなの願いをかなえてあげたいな。」

レ「お姉ちゃんすごい!あたしの分もお願いね!」

ユ「レナ、お姉ちゃんに頼ったらだめ、ねえ、レナ......?聞こえてる?」

ユ「(あっ、夢か......そうだ、子どもの時、あ のときの雰囲気に似てる......まさか、あの人ってメイさん?そんな......なぜメイさんがあんなことを?でも、このままだとレナも危ないんじゃ......)」

メ「今月もいっぱい貯まったわね。レナ、今度はどんな服がほしいの?」

レ「お姉ちゃん、今度は誰から巻き上げてるの?」

メ「さあ、あなたは静かに見とけばいいのよ?私は、お母さまみたいにはなりたくないわ。」

レ「まさか、私の同級生に近づいてるんじゃ......」

メ「あら、ユウト君のことかしら?彼はいいお客さんになりそうよ。そうそう、あなたにも感謝しないとね。彼の願いはね......」

レ「ふざけないで!ええ、知ってるわ。ユウトは私のことが好き。私もユウトのことが好き。この前毒を飲ませたのだって......今までだまってついてきたけど、もう嫌だ。お願 いだからもうこんなことはやめて!」

メ「あらあら、うちの妹も私の手から離れちゃったのね。かわいそうに......昔あなたが言 ってた願い、しっかり払えばかなったのにね。たしかに、私のやってることはひどいこ となのかもしれない。でも、みんなの願いはかなえられる。本当なら、苦労して、それ でもかなわないかもしれない、そんな願い。でも、お金を払えば、何かを犠牲にすれば 、かなえられるなら......あなたがほしいのはそんな未来じゃないの?」

リ「ねえユウト、レナが転校しちゃったらしい。なんでだろ...」

ユ「うん、えっとね......」

リ「ユウト......?」

ユ「メイ姉さん?やっぱりそうだよね?」

メ「ユウトじゃん、久しぶり。どうしたの......?」

ユ「どうしたのって、さっき払ったお金、返して!」 メ「あらあら、とうとう気づかれちゃったのね。ええ、あれは私よ。でも、願いをかなえるためにお金を払う、そう言ったのはあなたよね?」

ユ「ぼく、そんなものなくても、自分でかなえられる。だから......」

レ「ユウト!?」

メ「いいところに来たわね、レナ。10年前、ここで話したこと、もちろんあなたたちも覚えてるでしょうけど......ようやくかなったわね。でもだからといってそれがかな うだけではない。私は、願いをかなえるだけではなく、その犠牲も代行する人間。一 度払ったからこそわかる、苦労することの大切さ。そうでしょ、ユウト?

 それと、レナ、一度こっち側に来た人間は、世の中に戻すわけにはいかない。これ から出会うあなたたちのような人のためにね。あなたはこれから存在を消して生きな さい。それとも、もし、あなたたちがそこまでしてかなえたいと思わないのなら...... 」


?「ねえねえ、お姉ちゃん、あたしの願いか

なえてくれない?」

メ「いいわよ。言ってみて。」

?「えっとね、あたし、兄弟がほしいの。」

メ「あなたの気持ち、わかるわよ。私も一人っ子だからね。じゃあね、お姉ちゃんと一緒に願いをかなえに行きましょうね。」

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