プロローグ
初投稿です。
今現在、自分の記憶にない街を歩いている。周りからは子供1人であることを不思議がるような目を向けられる。そんな周囲の目を無視しながら手に持っている地図に書かれた目的に向かっている。
「・・・ここか、な?」
私は気がついた時、名前の知らない色々とこの世界について教えてくれた人からもらった地図と目の前にある建物を交互に見る。
「ここが私のような人のための場所・・・」
私はなぜか、この世界に関する知識がない。この世界の名前、自分の今いる地名や有名人などが一切分からない。そんな私みたいなこの世界に関わっていなかったような人が集まる場所を目指すよう言われて、もらった地図を見ながらこの場所にやってきた。しかし、
「どう見ても働く場所に見えない・・・」
目の前にある建物は、広いが私の中にある知識だと人々が生活する家のように見える。
「・・・とりあえず入ってみて、っ!?」
私が入ろうとした瞬間、入り口のような場所にある扉が自動で開き中から手と足がついた箱が、
「まずいまずいまずい!!!」
と叫びながら出てきた。その箱は建物を向いていたが私に気がつくと。
「人!?・・・依頼者か?」
そう喋ってきた。何が起きてるのかわからない私は理解しようと棒立ちのままだった。そしたら箱は、
「おいおいおい、アムナ!依頼者だ!怒りを沈めて話を・・・」
そう何か話題を逸らすように喋るが言い切る前に飛んできた物が箱の部分に刺さり、手と足に力がなくなったかのように箱は地面に倒れた。
箱に手足がくっついていること。その箱がしゃべったこと。その箱が死んだかのよう挙動を見せたこと。この建物についてからの状況が急に変化しすぎて何が何だか把握できないでいたら、
「・・・何死んだふりしているんだ、それぐらいじゃお前は殺せないだろ」
そう言いながら緑で長い髪の女の人が開いている扉から姿を現した。その人は私をみて箱に刺さったものを抜き、消失させた。私の知識にはない不思議な現象が起きたことに戸惑っていたら、
「・・・なるほど、あ〜バハト社に保護されたい者ですよね。少し待っててください」
片目を閉じながら、そう私に喋りかけてきた。その人は箱を数秒間みている。
「おい、そろそろ崩炎薙で溶かすけど・・・ほら10〜9〜8〜」
「まったまったまった、ほら起きた、今起きた」
女の人が何か脅すような言葉言うと箱は急ぐように足で立ち上がる。あれ?箱の人の足の長さが少し変わった?
「はぁ、依頼人・・・まぁ今回は保護対象だろうが、それが来ているのに死んだふりをするなよ」
「おいおいおい、客観的にみて私が襲われただろう。なぜ私が責められているのだ?」
「いや、お前が悪いからだろ。うちの社・・・保護している者が醜態を晒してしまい申し訳ございません」
「んんん、保護している者?あと、晒させたのはアムナの方だろう」
そんな会話をした。女の人はアムナというらしい。アムナさんの言葉から推測すると私は保護対象なのだろう、会話から考えるにおそらく箱の人も。
そんなことを考えていたら、
「申し訳ございません。貴方様の名前を教えていただけますか?」
「むぅむぅむぅ、アムナの敬語は違和感が。しかし初めの私にも敬語だった気が」
アムナさんから名前を求められた。そして箱の人からすると敬語はあまり言わないらしい。
・・・困ったなぁ。でもいうしかないかぁ
「ごめんなさい、自分の名前がわかりません」
私がそう言うと女の人は箱の人の方を向く。
「おい、ブルゲン。お前ここにきて自分の名前は?」
・・・箱の人はブルゲンというらしい。
「おうおうおう、覚えているとも。故に故に故に、名前がわからぬとはこの娘自体の問題であろう」
「・・・とりあえず中に来てください」
「あっ、わかりました」
そう言われて私は建物内に案内される。そして、思っていた通り名前がわからないということは異常らしい。
案内された先は机一つと、椅子が複数個ある部屋だった。私は椅子に座らされて、アムナさんはどこからともなくコップを一つと鉄の筒を出し、私の対面に座る。・・・箱の人は腕を組み立っている。
「申し訳ございません、何か自分について証明できるものはお持ちですか?後これお水になります」
「えっ、・・・あ、そういえば」
この場所を記された地図をくれた人からここについたら渡すように、と伝えられた封筒を机に起きアムナさんの方に動かす。
「ありがとうございます。こちら開いても?」
「えっと、ここで渡すようにと言われましたので」
「了解しました」
アムナさんは封筒を開きその中の手紙を読む。少し時間が経ちアムナさんは手を頭に当てる。そして、
「いやぁ、嘘じゃん。私だけじゃ判断できんて、これ。スタさんいないとさ、私禁じられてるんだよ」
「どうしたどうしたどうした、アムナ。気になることを呟いて」
アムナさんは弱音みたいなことを吐き、ブルゲンさんはその理由を聞く。
「うっさいブルゲン、まぁ端的にゆうなら身体絡み」
・・・身体?
「なるほどなるほどなるほど。私は身体について詳しくないが、というよりもバハト、アムナ、スタを除く我ら全員詳しくないが、身体が関連すると碌な事がないそれは全員知っているぞ」
「あぁ、基礎知識の言ってくれてどうもありがとう。問題はこの子どうするかなのよ。」
「ふむふむふむ、それはこの会社の仕事。保護すればいいだけでわないか」
「それをやりたくない事が書かれてるんだよ。この子が保護対象な事、それが私たちの仕事な事。この子の仮の名前、最後に身体に所属する奴の名前と私がこの子をこの歳で生きられるよう育てろと」
「なるほどなるほどなるほど。しかし、嫌でも引き受けなければならないだろう、それが身体なのだろう?」
「あぁ。そうだなぁ、はぁ〜〜〜〜」
そのような、私には少しも理解できないことを会話している。私にとって大事なことも聞こえたが。そんなことを考えているとアムナさんが、
「悪いけど敬語やめる。私たちの話聞いてた?」
「えっ、あ、一応聞いていました」
「そうか、じゃあまず貴方の名前、シトとこの手紙を書いた人間は名付けたらしい。受け入れられるか?」
・・・?さっきの会話にある私の仮の名前のかな?シト、シトね、うん、悪くないと思う。
「覚えました」
「よし、じゃあ次、貴方はここで住んでもらうこれは決定事項。拒否しようと無理やり納得させる。逃げようものなら、捕まえる。逃げ続けるようなら足を切り落とし、止血して閉じ込める。そんなレベルの命令だなこれは」
「物騒、物騒すぎ何だけど。分かりました、住まわせてもらいます」
「小声で初めの方聞こえなかったな。了承ということで、最後に、貴方にこのせかいについて私が教える、受け入れられなくても無理やり飲み込んでくれ」
・・・教えてくれるのならばいいんですが、それよりも何でこの世界なんて言うのだろう?
「・・・それはこちらから、お願いします」
「そうか、ありがたい。じゃあ貴方の住む部屋の場所を・・・」
そうアムナさんがしゃべっているとブルゲンさんが、
「おいおいおい!アムナ!この地区に改形人体が現れた!しかも上級らしい!」
そう叫んだ。私からしてみれば改形人体や上級と知らない単語が出てくる。
「はぁ〜?あいつらどうやって地区の中に入ってくるの?外縁ならわかるのにさぁ」
「早く早く早く、急げ!そんなことよりも!倒しに行くぞ!」
「いやぁ、そうそう!シトちゃんにこの建物の部屋を教えなきゃなん・・・」
そんなことをアムナさんとバラガンさんがはなし、アムナさんがしゃべっている途中で、ブルゲンさんがアマナさんを片腕で抱いて持つ。・・・なぜか私も。えっ、何で?
「ブルゲンさん、何をして」
「あぁ〜まじでお前ふざけんなよ、シトちゃんいるから速度出をあまり出すな、気をつけて急げ」
「行くぞ行くぞ行くぞ、私は!行くぞ!」
そう叫びブルゲンさんは早く進む壁に向かって。・・・えっ!?何やってんの?危ないじゃん!そう思いながら衝撃に備えていたが、すぐにくると思った衝撃は来ずに隣で、
「こいつの生活費から壁の修理代を抜いて、いや、経費で落とせば・・・無理か」
とそんなアムナさんの言葉が聞こえた。
ブルゲンさんに抱き抱えられて20秒ぐらい経ち、進むのが止まって私たちを下ろしてくれた。アムナさんの方を見たら、いつの間にか持っている銀色の像を消失させた。・・・あれ抱かれて運ばれていた時いつの間にかあったな。周りは建物が崩壊していたり人が倒れていたりた。・・・少し気分が悪い。
そんなことを考えているとブルゲンさんが、
「見ろ見ろ見ろ、アムナ、シト、見ろ。あれが改形人体。なんとも奇怪な姿よ」
そう言い指を刺す。刺された30メートル先には、体が異様に大きく、四肢の大きさも不釣り合いな、一目で異常と言える、人間のような、化け物が、いた。・・・気味が悪い。
「あぁーそうねぇ、確かにあれは上級だわ。ウル社は何やってんだか」
そうアムナさんが呟く。・・・あんなのが複数いるの?
「そうかそうかそうか、アムナは見た事があるか」
「ほんとに見たことだけだけど。あれは拘束すりゃいいんでしょ、私より強い人はそこで観戦してればいいんじゃない?」
「うんうんうん?アムナより強い?誰が?」
「お前が」
そんな話をしながらアムナさんはいつの間にか、全体的に赤い手斧を右手に持ち・・・即座に化け物との距離を詰めて、化け物の左腕を飛ばす。そしてアムナさんが、
「起動、斧血」
そう言った気がした。そんなことを思っていたら、化け物の血が斧に集まり、取り込む。そしたら斧はなぜか大きくなる、柄も刃も。
「ごおおお!!」
化け物がそう叫びアムナさんに四肢の中で異様に大きい右腕で殴るが、アムナさんは化け物の股下にスライディングし、後ろに回りつつ左足を切り落とす。・・・なんか物理法則無視してません?
「アガ!?」
体を支えていた2本が急に1本になったことによりバランスが崩れ驚きの声を上げた化け物にアムナさんは追撃を加え右足を切り落とす。そしたらアムナさんの左腕に杭に似た何かが握られて、
「杭込む苗木」
アムナさんがそう言ったように聞こえた物を化け物の腹に突き刺す。
「グ!ゴォォォ」
化け物はそんな声を吐きながら残った小さい----通常の人と比べると十分にでかい----右腕で引き抜こうとするが、杭はびくともしない。
「捕まえたぞ。ブルゲン、どうする」
アムナさんは私たちに近づきそう言う。そしたらブルゲンさんは、
「あぁあぁあぁ、見事だな、本当に。この後は、いや今来たファルト社だ」
そう言うと、同じ服装の人たちが五人やってきた。そして、
「これは、いったいどう言うことだ?」
そう五人の中で持っている武器が豪華な人が言う。
「おそいおそいおそい、この地区はファルト地区。ならば、ファルト社がこの事態を解決すべき」
「いや私たちが来なければ問題なく解決しているだろ。今回は私たちがファルト社より早く終わらせた形だな」
ブルゲンさんは遅いことに文句を言う。・・・アムナさんの言ったことは最後だけ聞き取れなかった。
「大変申し訳ございません。我々バハト者のものです。この度は我が社の近くに改形人体が現れたため我々が対処させていただきました。この存在の拘束の継続をお願いします」
「なるほど、把握した。後ほどこの件について知っていることを聞かせていただくことにな」
「継続!お願いします!」
そうアムナさんが言い、化け物に近づき、杭込む苗木を引き抜く。・・・それと同時に右腕を切り落とした。
「帰るぞ、ブルゲン、シト」
そういいアムナさんは速いスピードで走り出し、ブルゲンさんが走ってきた道を帰る。
「ふむふむふむ?アムナは何故あんなに急ぐ?まぁいいか。ではシト、帰るぞ」
ブルゲンさんはそういい私を掴み、走り出す。あぁやっぱり帰りもこれかぁ。
もといた建物の前に着くとアムナさんがいた。アムナさんは左腕をあげると、ブルゲンさんの真上に浮いていた、さっき消失させてた銀色の像がアムナさんの左手に向かう。・・・いつの間にあったんだろう?
「ブルゲン?明日、イノさんが帰ってくるけど壁の言い訳はお前がやれよ」
「あぁあぁあぁ、了承した、我の責任だ」
そう喋りながらブルゲンさんは箱の頭をかき、アムナさんは左手についた銀色の像を消失させて、二人とも建物内に入ろうとする。・・・ついていこう。
「ならよし。で、何やろうとしたんだっけか、とりあえず行きたくない理由をでっち上げた記憶があるが」
建物に入るとアムナさんがそう言う。・・・建物の紹介はでっち上げだったんですか。
「ただ、あぁ〜そうだ。シトちゃんちょっといい?」
「え?あ、はい」
「この世界ってあんな・・・ひどいのはそんなにいないけど、ブルゲンみたいな不思議生物がいっぱいいるんだよね。どう?この世界で生活できそう?」
「・・・できるできない聞かれても、ここにいる以上受け入れて生きなければいけないんですよね。だから、大丈夫です」
私がそう言うとアムナさんは
「まぁ、NOと言われても無理やり住まわせるけど自主的に来てくれるのは助かるな。・・・それじゃあ!ようこそバハト社へ!今日からここがあなたの住居だ!よろしくね」
「うむうむうむ、よろしく頼もう」
そうして、私のバハト社生活が始まる。