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僕の部屋に居るお友達、バルーン。

作者: 七瀬




僕の名前は 『フリップ』歳は6歳で、一人っ子の僕は寂しがり屋。

お父さんもお母さんも、僕にとっても優しいんだ。




___本当はね?

僕の下にもう一人、弟か? 妹が出来る予定だったんだ。



でも、お母さんのお腹が少しづつ大きくなるにつれてお腹にいた

赤ちゃんが、危険な状態になったんだよ!


お母さんのお腹の中に赤ちゃんがいられなくなってね。

直ぐにお医者さんがお母さんのお腹から赤ちゃんを取り出したのだけど、、、?



___もう、息をしてなかったんだ、、、!

僕もお父さんもそこにいて、見てたから分かったよ。


『___赤ちゃん、死んじゃったの、、、?』

『・・・・・・あぁ、そうだよ、』



 *



___後でね?

お父さんから、言われたんだ。


『フリップ! お母さんのお腹にいた赤ちゃんはもう、いないんだよ。

でもな、フリップ! お母さんの前で、赤ちゃんの話はするな! いいか!

誰よりも、お母さんが赤ちゃんがいない事を悲しんでいるんだから、、、!

それと、、、もう弟も妹もできないと思う。ごめんな、フリップ!』

『・・・うーん、仕方ないよ! 僕はお兄ちゃんになれなくてもいい!

お母さんを悲しませたくないから、、、!』

『___本当に、お前はいい子だ!』



お父さんは、そう言うと、、、僕をギュッと抱きしめてくれたんだよ。

きっと、悲しいのはお母さんや僕だけじゃないんだ!

___お父さんも...。



 ▽



___僕は、この事があってから、、、。

弟や妹がほしいと言わなくなったんだ。


お兄ちゃんになる事を、僕は諦めたんだよ!


そんな僕を見て、お父さんとお母さんが心配してこんな事を言ってくれたんだ。


『ねえ、フリップ? もし、、、貴方が良ければ、ペットでも飼わない?』

『・・・えぇ!?』

『そうだ! 以前、フリップも言ってたじゃないか? 子犬が欲しいって!』

『・・・僕は、今はペットも子犬も要らない!』

『・・・えぇ!? どうして、欲しくないの?』

『・・・うーん、どうしても要らないんだよ!』

『要らないから! 要らないんだよ!』



 *



あの時の僕はまだ、亡くなったあの赤ちゃんの事が忘れられなくて

そんな気分になれなかったんだ。





___でもね?

こんな夜、みんなが寝静まった時間に、、、。


僕が、自分のお部屋でベットで一人で寝ていると、、、?

誰かの声が聞こえたんだ!


『フリップ~フリップ~! 起きろ~フリップ~!』

『・・・えぇ!? こんな時間に誰が僕を呼んでるの、、、?』

『___やあ! 起きたかい? フリップ!』



___僕は寝ぼけているのか?

煙のような、白い塊が僕の方を見て、そこから声が聞こえるんだよ!


『・・・キミは誰?』

『ぼくのなまえは、バルーンだ!』



僕は、眠い目をこすりながら、その白い塊を目を細めてよく見ると、、、?


___なんと!?

そこに居たのは、、、?


【オバケ】だったんだ!


『___バルーン! キミはオバケなの?』

『あぁ! そうさ~! でも、悪いオバケじゃないよ!』

『___僕も、そう思う。』

『一緒に遊ぼう!』

『___どうやって?』

『今から、散歩でも行かないか? 夜のお散歩だよ!』

『・・・でも、こんな時間に外に出たら? お父さんとお母さんが心配するよ!』

『大丈夫だ! みんなに見つからなければいいんだろう?』

『___ううん。』

『フリップも、少しの間だけ! ぼくみたいに透明人間にして空も飛べるように

するけど、、、? いいかい?』

『・・・えぇ!? ううん! でも、そんな事が出来るの?』

『___あぁ! ぼくに任せて!』



バルーンが、僕に触れただけで僕は簡単に透明人間になっちゃった!

それに、空を飛べるらしいんだ!


『さあ~フリップ! ぼくと手を繋いで! ここから夜空の散歩をはじ

めるよ! 準備は出来たかい?』

『___ううん。』

『___せーの!』



・・・ぷかぷかと僕とバルーンは宙に浮かんだんだ!

しかも、透けているから物をすり抜けられるんだよ!


___あっという間に、僕とバルーンは?

夜空に向けて、空高く飛んでいったんだ。


『___すごいすごい! こんなに空高く飛べるんだね!』

『___あぁ~凄いだろう~!』

『僕は今! 空を飛んでるんだーーー! 飛んでるよ~!』

『少しは、気分が晴れたかい?』

『・・・えぇ!?』

『フリップ! キミは少し元気がなかっただろう? だからぼくが

元気づけようと思ったのさ~!』

『そうなの、、、? ありがとう、バルーン!』

『ねえフリップ? ぼくとお友達になってくれないか?』

『___何を言ってるの? もう、僕たちはお友達だよバルーン!』

『___そうだね。』



 ▼



___僕は、僕の部屋に居るバルーンとお友達になったんだよ!


___僕は、バルーンと一緒だと、、、!

辛い事も、全部ぜんぶ! 忘れられたんだ!


【ありがとう、バルーン! これからも、ずっとお友達だよ!】





最後までお読みいただきありがとうございます。

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