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転生してそれから

書くのが遅いので更新も遅いです。




 俺がこの世界に転生してから2年が経ち、俺は二歳になった。2年も経てばこの家のこともかなりわかってきた。俺の家族は全部で5人いる。まず俺の父親はクリストフ・ヒュルドラドというらしい。赤毛の短髪で少しいかつい顔をしている。母の名前はサテナ・ヒュルドラド。こちらも髪の色は赤で腰まで届くほどに長い髪を肩にかけて前に流している。控えめに言ってもかなりの美人だ。残りの3人は兄が1人、姉が1人、そして弟が1人となっている。兄の名前はカイルという名前で、俺より7歳年上の9歳だ。兄もまた両親と同じ赤毛を後ろで一つに結んでいて、穏やかな顔立ちをしている。そしてその兄と双子である姉のサリアも同じ赤毛を母のように肩にかけている。そして兄と同じく母のように穏やかな顔立ちをしている。どうやら2人は母親似のようで父の遺伝子の面影が見当たらない。そして今はまだ0歳の弟クロートが俺の兄弟だ。まだ成長途中で確かなことは言えないがおそらく俺も母親似だと思う。しかし、なぜか俺だけ髪の色は黒になっている。あの全神がなにかしたのだろうか。おかげで陰でいろいろ言われているんだよな。


 これは最近知ったのだが、俺の住んでいる場所はリーネア帝国で、父クリストフは帝国騎士団の元団長だったらしい。そして母は帝国魔道士団の元団長だったそうだ。なので元とはいえ、かなりの地位なので住んでいる家も大きな屋敷で、使用人も大勢いる。そして俺の陰口を言っているのは使用人だ。俺は毎日魔力操作の修行をしているので普段から身体能力が強化されている。身体強化は視覚や聴覚の強化もできるため、自然と耳に入ってしまうのだ。しかし、家族のみんなは髪の色など気にせず接してくれるのであまり気にならない。


 そして俺は今、家の書庫にいる。あらかじめ全神に情報はもらっていたが、それは必要最低限の情報しか教えられていないのだ。なので細かいことは自ら調べなければならない。この家の書庫には大量の本があるので調べ物にはうってつけの場所なのだ。まあここにいる理由は他にもあるのだが……。噂をすればなんとやらか。


「ラウルー!なにをしているんだい?本を読んでいるのかな?お兄ちゃんが読んであげるよ!さあ、どれを読んでほしい?」


「ラー君!お姉ちゃん学校頑張って行ってきたから頭撫でてー!」


 今俺を膝の上に乗せて絵本を読もうとしているのが俺の兄であるカイルで、俺に抱きついて頭をこすりつけているのが姉のサリアだ。二人ともかなりのブラコンで家にいるときは大抵俺に絡んでくる。この世界では5歳から10歳までは学校に通わなければいけないので今のところ朝と夜だけだが、それでも疲れる。


「はぁ、兄さんも姉さんも学校から帰ってきたばっかりでしょ?宿題とかはいいの?」


「大丈夫だよー!学校で終わらせてきたから!」


「私も!」


 この二人の困ったところはここだ。二人とも無駄に優秀なのだ。勉学においても戦闘においても学校では上級生下級生含めてトップと言える成績なのである。なぜ俺がこれを知っているのかというと、二人が俺に褒めてもらうために言ってきたからだ。たぶん、あのときもし褒めなければ普段おとなしい二人が泣き叫んだだろう。



 どうやらこの世界では皆成長が早いようで、9歳の二人は身長ならばもう地球では12歳くらいだろう。そのため、2歳である俺が普通に言葉を話せても誰も疑問に思わない。さすがに文字を読んだときは驚かれたが兄さんと姉さんも2歳くらいで読み書きができたのでそこまで騒がれなかった。俺は転生する前は16歳だった。なので実は学校で教えられることは勉学と戦闘訓練のどちらもないのだ。まあ、それでも学校は行かなければならないのだが、その分昼間にできたであろう鍛錬ができないのは勿体無い。いろいろできてもさすがに2歳の子供には剣を持たせてはくれないし。



 しかし、剣を使えない代わりに魔力の強化はかなり進んでいる。今では身体強化に使う魔力よりも回復量のほうが多いので24時間ずっと身体強化を持続し続けることができるようになった。この2年間、さすがに魔力操作をしているのを見つかるのはまずいので周りに誰もいないときだけやるようにして、1歳あたりで自分の魔力を隠す術を身に着けた。これは剣神との修行ではやらなかったな。魔力や魔素は基本的には見えないのだが、ある程度の実力になると見たり、見えなくとも感じることができてしまう。例えば父クリストフは見ることはできないが感じることはできる。さらに母サテナは元魔道士団団長だっただけあって魔力に敏感だ。俺の魔力隠蔽はほぼ母対策で作った技なのだ。



「ラーくーん。なに考え事してるのー?」


「ラウル、そんな難しい顔してないでこっちへおいで。なにを読んでほしい?」


「あーもう!邪魔しないでよ!俺は一人で読んでたいの!」


 面倒になってつい強めに言ってしまった。過去の体験からいうとこのあとはさらに面倒なことになる。


「ラウル……いったいどうしたんだ。なにか嫌なことでもあったのかい?誰かに嫌がらせでもされたのか。誰になにをされたんだ。教えてくれ。今すぐここに連れてきて地獄のような目に合わせてあげるから」


「違うから!ていうか俺屋敷から出てないんだからそんなことありえないでしょ!」


「そ、そっか、でも嫌なことがあったらすぐに言うんだよ?約束だからね?」


「わかったよ」


 ……あれ?そういえば姉さんがさっきから静かだな。あっ。


「ラー君が……ラー君が邪魔って……」


「あらら、さっきのラウルの言葉で放心しちゃってるよ。ラウル、早めに直してあげてね」


「うん」


 こうやって姉さんが放心状態になったことは何度もある。原因は俺だが。姉さんはこうなってしまうと放っておけばずっとこの状態になってしまう。この状態は俺にしか直せない。その方法は簡単だ。


「お姉ちゃん大好き」


「っ!ラー君!今お姉ちゃんのこと大好きって言った!?もう一回!もう一回だけ言って!」


 姉さんはこうすればもとに戻る。こちらの羞恥心もなかなかのものだが。


「またいつか気が向いたら言ってあげるよ」


「えー!今がいい!今言ってほしいのー!」


 この姉はいつになったら弟離れするのだろうか。


「サリア様ー、ラウル様ー、お夕食の準備が整いましたよー」



「「はーい!」」



 いったいどうなるのやら……







読んでいただきありがとうございます!

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