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プロローグ

「消えてなくなりたい」

告白をした日から何日経っただろう?絶望感や恥ずかしさから逃れるために学校を休んだまま行きづらくなってそのまま登校拒否なんて・・・(こんなことなら告白なんてしなけりゃよかった)

憂鬱な気持ちを紛らわすためにパソコンの前に座り、特にすることもなくSNSを眺めているとメールの着信があることに気づいた。

送信先が書かれてなくタイトルに「テストプレイヤーに選ばれました」と書かれていた。いつもならこんな明らかに迷惑メールと思われるようなメールは開かない。そもそもテストプレイヤーの応募なんてした覚えもない。なのになぜか今回は特に躊躇なく開いてまったのだ。そして本文にはこう書かれていた。



「あなたは新しく作られる世界のテストプレイヤーに選ばれました。

あなたの意思に関わらず本日の終了と同時に転送します」



迷惑メールにしてはおかしいし、なにしろ情報が少なすぎる。

新しい世界ってなんだ?ゲームのタイトルにしては味気ない。

(本日の終了と同時にってあと1時間で日付変わるけどどうなるんだ?転送ってどういうことだ?)まぁいいか。よくわからないしとりあえず1時間待ってみればわかるだろう。と、深く考えず他のことをしながら時間をつぶすことにした。


 ・・・・・・(あれ?寝落ちしちゃってたのか・・・)

ぼんやりとした頭がはっきりとしていくにつれて頭の中に疑問符が湧いた(どこだここ?)明らかに自室ではない。辺り一面真っ白、天井も床も壁もあるのか無いのかよくわからない空間に立っているでも浮いているでもない不思議な感覚(なんだこれ?どうなってんだ?・・・ああ、これはあれか。目が覚めたっていう夢を見てるんだな)そう思うのが普通だし一番簡単に納得出来る。それならこのあと何が起きても夢で片が付く。

辺りを見回していると遠くから何かが近づいて来ているのに気づいた。そしてだんだんと近づき自分の前で止まった。それはふわふわと浮いていてうっすらと光っていた。「神様がお待ちです。こちらへどうぞ」そう言うとそれは元来た方向へ飛んでいく、(ああ、そういう展開ね)特に疑いもせず付いていくとこれまたベタな展開。真っ白な長いひげに杖、白い衣を着た老人が立っていた。

「一ノ瀬裕太くん、キミを新世界のテストプレイヤーとして転生させてもらうことにした。」

「そうですか」

「驚かないんだね?」

「こんなベタな展開今どきの中高生ならみんな驚きませんよ」

「そうか、それなら話は早い。今から送る世界はまだ完成していない。わかりやすく言うとクローズドβテストに参加してもらうような状態じゃな。不具合もあれば未実装なものもあるだろう。キミにしてもらうことはその世界で魔王として君臨してもらい、対人間とのパワーバランスを報告してもらうことになる。ここまでで質問は無いかね?」

「魔王としてやるべきことやってはいけないこととかは無いんですか?」

「特に無い。自分の好きなように振る舞うといい」

「なるほど、魔王というのがちょっと引っかかりますが好き勝手できるなら楽しそうですね。」

「では、ナビゲーターとしてこの子に付いて行かせる。何かわからないことがあればこの子に聞くといい」

(ああ、このふわふわ浮いてるのが付いてくるのか)

「よろしく、一ノ瀬裕太さん」

「裕太でいいよ」

「それでは裕太さん、出発しましょう。神様お願いします」

神様が持っていた杖を高く掲げると杖の先端が直視できないほどの光を放ち辺りを覆い尽くした。

(ベタだけどまぁまぁ面白い夢だったな・・・)

「夢では無いぞ」

微かに聞こえた気がした・・・



 だんだんと光が弱まり目も慣れてきた。先程までの不思議な空間とは違い、どこかの建物の中にいた。石のレンガでできている大きな広間、高い天井、中央には高級そうな真っ赤な絨毯、その両脇には松明が灯されており階段の上には大きな玉座があった。

(これが夢じゃないわけがない。夢確定だ)

「それでは裕太さん、これからここがあなたの城です。好き勝手しながらで構いませんのでデータ収集よろしくお願いします」

「よし!んじゃやってみようか」





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