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 「行きましょう!」


 俺は隊長に大きめの声で提案した。


 「お前…正気か」


 同じの分隊のメンバーが自分の肩に手を置いてそう言った。

 隊長は険しい表情で、こう言った。


 「その理由は…?」


 「精鋭部隊にはそれ相応の戦果が必要です。400人の大群を壊滅させたとなれば、きっと良い評価が貰えるでしょう」


 「お前には、それをできる覚悟と技術はあるのか…?」


 「あります。なんなら1人で行きます」


 俺は決心した。自分でもわからない。

 生き残ろうと決意したにも関わらず、こんなにもリスクのある事をしようとしている。


 でも俺が1人死んだだけで精鋭部隊にはさほど影響はないだろう。俺なんかよりもずっと経験と技術が豊富な人しかいないのだから。


 「……わかった、行け…。そして俺に見せてくれ【突撃野郎】の力を」


 「―はい!」


 死ぬ確率は、99,9%くらいだと思う。無謀すぎる。

 でもこれはチャンスだ。


 俺の努力を証明する時だ。死んだら死んだだ。

 ただ無駄死にはしたくない。できるだけ多くの敵を、この手で始末する。

 それが()()としての使命である。



 アルクさんに、正確な居場所を教えてもらった俺は、森林をひたすら駆けている。


 距離はもう遠くない…。そろそら偵察兵がいても不思議じゃない。


 右にいる…。


 偵察兵だ。距離は近い…。まだこちらには気づいていないが、直にバレる…。


 そういえば、さっき同じ分隊の人から


 『―ハンドガンの消音器(サプレッサー)が余っているんだった。お前確か、ハンドガン装備してたよな。やるよ、あまり意味は無いと思うが、捨てるよりはマシだろ』


 と言われた。


 俺は草の茂みに隠れて、消音器をつけた。


 この距離なら、、、


 敵は、木の上に迷彩服の男とその右奥の草のところにいる。


 木の上の奴を…


 シュトンッと静かな音がなり、木の上の偵察兵に命中した。

 

 距離もさっきの奴らよりも近いので容易く命中させることができた。


 木の上から味方が落ちて来たのを確認したもう一人の兵士は、そいつに構うことなく、索敵し始めた。

 

 だが俺を見つける前に、俺に撃たれた。


 なるべく発砲は避けたいため、一発で仕留めたい。


 ハンドガンでも頭に当たれば即死、致命傷を与えられる。俺は、スコープは使わずアイアンサイトで狙う方が得意だ。


 時間が惜しいため、すぐにまた駆け出した。


 


 「―あれかぁ…」


 俺は草の隙間から覗き込むようにして、敵を見ていた。


 確かに数百人ほどいた。全員武装している。


 奇襲するタイミングを伺いながら、俺は敵をずっと見つめていた。

 


 数分程見ていると、敵の上官らしき人物が手を上げ、全体の動きが止まった。


 休憩なのかは知らんが、ここは戦場だ。進行は止まっていても、気は全く緩めていない。


 なんせ歩兵の顔つきが鋭いんだもの。


 恐らくだが、これと同じくらいの数の塊をいくつか作っていて、同時に違うところへ向かっているのだろう。


 味方に一人も会っていないからだ。別の隊を狙っているのか、殺されたのかはまだわからない。


 

 そろそろ行くか…。


 俺はレイピアを抜刀し、敵の隊に気づかれないくらいのスピードで接近し、木々に飛び移った。


 向こうはこちらに向かって進んでいるので、近くに来た瞬間上から奇襲するつもりだ。


 もう数分後には死んでいるのだろうか…。


 行くぞ…!


 心の中でそう合図し、上から斬りかかった。

 

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