表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祖母の昔話  作者: 鳥肉
2/11

暴れ馬止め

当時の移動手段はほとんど歩き。特別な時だけ馬の曳く車に乗ったそうです。


荷物の多い時は馬の曳く荷車に載せる。


遠くまでの移動は石炭で走る汽車ですね。


大きな馬が曳く大きな荷車。この馬が何かの理由で時々暴走したそうです。


主な理由は大きな音に驚くのだそうで、特に秋になり田んぼに稲が育ち米が実ると、カラスや雀が食べにきます。


この鳥をおどかし追い払うのに使ったのが大きな音をだす「からでっぽう」(空鉄砲でしょうか)で、ものすごい音がします。


この音がすると驚きはしりだします。乗り手も必死にとめますがまったくとまりません。土手の道をどこまでも走って行きます。


広い道を走ってくる暴れ馬。当時の道ですから舗装などはされてなく、穴だらけなので遠くからでもわかるものすごい音が響き渡ります。


この音がすると、

「暴れ馬だ!!」

と皆、道から外れ土手の下ににげます。


そして皆、口々に叫びます。

「岩見さん呼んでこい!」

「もう来よるぜ、お―来た来た」


この岩見さんという人が馬を止める名人だったそうで


とても体格のいい、顔中ヒゲだらけのおっさんで馬が走ってくる音を聞くと自分の家から飛び出します。


そのまま違う道を馬と並んで走り、石屋の角の道からでてきます。


そしてものすごい勢いで走ってくる暴れ馬の前に

両手を広げて立ち塞がります。


そうすると不思議なことに、暴れ馬がピタッと止まったそうです。


これを馬が走ってくるたび繰り返し、失敗はただの一度もなかったそうで


広げた手に馬が驚くのか、また他に技術があるのかは判りませんが、今では見る事のない光景です。


・・・なんだか、カッコイイですね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ