36.猫の決意……
リルたちを助けた日から数日、俺たちはまだ森にいた。
アルフレッドの領地にすぐ戻ろうかという話にもなったけど、体力の回復を優先させ、森で休息してから戻ろうということになった。
なんとなく、アルフレッドの気づかいが入っているような気がした。
領地に戻ったら、アルフレッドとクレアは忙しくなるだろう。
一番戻らなければならないアルフレッドからの提案だった。
きっとクレアのために、俺とリルと過ごせる時間を作ってくれたんだろう。
「クルニャー!(親ばかだね)」
「な、なんだよシュン……」
アルフレッドが照れたようすを見せる。
おっさんの照れに興味はないので、俺はクレアに近づいていく。
俺が近づいたところでクレアが声をかけてくる。
「シュン! ずいぶん小さくなっちゃったね」
「クルニャン(クレア、大きくなったね)」
俺はクレアを見上げる。
クレアが大きくなってしまったというのは冗談だが……。
森に戻ってきてから、日に日に体が小さくなっていった。
もとのサイズに戻ったというべきか……。
クレアすら見上げるサイズだ。
これは俺の仮説だが……。
必要のない大きさは、適応能力の高さがゆえに縮んだのだと考えている。
まあ、食べる量も少なくてすむし、経済的だと前向きに考えよう。
強さ、ステータスは半減したものの、十分な強さ……だと思う。
また徐々に強くなっていけるように頑張っていこうと思う。
突然、浮遊感を感じた。
地面が遠ざかっていく。
「よいしょ」
リルの可愛い声が耳をうつ。
止まったところはリルの肩の上だった。
クレアの微笑ましそうな笑みが見える。
隣を向くと、いい匂いのする、フワフワの銀髪。
やっぱり俺の定位置はここだ!
この大きさだからこその至福。
ほんと、頑張ってよかった……。
これから……、リルの冒険者としての物語が始まる。
アルフレッドの領地での冒険者生活。
「クルニャ~ん!(俺は……、頑張ってリルを成り上がらせるよ~)」
俺はリルに立ちふさがる全てのものを蹴散らしていくと、あらためて決意したのだった。
~END~
最後までお読みいただきありがとうございました。
この続きは作風を大きく変えるということもあり、新たに開始しました。
より読みやすく、より楽しい作品にしていきます。
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『最強猫科のベヒーモス ~モフりたいのに、モフられる~』
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