白い部屋と3つ Σ
「3つ欲しい能力を言ってください」
言われて、自分が真っ白な部屋で、白い髪の美人と机を挟んで座っていることに気が付く。
「っ……と?」
「例えば『絶対に息切れしない体力』とか、『どんな重い物でも持てる怪力』とかです」
うん、そういうことを聞きたいんじゃない。
頭を切り替える。これはきっと夢だ。
左腕がいつもみたいに冷たくて、左眼がいつもみたいに熱い。
なら――。
「『ナンデモミエル左眼』をくれ」
これで、あの子の名前も見れるぜ!夢なんだけど……。
「かしこまりました。『ナンデモミエル左眼』を差し上げます。残り2つはいかがなさいますか?」
ふ、俺だって並みのオタクじゃない。こういう時に欲しいものはいくつか考えてある。
「『魔力が尽きない左腕』をくれ」
「かしこまりました。『魔力が尽きない左腕』を差し上げます。残り1つはいかがなさいますか?」
最後の1つこれは簡単だ。
「『あらゆる衝撃に耐えうる脳』をくれ」
「かしこまりました。『あらゆる衝撃に耐えうる脳』を差し上げます。転移作業に入りますが、よろしいですか?」
事務作業を行うように目の前の美人は、淡々と話を進める。
良いに決まってる。こんな、わけわからん夢、早く目覚めたい。
俺は自分の妄想力――。
想像力を恨む。この夢はリアル過ぎた。
「あぁ」
「では、『ナンデモミエル左眼』、『魔力が尽きない左腕』、『あらゆる衝撃に耐えうる脳』を差し上げます。契約内容は『炎龍』の討伐です。討伐後に、また話をしましょう」
言われて床に白い魔法陣が浮かぶ――。
そして、気が付くと俺は果物屋の前にいた。




