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ダリス3

「これが……反抗期…なのか……?」


 ダリス違うと思うぞ。

 本当の反抗期の拒絶はあんなもんじゃねぇ。

 いや、妹からの経験だから俺も詳しくは分からねぇけど。

 相当落ち込んでるし、ここは、慰めるべきか……。

 ダリスもなでなでしたら元気になるかな。


「シェリスにはウソついてもバレちまうし……腹くくるか」


 とか下らんこと考えてたら、慰める必要はなくなっていた。

 べ、別にダリスの事なでなでしたかった訳じゃないんだからね!本当に。


 マジで何考えてたんだ俺、落ち込んだおっさんをなでなでするピンクの眼帯付けた男……。

 うん、超気持ち悪いな!

 マジ幼女と関わった後しばらくは俺の脳ミソはポンコツになるな!思考がまともじゃねぇ!


「さて、眼帯屋と不動産屋に紹介状書くか」


 ダリス立ち直り早いな。いや、切り替えが早いのか。

 ダリスは仕事机に座って、紹介状を書く準備をしている。

 これから先、「お父さんの服と一緒に選択しないで!」とか言われるかもしれないけど、強く生きろ。


「よし、あと地図だな」


 言いながらダリスは三枚目の紙にペンで何やら書いている。というか、紹介状書くの早いな。

 インクとペンの往復が大変そうだ。この世界にボールペンはないらしい。

 ん?今更だが、字が読めたのが左目のおかげだとしたら眼帯付けてらんねぇな。どうするか。

 それに俺はこっちの世界の字とか書けるのか?契約書書くときとかに字かけないんじゃね?

 やべぇ、不安になってきた。紹介状ってことは一緒に来てくれないんだよな……不安だ。


「ユート、説明すんぞ」


 ダリスが正面に来てた。紙を三枚並べる。机の上が結構酷いことになってるが、気にしてはいけない。

 あぁ、やっぱり文字読めねぇ。でも地図はなんとなく分かるな。4つ○が書かれてる。目的地か?

 というか、この地図見やすいな。定規使った様子ないのに直線引けてるし。

 これを一瞬で書き上げるとか、ダリスさんマジぱねぇ!


「右から、眼帯屋の紹介状、不動産の紹介状、最後に地図だ。まぁ、これは見たら分かるな?」


「はい」


 というか、紹介状の違いが判らん。同じ内容じゃないかこれ?

 あ、宛名が違うっぽい。間違えないように気を付けよう。


「でだ、最初に換金所、次に眼帯屋、不動産に行って、最後はここに戻るって順で道も書いといた。まあこれは守らなくても何とかなるが、最後はここに戻って来い。家を買っても家具とか準備しねぇと住めないしな」


「はい」


 やった!シェリスの家にお泊りだ!

 ……いや、信用できる宿の紹介とかかもしれない。

 どちらにせよ、眼帯返しに来ないとだしここには来ないと。


「家は今日中に決めなくても良い、時間かけても良い家を買うようにしろ。今日はこれから商談があるからついて行けねぇが、明日になったらこの街を簡単に案内してやる。何か聞きてぇことはあるか?」


 聞きたい事……相場と換金所関連と文字と……。

 沢山あった。


「換金所に黒金貨持って行っても大丈夫でしょうか?あと、手数料とかとられるんですか?」


 まずは、これだな。

 さっき簡単じゃねぇって出てたけど


「やめとけ、まず間違いなく面倒なことになる。……金貨1枚を赤銀貨7枚、銀貨30枚にしてもらえ。銀貨なら多少嫌な顔されるかもしれねぇが買い物は出来る。細かい買い物と換金は明日、俺と行ってこよう。手数料はかからねぇ、外の通貨と変えるときはかかるけどな」


 ふむ、面倒なことか……身元確認とかされるんだろうか。

 通貨は一種類じゃないんだな。『双頭』倒したら違う場所に行くかもしれないし覚えとこう。

 よし、次だ。


「眼帯の相場と家の相場はどんなもんですか?」


 これを聞いとかないと吹っ掛けられるかもしれねぇ。

 まぁ、左眼でミタら一発なんだけど。一応聞いとこう。


「そうだな……高いもんはどこまでもいくから何とも言えないが、眼帯は銀貨2~3枚。家は白金貨1~2枚って考えとけば大丈夫だ。えっと白金貨何枚かあるか?あまり外で黒金貨なんて使うもんじゃねぇんだ」


 眼帯が2~3万、家が1千万~2千万ってとこか。

 黒金貨はあまり使わない方がいいらしい。

 一応ダリスに白金貨を4枚ほど袋から出して見せる。


「4枚もあるなら大丈夫だな。あと、これ使え」


 言って袋を2つ渡される。


「金は今日使う分だけ袋に入れて持ってけ。片方に金貨、片方に銀貨って感じで使い分けろ。白金貨見たこと無いやつは銀貨と間違えて会計しちまうかもしれねぇ、そういうミスを防止する為にな」


 確かに。

 一万円の物買うのに一千万使ったとか、後で気が付いたら泣くな。


「今日使わない分はここに置いてけ。シェリスがユートを気に入ってるから俺は盗んだりできねぇしな。俺はシェリスに嫌われたくねぇ……」


 うん、俺も幼女に嫌われたくはねぇな。

 そういうことなら、金は置いてくか。

 ダリスとシェリスを信頼して。


 さて、急に大きい家が欲しくなったりするかもしれない。それに、急に高い眼帯が欲しくなるかもしれない。

 少し多めに持っていこう。

 黒金貨3枚、白金貨7枚、金貨11枚を使う方に移す。


「よし、準備できたみてぇだし行くか」


 言ってパスットを持ってダリスが立ち上がる。

 字の確認したかったんだが……。

 まぁ大丈夫か。

 でも――。


「ダリスさん。そのパスットは帰ってきたらきちんと買うので別にしておいてください」


 歩きだした背中に声をかける。

 うん、正直欲しい訳でも特別食いたい訳でもない。

 視線にビビって買っただけだ。

 でも、そのパスットは買わなきゃ駄目な気がする。

 うまく説明出来ないけど買わなきゃ駄目だ。


「おう、安心しろ。帰ってきたら買わせる気だった。下に持ってくだけだ、後でシェリスと食ってくれ。パスットはシェリスの好物なんだ」


 言って、ダリスが振り返りながら二カッと笑う。



 すごく、良い――笑顔だった。

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