第9話
兄孟節と別れそのまま出発する俺たちの前に弟である孟優が立っていた。
弟孟優は年齢は俺より2歳年下だから14歳なのだが身長と横幅が俺の1.5倍あり筋肉質な体型である。
俺に似ていなく兄孟節を若くした感じでタレ目で笑うとえくぼができ年上のお姉さんにモテるタイプだと思う。
俺が倒れたと聞いて一目散に俺の見舞いに来たのも孟優で婚約者であった祝融よりも俺のそばから離れず看病をしてくれた。
そのことを華陀から聞いた俺は嬉しく思った。
だがなぜ孟優がここにいるんだ?
「孟獲兄者、孟節兄者との話は終わったのか?」
「ええ、終わりました。俺の代わりに南蛮王国を統治していただくことになりました」
俺の答えに対して孟優は泣きそうな表情をする。
なんでそんな顔をするんだ?
「あの~ どうかされましたか?」
「兄者……いや、なんでもないです。 ところでこのままギョウに向かわれるのですか?」
「はい、孟節様に頼まれたことがございますので益州、荊州方面を経由して向かう予定です」
と俺の代わりに華陀が答える。
華陀言わく益州、荊州方面には優れた人材がいるらしい。
その根拠を聞くと、某シミュレーションゲームが参考らしい。
今は建安5年で西暦なら200年だそうだ。
有名どこの文官や軍師がこの時代はまだ誰にも仕えていないので先に勧誘するのが目的だ。
「そうか……兄者俺もついて行くがいいか?」
「え? なぜですか?」
「兄者が心配だからに決まっているじゃないか」
なんだろう、俺のことをこんなに心配してくれるのがすごく嬉しい。
だが連れて行って大丈夫なのか?
俺は華陀に意見を聞こうと目線を彼に向けると彼は俺に近づき小声で
「付いてきてもらおう。俺とお前では少し不安だから武勇で有名な孟優が一緒なら旅も楽になるだろう」
「わかった」
俺は孟優に振り向き
「でわ、おねがいできますか」
「ああ。兄者は俺が守るから安心してくれ」
こうして俺たちは益州の中心成都に向かった