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第6話

 城を出て半日後、兄孟節が住む村についた。

 村の入口には槍を持った男が2人立っていて俺たちを見て1人は村の中に入っていた。

 

 「我が村に何のようでしょうか」


 男は警戒心を放しつつ話しかけてきた。


 「この村にいる孟節様に会いに来たのだが」


 「孟節様に?」


 「私は医師で華陀と申します。こちらの方は孟節様の弟君の孟獲様、横にいらっしゃるのが婚約者の祝融様です」


 華佗に紹介された俺を見て男は慌てて膝まずき深々と頭を下げた。


 「孟獲様とはご存知なくご無礼をいたしました。何とぞお許しを」


 男を見ると何故か震えている。

 俺が疑問に思っていると華陀が小声で


 「前の孟獲なら今の態度でも気分次第では何らかの罰を与えていたみたいだからそれで怯えているのだろう」


 なるほど。だとしたら門番をしていた男も俺を怖がるはずだ。

 だが今の俺は平成生まれで普通に学校に通い争いも暴力とも無縁な直江慶次の記憶しかない。

 だから


 「立ってください」


 俺の言葉に平伏した男は恐る恐る立ち上がるが目線は下を向いたままだ。

 

 「そんなに怯えないでください。別にあなたに罰を与えることなどしませんから」


 門番に向かって俺は笑み言葉を伝えた。

 顔を上げて俺の顔を見ると門番の男は安心した表情をした。

 村の奥から2人の男がこちらに向かってきた。

 1人は門番でもう1人は俺より背が低く逆に横幅は俺の倍ある感じの男だ。

 俺を見た太った男は俺を見て


 「ふうー、本当に孟獲が来たのか。祝融も一緒に来たと言うことは、俺の首でも獲りに来たのか」


 物騒なことを言う男だな。

 だが俺を呼び捨てにする男は孟節で間違いないだろう。

 俺は華佗に視線を送ると華陀は頷き

 

 「孟節様ですか」


 「そうだが……お主は?」


 「私は華陀と申すものです」


 「ほう、放浪をし各地で奇跡的に病や怪我を治すと神医と言われている高名な華陀殿ですか。お会い出来て光栄ですが、何故孟獲たちと?」


 神医て呼ばれた華陀は複雑そうな表情をしている。


 「旅をしながら医師として私が出来る範囲で病や怪我を直しておりますが神医と呼ばれる者ではありません」


 「なるほどわかりました。それで医師の華陀殿が私に何の御用でしょうか」


 「華陀はただの付き添いです。僕があなたに用があるのでここに来ました」


 俺の言葉に孟節の表情が困惑している。

 

 「孟獲?お主本当に私の弟の孟獲か?」


 孟節は俺を上から下までガン見するが


 「うむ、見たところ孟獲で間違いない……だが」


 「孟節兄、孟獲で間違いないわよ。でも孟獲は病気で……」


 祝融は辛そうな表情をして俺をみる。

 別に病気ではないのだが……。

 祝融の言葉に驚く表情をする孟節に


 「孟節殿。詳しい説明をさせていただきたいのですが」


 「これは失礼した。でわ我が家に案内しましょう」


 孟節を先頭に俺たちは彼の家に向かった。

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