表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/15

第3話 

 「華陀、あんたも俺と同じなのか?」


 話を聞くと華陀はは5年前に俺と同じように目が覚めたら曹操が収める国許昌にいた。

 どうやら体調を崩した曹操の息子を診察するために許昌に訪れていたみたいだ。

 華陀としての記憶が全くなく日本人だった頃の一条総司の記憶だけだったのでかなり混乱したみたいだ。

 幸い曹操の息子は現在の医術の知識では不治の病みたいだったが、21世紀の医術知識でなんとか助けることができてそのまま国医者になってくれと頼まれたが断ったが曹操は華陀を諦めることができず強引な手で召し抱えようとしたが、当時許昌に滞在していた劉備の助力によって許昌から脱出した。

 その後自身の三國志知識を活かし当時平和だった蜀方面に移り住むことになったみたいだ。

 そして南蛮国に流行病が発生したことを聞いてこの国に訪れていたところ俺を病気だと思った自称妻祝融と同じく自称弟孟優に強引に城に連れてこられたとのことだ。


 「一条さんも大変だったんですね」


 俺は一条さんがいたからそれほど混乱せずに今の状況をなんとか把握できたが、一条さんは話を聞いてくれる人がいなかったから相当混乱したと思う。

 

 「まあな、あと名前は華陀で頼む。一条総司の名前では他の者が混乱するからな」


 「わかりました」


 俺たちは情報を交換していると1つ面白いことがわかった。

 俺の生年月日を伝えると華陀(一条総司さん)の子供と同じ年に生まれでしかも同級生だったことがわかった。

 名前を聞くと面識はないが男女の双子の兄妹で少し有名だったので俺は覚えていた。

 でも確か弟の方は事件に巻き込まれたかなんかで行方不明になったと聞いたが華陀はそのことを知らないみたいだ。

 俺は伝えようかと思ったが今の華陀に何もできることはないし、かえって苦労を背負い込むだけだと思ったので伝えないことにした。


 「で、お前さんは孟獲の記憶はあるのか?」


 「……ないですね。直江慶次の記憶しかありません」


 「そうか……でお前さんはどうするんだ?」


 「どうするって何がですか?」


 「俺は華陀として医者として生きていけるが、お前さんは南蛮王孟獲だ。この国を統治し、侵略者から守る為に戦わなければならない。先日まで高校生だったお前にそれができるのか?」


 言われてみればそのとおりだ。

 俺に国を統治する能力なんてない。

 平和な日本で暮らした俺に戦争なんて知らない。

 俺が知っている三国志の孟獲は劉備の死後蜀に反乱し諸葛孔明にフルボッコで倒されて感心してそこで物語から退場し一切出てきていなかった気がする。

 それ以前の孟獲が何をしていたかなど俺は全く知らないし華陀に聞いても知らないと言われた。

 

 「俺に国を統治なんて無理ですね。まして戦争なんて」


 「だろうな。だったらどうする?」

 

 どうすると華陀に言われたが俺はどうしたらいいかなんてわからない。

 考えてもわからない。

 俺はいろいろ考えていると逃げ出したくなってきた。

 一つの考えがでてきた。

 南蛮国を統治できる人間に任せればいいのでわ。

 俺が国の統治なんて無理だ。

 なら出来る人間に任せればいいんだよ。

 そのことを華陀に伝えると


 「それはいい考えだが……いいのか?」

 

 「いいと思います。できない人間がするより出来る人間がするべきだと思うので」


 「そうか、お前がそう言うのなら俺でできることがあれば協力しよう」


 こうして俺はこの国いかにうまく出て行く案を華陀と一緒に考えることになった。  

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ