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第二章

前回投稿とかなり時差が空いてしまいましたが……


別段、見に来られる方なども居られる訳でもないので気にしない(笑)


いや、まぁ、こんな拙文よりプロの方々の素晴しい作品を見ている方が何千倍も為になりますよ?はい。


そんなこんなで性懲りもなく打たせて頂きますm(__)m

分厚い雲が青空を覆い隠している。


天気予報では例年より早い梅雨入りが発表された。


じっとりと水分を多く含んだ空気が教室を満たしていて、かなり暑苦しく感じる。


教壇に立っている担任も少しネクタイを緩めた。



―え~……次の問題は、筆者が子供の頃を思い出して書いた回想を読むと明らかで…



教室を見回すと、この蒸し暑さで大半の生徒がだらしなく机に突っ伏している。


こんな状況で真面目に授業を聞こうとするのは少数の優等生だけだろう。


もう一度、窓の外へと視線を向ける。


仲睦まじく散歩をする老夫婦―


その横を賑やかに走り抜ける子供達―


その様子をふわりと笑みを溢しながら見つめ、湿度により少し重くなった髪を掻き上げる。



―…という訳だ。 じゃあ、次の問題を……唯ヶ﨑《ゆいがさき》、読んでくれ。



「……えっ」


先程まで外を眺めていた少女は困惑の表情を浮かべた。


みんなの視線が彼女に注がれる。 どうしようもないので、仕方なく少女は立ち上がった。


「す、すみません……聞いていませんでした」


消え入りそうな声でそう呟く。



―おいおい、しっかりしろよ。 ……まぁ、ぼーっとする暑さではあるけどな。


「……はい、すみませんでした。」


―仕方ないなぁ… じゃあ、田川。 読んでくれ。



遠慮がちに席に着き、ふぅっと小さな溜息をつく。


ちらりと見上げた空からは微かな日差しが射していた…



気だるい雰囲気のまま授業を終えるチャイムが鳴り響く。


― …じゃ、今日はここまで。 次回までに次の章を予習してくるように。


そう言うと担任は、そそくさと教室を後にした。


やっと終わった、と言わんばかりに大きな伸びをして、次々とクラスメイトが教室から出ていく。


静まり返っていた校内に少しだけ活気が戻ってきた。



「あの超絶真面目な優等生、乃風ちゃんが授業を真面目に聞いてないとか…

 こりゃ、明日は大雨だね」


「いや、もしかしたら天変地異の前触れかもよ? どうする、な~ちゃん?

 明日、日本が沈没……ってこともありえるかも?!

 あぁ~、せめて最後くらい、リサは運命の人と結ばれたかったなぁ~」


と、友人らしき少女たちがキャーキャーと騒ぐ。


「もう、大袈裟すぎだよ~。私だって頭がぼーっとする時くらいあるし…」


そう答えて、先程の少女は昼食のサンドウィッチを頬張った。



彼女の名前は、唯ヶ﨑《ゆいがさき》 乃風のかぜ


何処にでもいる普通の高校生だ。 

肩までのセミロングの黒髪に、柔らかそうな白い肌がとても印象的で……

儚さの中に凛とした雰囲気を醸し出している。



「あ、そうそう。今度、遊びに行くって言ったじゃん?

 実は…七瀬君と篠田先輩も誘っちゃいましたー!」


「「ええーーーっ!!」」


教室に響き渡る程大きな声で乃風とリサという少女は叫んだ。


し~ん…とそれまでの雑音が嘘のように止み、不思議そうに周囲の視線が二人に注目した。


罰が悪そうに二人は昼食を口に詰め込んだ。

その様子をな~ちゃんと呼ばれた少女が苦笑しながら見つめる。


何事もなかったかのように教室は元の喧噪に包まれた。


「そんなに驚く事かねぇ?」


にやにやと意地悪な笑みを浮かべ、な~ちゃんと呼ばれている少女は尋ねる。


「そりゃそうだよ! あの篠田先輩を間近で見られる機会チャンスなんて滅多に無いよ!

 バスケ部一のイケメンでキャプテン… 女子人気ハンパないし、ファンクラブまである訳じゃん?

 もう、雲の上過ぎる存在だよ~」


眼を輝かせながら、うっとりとした様子で熱く語るリサという少女。


「ほんとリサは篠田先輩ラブだよね~。あたしの度胸と勇気に大いに感謝しなさいよ?」


「ははぁ~、ありがとうございます、ナツキ様! リサはこの御恩を一生忘れません!

 一生、ナツキ様にお供いたします!!」


「うむ、よきかな、よきかな」


楽しそうに繰り広げられるそんな会話をよそに乃風は浮かない顔をしていた。


その様子が気になったナツキは不思議そうに尋ねる。


「ありり? どったの、浮かない顔して。七瀬君誘ったの、何かマズかった?」


「え、あっ、いや、全然そんな事無いよ! むしろ、すっっごく嬉しい! ありがとう、ナツキ」


「そう。 そうだ、お礼はね、最近駅前に新しく出来たスイーツカフェに三人で行くって事で、どうよ?」


慌ててそう告げる乃風の態度を気にする事もなくナツキという少女は無邪気な笑みを浮かべ、そう二人に提案する。


「あ、あの駅出た所のやつでしょ! リサも超気になってたんだよね。

 なんか、店の内装とかヤバいくらいカワイイって噂だよね~」


「そうそう! 確かリーズナブルな値段で、いっぱい色んなスイーツが楽しめるんだよね?」


「ほんと乃風は食べる事好きだよね~」


「甘いものは別腹だもん」


「そういってるけど、乃風の食べる量って別腹の域を超えてるんだよね~」


「なによ、ナツキだって人の事言えないでしょ?」


「何を言うか。あたしはケーキは1ホールしか食べらんないし」


「「いや、十分だしっ!!」」


少し蒸し暑い昼下がり―

少女たちの楽しげな笑い声が気だるい雰囲気に少しの活気を与える。


しかし、薄日の射すようになった空は依然として晴れる気配はなく、西の空にはさらに厚い雲が浮かんでいた…

先が見えないという恐怖……ですね。


脳内で先に映像化されているけれど、それを表わすだけの表現力に欠けるという……


まぁ、いつもながらの問題なわけです。


という訳で、不運にも「読むつもり無かったのに…」という方がいらっしゃられたなら、お詫びと共に感謝し申し上げます。


申し訳ないです、そして有難うございました。

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