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どこかの立ち止まらない一日

作者: 和

さらっとした短いお話です。

最近はクリスマスと言っても然程風情があるわけじゃない。

イベントの日としてデートをしたり、良いところで食事をしたり、そういう日。

鳥肉だって昭和は知らないが、別に贅沢品じゃないし、何なら鳥肉をメインとしたファーストフードでも十分なクオリティがある。

ケーキもそう。

そもそも月が変わる前からクリスマス商戦をやってるんだから当日なんて飽きが来ているまである。

むしろやっと終わるってなもんだわ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


そんな不心得な想いが災いしたのかクリスマスの夜、売れ残ったクリスマス商戦の食べ物たちを食べきれない程持ってトボトボと帰るはめになった。

理不尽だと大声で叫びたいが、近所迷惑の極みなので止めておく。

そりゃあ、この手のものが明日以降売れるかって言ったら売れないけど。

考え方を変えればお陰で図らずも贅沢な夜御飯になる。


家に帰り着き、誰も居ない室内にただいまを告げるとテーブルに持ち帰った料理やらケーキやらを並べていく。

荷物一杯だったからコンビニにも寄れず気の利いたお酒が無いな……。

この料理酒に使っている日本酒で良いか。

イエーイ!今夜はご馳走!

って、どうすんのよ、この量……。


明日は休みだし、お酒飲みながら地道に食べていこう。

スマホを取り出してお行儀は悪いけど独りなのでネット記事を読みながらの晩餐。

ふむふむ、と画面を見るとメッセージの着信があった事に気付く。

うわ、と慌てながら確認。


時間は今からちょっと前、セーフ。

そこに出ている名前を見て、口元に笑みが浮かぶのを自覚する。

クリスマスはうちにも来たわ、と思いつつメッセージを返す。

日付が変わってるのはご愛嬌。

何でも良いや。


会いたいすぐ来て。


続けてメッセージ。


料理あります、ワインプリーズ。


軽口のメッセージが返って、クスリと笑う。

少しして鳴らされたチャイム。

首が痛くなる勢いで振り返った私はこうして立ち止まる事の無い日々を歩いていくんだろうか。

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