0008
しばらく経った頃、俺はふと気づいた。
伊織ちゃんが、たまに物思いにふけってることに、なんか悩み事なのかなと思うけど、聞いてあげたいんだけど、そんなん言えるキャラじゃないことは自分でもよく分かってる。
匠彌君が、たまに聴いてるみたいだけど答えてくれないって言ってたのも聞いたんだ。
今度の休みが重なったら、どっか連れてってあげようかな?
そう思い、弥眞斗君に聞いた。(今日は、伊織ちゃんはお休みの日だったから)
「弥眞斗君。伊織ちゃんの次の休みっていつ?」
「どして?」
俺は、さっき思ったことを伝えた。
「なるほど。やっぱり、みんな気づいてるんだね(苦笑)匠彌も聞いてるけど言ってくれないって言ってた」
「俺は自分でそんなキャラじゃないって思ってるし、聞けないけど。気分転換ならさせてあげれるかなって思ってさ」
「そだね(笑)啓威君なら大丈夫だろうし」
何か意味深なことを言われたけど、伊織ちゃんの休みを教えてくれた。
「啓威さんは良くて、俺は駄目なんっすか?」
「ん?何が?」
匠彌君が、弥眞斗君に言われたことを教えてくれた。
「そうなんだ。いいの?」
「匠彌。信頼してないわけじゃないんだ。そこは分かって欲しい。でも、もう少し待って。伊織ちゃんが自分から言ってくれるの。」
「・・・はい」
まだ少し納得してないようだったけど。
「じゃぁ、今度4人でどっか行こうよ。その方が伊織ちゃんも楽しいだろうし。」
と、啓威は提案してみた。
「そうだね。」
俺は、信頼されてないんだろうかと、匠彌はそう思ってしまった。
いじけるつもりもひがむつもりもなかったけど、啓威さんはなんで良くて俺は駄目なのかって。
そりゃ啓威さんの方が大人だからかもしれないけど、俺の弥眞斗さんへの信頼度も高かったのもあるし、信頼してるからこそ待つことが出来たんだけど。
後日、暴走しなくて良かったと思う匠彌だった。
★★
伊織は、最近悩んでいた。
やっくんには、雇ってもらう時に伝えたけれど、一緒に働いてるたー君と常連の啓威ちゃんに、まだ伝えれていなかった。
時々、言おうかなって思うんだけど、結局勇気がなくて言えなかった。
たー君にも、啓威ちゃんにも何かあったら相談してねって言われた。
どこまで話したらいいんだろう。
そう思ってると
「伊織ちゃん?」
『あ、ごめんなさい。手、止まってた』
「大丈夫。今は誰もいないから。もしかして、まだ言えないこと悩んでるの?」
『だって、やっくんは受け入れてくれたけど。二人が受け入れてくれるか分かんないから怖くて』
「そっか。まぁ、俺が言うのもなんだけど。あの二人なら大丈夫だよ。」
『うん』
話してると、啓威ちゃんが来た。
「どもっ」
『いっらっしゃいませ』
お客が来ると、いつもの伊織に戻る。
そうして、またいつもの時間が戻ってきた。
「ごちそうさま。そろそろ戻らなきゃ」
『今日は早く戻るんだね?』
「今ちょうどいいとこでね。仕事が上手くいきそうなんだ」
『頑張ってね』
「ありがと。あ、そうだ」
『なに?』
「今度お休みが一緒になった日。遊びに行こ?だから、行きたいとこ考えておいてね?」
『え?』
「遊びに行こ?」
「伊織ちゃん。匠彌には、あーいったけど。啓威君は大丈夫だから(苦笑)」
『うんっ。ありがと。行く~』
「良かった。じゃぁ、考えといてね。」
そう言って、啓威は帰っていった。
『やっくん。たー君と行ったら駄目なの?』
「ん?」
啓威と行って良くて、匠彌とは駄目っていう意味が分からなかった。
「啓威君だったら、二人でも冷静に判断出来ると思って。匠彌はまだ若い分まだね(笑)二人にさせて暴走したら困るから(笑)それだけだよ」
『??』
「分かんないか(笑)」
『なんとなくは分かる(笑)スキンシップ激しいもんね。あっちにいた時も同じ感じの人と一緒にいたから(笑)同じだな~って思ったんだ』
「そっか。その人達は危険じゃなかった?」
『じゃれてくるけど(苦笑)伊織の方が大人だってよく言われてたよ。』
「へぇ~まぁ、伊織ちゃんが大丈夫って思うなら、いいけど。もう少しだけ様子見てからにしよう。今度さ。4人で遊びに行こうよ。それからだったらいいよ」
『うん。』
「どこに行きたいか、匠彌と相談しておいてね。」
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