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次の日、良騎の部屋へ迎えに行くと
「おはよ。何か今日は機嫌よさそうだね?」
「緋依絽ちゃん。おはよー。あっ。昨日啓威君と飲んだ。」
「え?なんで?」
良騎は説明した。
「そうなんだ。偶然会ったんだ。年も近そうだし気があったんだね(笑)」
若干嫌な予感がしたんだけど
「次の休みの時、大樹も連れて行く約束した~~」
「(やばいかも。)そっか。あまりはめ外さないでよ?」
「大丈夫だよ」
「無茶はしないって分かってるけどさ」
「緋依絽ちゃんも行く?」
「行かない」
「え~行こうよ~」
「行かないったら、行かない。」
思わず叫んでしまった・・・・そんなつもりなかったのに。
「そんな怒らなくても」
「ごめん。でも、行かないから。それと、その場で私の名前は出さないで。」
「分かった」
すると部屋を叩く音がした。
ドアを開けると大樹が立ってた。
「二人で喧嘩してるの?外まで聞こえてたよ?(笑)」
「なんでもない。用意出来たら来てね。先に行ってるから」
そう言って、二人のそばから一旦離れた。
「緋依絽ちゃんが、声荒らげるなんて珍しいね。喧嘩したの?」
「いや、俺にもよく分かんないっす」
さっきのやりとりを、良騎は話した。
「何かあるね」
「とは思うけど、聞いちゃいけないんだろうなって。」
「だろうな。しばらく、おとなしくしとこうぜ。」
「ですね」
緋依絽は、良騎のところから出てきたのはいいが、どこにも行けず悩んでた。
まだ、集合時間には早かったから、ロビーの喫茶店で時間をつぶすことにした。
すると、紘がいた。
今は何か会うのが気まずい気がして、引き返そうと思ったら呼ばれた。
「早いね。一緒にどう?」
「はい」
紘は、緋依絽を見た瞬間何かに気づいたのだろう。
声を掛けたら、やっぱり元気がなかった。
はじめは、今日のスケジュールとかの確認だったが、紘が言った。
「何かあった?」
「いえ、何も」
「(苦笑)何かあったって、顔に書いてるよ。我慢しなくていいから、ちゃんと言って?」
「でも・・・」
「なんでも溜め込む癖があるだろ?どっかで吐き出さなきゃ苦しいだけだよ」
そう言われて、紘を見ると優しく微笑んでいた。
今は父親の目線だった。
「実は・・・」
さっきのやりとりを話した 。
「もしかしたら、感づかれたかも。」
「いつかはバレるんだ。早いか遅いかだけなはず。気にすることはないよ。」
「私が責められるのは構わない。でも、伊織ちゃんが」
「そうだな」
「会わない方が良かったのかな」
「それは違うと思うな。今は、そう思うかもしれないけど。伊織にとって、緋依絽に会ったのは良かったのかもしれないだろ?」
「だといいんだけど」
「俺はほとんどLINEなんて返してないけど、あっちに戻る前に一度してみるよ。チャンスがあれば会ってみる」
「それは危険じゃ??」
「チャンスがあったらだよ。無茶はしないから。」
「分かった。あ、そろそろ時間です。」
急に仕事モードになった緋依絽のは、大樹と良騎の姿が見えたからだ。
「(笑)そろそろ行くか。」




