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Sterne【改稿&更新中】  作者: 嵯峨野 樹悠
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0004

次の日カフェに行くと、もう一人のアルバイトの人も来ていて。

「いらっしゃいませ」

って言われちゃった・・・まだ私がアルバイトで来てるって知らないから。


「早いね。もう来てくれたんだ」


「ん?あ、もしかして彼女がもう一人のアルバイトちゃん?」


『えっと・・・』

なんか、あの人達に似てるかも(苦笑)


「匠彌。今日から来てくれることになった伊奈波さん」


「はじめまして。匠彌です。よろしくね。」


『よろしくお願いします。』


「何か硬いな~。敬語じゃなくていいから♪」


『年上の人には、敬語じゃないと(苦笑)』


「え~。匠彌泣いちゃう」

と、泣き真似していた(笑)


伊織は、そんな彼を無視して

『あの弥眞斗さん。何すればいいですか?』


「えっ。ちょっと待って。放置しないで~(泣)」


「(笑)主に、接客業だからお客さんが来たら、注文とったりしてね。まずは、匠彌がお手本見せてくれるから、見てればいいよ」


「ぎゃー。じーって見られるの??恥ずかしい~」


『・・・』


「だから、無視しないで~~(泣)」

無視というか、緊張してるだけなんだけど・・・


「(笑)変だけど、いい奴だから。構ってあげて?」


『はい(苦笑)』

少ししてから、匠彌さんは美容師を目指して頑張ってるんだって教えてもらった。

見た目はチャラチャラしてるように見えたのに、そういう話になったら目が真剣だった。


『えっと・・・・ごめんなさい』


【えっ?】

急にそう言ったもんだから、びっくりしていた。


「えっと、最初チャラチャラした人だなって思ってたから。でも、ちゃんとした夢持ってるんだなって思って。」


「(笑)気にしてないよ。それに、ちゃんと分かってくれたんだもん。ありがと。」

そう言って、頭をぽんぽんされた。


『こ、子供じゃないよ』

そういう風にされると思わなかったから、思わず言ってしまった(笑)


「(笑)そういえば、伊奈波さん。下の名前は?」


『ん?』


「下の名前。なんていうの?伊奈波さんじゃ堅苦しいから、下の名前で呼ばせてよ。」


『伊織』

なぜか小さい声だった(苦笑)


「なに?聞こえなかった」


『伊奈波 伊織』

もう一度、言った。


「ありがと。伊織ちゃんね。これからよろしくね」

そう言って、手を差し伸べたられたから伊織も握手をした。



午前中は、人もまばらで匠彌の見様見真似でなんとかこなした。

「俺のお手本が上手いから~~(笑)ちゃんと出来てるじゃん」


『(苦笑)は、話しかけないで』

こぼさないように集中してるのに、匠彌はすぐにちょっかいをかけてくる。

お客さんもそのやりとりを見て、笑っていた。


ランチ後のコーヒーを飲みに来る人も多いようで、お昼は席が埋まっていた・・・とはいっても、席はそんなに多くはないのだけど(苦笑)


「男ばっかりだから、伊織ちゃんみたいな子がいると、毎日来ちゃうね♪」


『(笑)』

伊織は、どう返していいかよく分かんなくて、ただニコニコするしかなかった。


「入ったばかりなんで、お手柔らかにお願いしますね(苦笑)」


「弥眞斗君の目が光ってるからね~何もしないって(笑)」

そう言うと、そこに居たお客がみんな笑った。


「そんなに怖いですか?(笑)」


「いや、人を大事にするっていう意味でね(笑)」

なんとも、緩やかな時間が流れていた。


★★


ようやく、人が居なくなり。

『はあ~』

こんな感じで、人と接することがなかったからやっと緊張が解けた。


「疲れたでしょ?(笑)」


『あ、大丈夫。』


「若い人も多いけど、きっと伊織ちゃんのお父さんぐらいの人もいるから、大変だね。」


『アルバイトするのも初めてで、緊張したし。パパぐらいの人と接するのも初めてだし、どうしていいか分かんなかった(笑)』


「徐々に慣れるよ。焦らずね」


『うん』


「伊織ちゃん。休憩していいよ。この時間はほとんど人来ないから」


『はい』


「どうぞ。」


『わぁ~美味しそう♪』

弥眞斗が作ったものはどれもおいしそうに見えて、食べてみたいと思っていた。


「(笑)口に合うといいけど」


「弥眞斗さん。俺には~?」


「ないね~」


「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」

伊織は、食べようとした瞬間視線を感じた。

匠彌がじーっと見てて、目が合うとキラキラしてた。


『た、食べる?』


「いいの?」


『うん』


伊織が、匠彌にあげようとした時

「あーん」


『えっ?』


「匠彌。目つむってて?さて、何を入れてあげよっか(笑)」


「ご、ごめんなさい。それだけはっ。」


「伊織ちゃんとまどってるから。ほどほどに。」


「(´・ω・`)はーい」

伊織は、差し出したまま固まってた。


「伊織ちゃん。それは、伊織ちゃんの分だから。食べていいよ。」


『あ、うん』

そう言って、安心して(笑)食べ始めた。


それを見て、弥眞斗は匠彌に出した。

「匠彌のはこっちね。」


「ちゃんとあるじゃないですか~ひーどーいー(笑)」


「それ、啓威君の分だから。後で怒られるね(笑)」


「えっ」

一口食べたところで言われた匠彌


「冗談だよ(苦笑)」

弥眞斗さんは、笑ってた。


「今のは笑えねぇ(-_-;)」


「(笑)」


すると、お店の扉が開いてお客が入ってきた。

「噂をすれば(苦笑)いらっしゃい。」


「ども。」


『・・・』

今度も、伊織は固まってた。

そして、匠彌の後ろに隠れてしまった。


★★


「伊織ちゃん?」

無理もなかった。

グラサンして強面だったし、服装もかなり今まで来てた人達と違ってたから。


「(笑)伊織ちゃん?大丈夫だよ。怖いように見えるだけだから」

弥眞斗は、何か感じたのかそう説明した。


「ん?俺?」


「うん(笑)」

すると、グラサンを外した。


「これで大丈夫かな?」

啓威は、弥眞斗君が昨日言ってた娘だと分かった。

初対面が大事なのに、やっぱり恐がらせてしまったようだ。


すると、匠彌の背後から顔を出した。

「啓威君。彼女は伊織ちゃんね。今日から来てもらってる。伊織ちゃん。彼は啓威君っていうんだ。いつも来てくれる常連さんの一人。」


「始めまして。黒薮 啓威です。よろしくね。」


『伊奈波 伊織です。』

そう言って、握手した。

ほんの一瞬だけど、啓威の手がびくっとなった。


「(ん?あれっ?気のせいかな。)怖がらせてごめんね(苦笑)もういると思わなくってさ」

何事もなかったように振舞った。


『もう大丈夫。目を見たら、怖い人じゃないって分かったから。ごめんなさい』

小さい声だったけど、ちゃんとそう伝えた。


「謝らないで(苦笑)俺が悪いから。」


「なんか、啓威さんが素直って意外」


「あ、匠彌君。いたんだ」


「ひどっ。分かってて言うし」


「うるせっ(苦笑)」

二人のやり取りを、見てた伊織がくすくすと笑っていた。


「あっ。笑った」


『ん?』


「ここ来てから、初めて笑ったね。笑った方が可愛いよ。」


「何?匠彌君だけだと笑わなかったの?」


「Σ(゜Д゜)ガーン」


「あはははははっ。面白い。これからいじれるな(笑)楽しみにしよう」

涙が出るぐらい笑っていた。


「ほらほら。二人とも。食べちゃってよ(苦笑)あ、啓威君はこれどうぞ。」

と、二人と同じものを出した。


「ありがとうございます」


折角だからって、3人で食べさせてもらった。

【ごちそうさまでした】


そう言って、伊織と匠彌がお皿を下げて洗ってる間に、弥眞斗と啓威は話し始めた。

「弥眞斗君。なんで彼女を?」


「ん~。何かほっとけなくてね(苦笑)」


「分かるような気がする(笑)」


「まぁ、今日が初日だし。どんな娘かまだ分かんないからね~。いい意味で化けそうな気もするし」


「??」


「もっと、みんなに慣れてきたら楽しくなると思うよ」


「そうですね。」

きっと、啓威には弥眞斗の意図は伝わってないけど。


すると、啓威は自分の手のひらを見た。

「(でも、あの感触は・・・一体)」


「あれ、啓威さんどうしたの?手のひらなんて見ちゃって。さっきの握手が新鮮すぎたとか?」


「・・・」


「えっ?無視?」


「聞こえてないだけじゃないかな(苦笑)」


『??』


「考えすぎかな」


「何が?」


「ん?いや、何でもない。あれ、もう終わったの?皿洗い。」


「今日は、伊織ちゃんがいたので分担しました。だから早かった。ね~」


『うん(笑)』


「あ、そろそろ戻らないと。」


「あっ。明日は俺いない日だ。啓威さん独り占めしちゃ駄目ですよ??」


「お前じゃあるまいし。あまり構いすぎると嫌われっぞ?」


「大丈夫ですよ~。もう、伊織ちゃん、たー君って呼ぶ仲ですもん」


『ん?たー君って?』

一瞬の間があった。


【(爆笑)】


「伊織ちゃんorz。天然すぎる」


「あ~面白っ。久々に笑ったわ。ナイス匠彌っ。」


「啓威さん。嬉しくないっす」

そういって、いじけた。


すると、まだ涙目な啓威だったけど、お会計を済まして帰る準備をした。

『黒薮さん。ありがとうございました。また、お待ちしてますね』


「(苦笑)伊織ちゃん。黒薮さんはやめて?(笑)啓威でいいよ。俺も、もう呼んじゃったけど。伊織ちゃんって呼ぶし。」


『えっと、啓威さん』


「ごちそうさま。また明日ね。伊織ちゃん。あ・・・」


『ん?』

啓威は、伊織に耳打ちした。


『うん。分かった(笑)』


「じゃっ。弥眞斗君ごちそうさま。」

弥眞斗は、手だけあげて挨拶した。


啓威が出ていくと、伊織は匠彌のそばに行き

『たー君?』


「えっ?」


『たー君って呼ぶね』


「(笑)」


「いや、匠彌でいいや。たー君ってキャラじゃないし(笑)」


『分かった。』


「復活したじゃん(苦笑)匠彌」


「あっ」


「啓威君のおかげだね~」


『(笑)』


「やっぱり嬉しくなーい」

そう言った匠彌を見て、二人で微笑みあった。

たくさん作品がある中、見つけてお読みいただきありがとうございます。


自己満足なストーリーになっておりますが、楽しんでもらえればうれしいです。

ストックはかなり豊富にあり、並行して書き続けております。


【ブックマーク】や【いいね】などの評価をいただけると、更新の励みになります。

是非ともよろしくお願いします<(_ _)>


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