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アンコールを2曲ほどした後、俺はいつものMCを始めた。
「今日は、ファイナルってことで。他にも色々話したいことがあるんだけど、いいかな?」
観客の反応は良く静かになった。
「来てくれた人達には、俺達のライブを観て楽しんで帰ってくれるのが、何よりも俺らにとってのご褒美なんだ。みんなが楽しんでもらえるを見ると、もっと頑張ろうって思う。」
俺は、そこまで言って話すのをやめてしまった。
「健翔は、あれを言おうとしてるのか?」
「そんな気がする」
「何?」
二人は答えなかった言えるわけもなく。
「だけど、ある会場で、来てくれた人に辛いことがあったんだ。大事にはならなかった。でも、その人にとっては辛かったかもしれないし、怖い思いもしたかもしれない。せっかく俺らのライブに来てくれたのに、一瞬で悲しい出来事になったであろうから。俺らは、みんな楽しんで帰ってくれてると思っていた。見えない所で辛いことがあったって聞いて、3人とも悲しかったし怒りもあった。」
また少し沈黙が続いた。
「その辛いことを体験してしまった人は、俺の知り合いの妹さんだったんだ」
そういった後、会場内がざわついた。
啓威も将暉も、そしてスーも。
「もちろん、俺の知り合いだからじゃない。来てくれた誰もがそんなことは体験して欲しくはないんだ。」
と、これからそういうことがなくなるようにみんなにお願いしたんだ。
「俺達とファンのみんなとは、家族みたいな存在でいたいんだ。遠くにいても繋がってると。だから、どんな些細なことでもいいんだ。ファン同士じゃなくても周りの人を助け合って欲しい。」
と、健翔は頭を下げた。
ライブのこととはいえ、楽しかった時間を引き裂いてしまったかもしれないと思うと、なかなか頭を挙げられなかった。
するとみんな暖かい声をかけてくれたんだ。
「みんな、個人的な事話してしまってごめん、ありがとう。今日、この会場に来てくれてると思うんだ。だから、みんなの思いも伝わってると思う。本当にありがと」。
と、再度頭をさげた。
頭を上げると気持ちも切り替えた。
「さて、気持ちを切り替えて、みんなにはまだ伝えないといけないことがあるんだなぁ」
ここでメンバー紹介を始めた。




