0002
健翔が、伊織と遊びに行っていた日は二人も休みだった。
なのに、結局スタジオに行って、個人練習するんだけど(苦笑)
あ~いいドラマーいねーかなー?
ま、口にはまだ出してないけど、何か違うんだよな~。
俺が求めてるモノと少し違う。いやだいぶか?(笑)
それが原因なのか、よく喧嘩をしてドラマーが抜けてしまうんだ。
健翔にまたかよって、怒られるんだけど、最近は事務所の人にも言われるようになった。
だって、仕方ないじゃないか。
俺が求めてるのは、手に届かない存在のANGELだから。
俺が求めてるレベルは、Dunkelheitっていうバンドのドラマー。
ANGELっていうんだ。
このバンドは謎に包まれていてよく分からない。
日本のバンドじゃないしね。
でも、ドラマーには惹かれるものがあるんだ。
一度でいいから手合わせ願いたい。
「啓威君。そろそろ時間なんですけどって、また聞いてたんっすか?好きですね~Dunkelheit」
「またって言うなよ(苦笑)俺らもこれぐらいにレベル上げたいな~って思うし。」
「ですね~って、ハードル高っ」
「(笑)俺も追いつけねーよ。まだまだだし。」
バンドの話になると終わることがなく、結局飲みに行って話しまくって解散した。
★★
数日後
そういえば、伊織が帰ってきたの誰にも伝えてねーな。
まずは、幼なじみなあいつにLINEするか。
驚かせてやろうと思って、伊織にLINEした。
すると、すぐに返事が返ってきていいよって。
啓威と将暉とは、大学生になってから知り合って、バンド作ったんだけど、あいつとは家が近所でいつもつるんでた。
大学が別になってからは会う頻度が減ってしまって、俺が引越ししたってのもあるかな??
仕事が終わってから落ち合うことに。
「久しぶり。和穂さん」
「おひさしぶりです。ってか、さん付って変わんないっすね(笑)」
「しょうがないよ。それが当たり前だったし。みんなそう呼んでたじゃん」
「いいですけど(苦笑)ところで会わせたい人って?」
「もうすぐ来るよ。びっくりすると思う」
とりあえず、伊織が来るのを待った。
先に行っちゃうと絶対迷うと思って。
『健翔。お待たせ。』
「そんなに待ってないよ(笑)じゃぁ、行こっか」
『うん』
「どこかで見たことある人」
と、和穂の頭には???が見えた(笑)
「(笑)まだ内緒」
そう言って、お店に入っていった。
お店に入っても、すぐには言わず焦らしてみた(笑)
「ちょっと~いい加減教えてくださいよ。隣にいる娘は?健翔さんの彼女?」
俺と伊織は、顔を見合わせて笑った。
「えっ?何??」
『健翔。ちゃんと教えてあげなよ(笑)可哀想だよ?』
「けど、お前のこと忘れられてるんだよ?いいの?」
『しょうがないよ。長いこと会ってないし(笑)』
「じゃぁ、自分で自己紹介しろよ。」
『分かった』
「何がなんだか、さっぱり分かんないんっすけど」
『和穂。久しぶり。伊織です♪』
「えっ?・・・伊織って、あの伊織?」
しばらく沈黙があって、やっぱり驚いてた。
そりゃ10年ぶりとなれば、変わりすぎてて分かんないよな~。
『びっくりした?』
「当たり前じゃん。ずっと連絡くれなかったし。会いに行くには遠かったし」
『(苦笑)ごめんね?』
「どうしてるのかな~って思ってたとこだから、ホントびっくりした。なんで戻ってきたの?」
「俺も、まだ教えてもらってないの。」
『まだ、内緒~(笑)』
「また、はぐらかした。お兄ちゃんは、そんな娘に育てた覚えはありませんっ」
『育てられてないし(笑)』
そういうと、3人で笑った。
お互いの近況を報告しあった。
『あ~楽しかった。また会おうね?和穂』
「うんうん。」
お互いに約束して別れた。
★★
それから、たまに俺は伊織と会ってた。
まぁ、幼馴染だから一緒に遊ぶだけなんだけど、何よりも色々案内して欲しいって頼まれたんだ。
『和穂。ごめんね。彼女いるのに』
「大丈夫(笑)伊織も会っただろ?ってか、香帆もちゃんと事情知ってるから(苦笑)」
『うん』
「で、どこ連れてって欲しいの?」
『色々(笑)』
たまに、香帆さんとも一緒に出かけた。
「伊織ちゃん。これ似合いそう~」
『そうかな?』
「うんうん。絶対似合うって」
『着てみようかな』
そう言って、試着室へ向かった。
「楽しそうだね(笑)」
「うん。ほら、一人っ子だから妹とか欲しかったんだ 伊織ちゃん妹にしたい~」
「そっか。」
伊織とのこと疑われるかと、正直不安だったんだ。
俺は、伊織のこと妹的な存在にしか見えないし、今は揺るぎなく香帆のことしか見えてないんだけど(照)
「ねぇ。伊織ちゃんは何歳?」
「ん?」
「すごく大人びて見えるけど、実際はもっと若いんじゃないかなって思うの。背伸びしてるのかな(苦笑)」
「どうだろ?そういえば、知らないや」
「まぁ、男の人は知らないか(笑)聞いちゃおうっと(´▽`)」
すると、伊織が試着して出てきた。
「カワ(・∀・)イイ!! いいじゃん。これにしよ?♪」
『似、似合うのかな??』
「うんうん。似合ってるよ。ねっ。和穂」
「うんうん。もっとそういうの着ればいいのに」
『あんまり着たことない(笑)』
「え~もったいないっ。じゃぁ、これとかこれとか」
香帆は、探しに行った。
張り切って探しに行った香帆を見ながら
「ごめん(苦笑)疲れてない?」
『うん。大丈夫だよ(笑)いい人だね。香帆さん』
「妹が出来たみたいで、何か嬉しいみたい。嫌だったら、連れて来ないから言ってよ?」
『私もお姉さんが出来て嬉しいよ。和穂さえ良かったら、いつでも』
「ありがと」
何着か試着してショップを出た。
『香帆さん。買ってもらったら悪いよ。ちゃんと払う。』
「いいのいいの。それから」
『ん?』
「香帆さんはやだな~。さんはいらないよ。」
『お姉さんだし。』
「え~。何か他人行儀でさ。」
『じゃぁ、香帆ちゃんって呼んでいい?』
「うんうん♪」
「(笑)」
「そうだっ。伊織ちゃんは、誕生日いつ?」
『なんで?』
「なんでって、誕生日来たらお祝いしたいし。和穂に聞いたら知らないって言うし」
『(苦笑)3月1日だよ。』
「そうだったんだ。今度の誕生日は、みんなでお祝いな」
「うんうん。こっちでは、学校とか行ってるの?」
『行ってないよ?なんで?』
「学生さんじゃないの?」
『(笑)違うよ。もう卒業したよ。』
「えっっ!だ、大学卒業?」
『今年の春に卒業したの。健翔には言ってたから、聞いてると思ったんだけど』
「初耳。聞いていい?」
『ん?』
「何歳?」
「ちょっと~女性に年齢なんて聞いちゃ駄目よ(笑)」
『香帆ちゃん。伊織は平気だよ(笑)和穂、健翔の年齢知ってるでしょ?』
「うん」
『一回り違うんだよ』
「えっ?若っ。っていうか、大人びて見える」
『それは言い過ぎだよ(笑)』
「じゃぁ、こっちでは何するの?」
『探してる最中だよ。』
「何かあれば言えよ?相談に乗るから」
「私も忘れちゃ駄目よ?」
『ありがと』
その日の夜、健翔と合流した。
『健翔。伊織にお姉さんが出来た』
「えっ?」
「私のことよ(笑)」
「びっくりした。いいの?会って間もないのに」
「一人っ子だから、妹欲しかったんだ。私の方が強引に言っちゃってるから(笑)」
「(笑)まぁ、まだ伊織もこっちで友達少ないだろうから。よろしくね」
たくさん作品がある中、見つけてお読みいただきありがとうございます。
自己満足なストーリーになっておりますが、楽しんでもらえればうれしいです。
ストックはかなり豊富にあり、並行して書き続けております。
【ブックマーク】や【いいね】などの評価をいただけると、更新の励みになります。
是非ともよろしくお願いします<(_ _)>