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最初こそざわめいたが、将暉がしゃべりだすと静かになり聴く体制になった。
ロディがカウントを取り、ライブが始まった。
初めて聞くバンドだからか、最初の曲こそ盛り上がりは小さかったが、曲が進むにつれ盛り上がりは大きくなっていた。
「すげぇ。俺とやった時よりレベルアップしてる」
「そうなんだ。すごい上手いね」
『・・・』
伊織は、徐々にレベルが上がってきているSterneに少し焦りを感じた。
途中、啓威も喋っていた。
将暉と同様、話すレベルも上がっているのか、見に来ている人達も盛り上がりを見せていた。
「IORI?」
ヴィヴィは、楽しんでライブを見ると思っていたなのに、なにか感じ取ったのかIORIの手を握った。
伊織はそこで我に返り
『VIVI?』
「最後まで見てあげよ?お兄さん達頑張ってるもの」
『うん』
伊織は、気を取り直してライブを見始めた。
最後に健翔がMCをし、最後の曲になった。
『この曲知らないや』
「そうなの?じゃぁ、今回まわってる間に作ったのかな」
『分かんない。後で聞いてみてよ』
こんな短期間で成長するとは思わなかった。
『(ロディがいるからかな)』
なんて思ってたけど、理由はそれだけじゃないかもとも思った。
短かったが、正味30分ほどでSterneの時間は終わった。
「もっと見たかった~」
「俺も。前に一緒にライブやった時よりかなり良いもんな。色々楽しみ」
『そうだね~この後はすぐかな??』
「多分ね~。配信中だから、あんまり時間は開けれないと思うし。」
「IORI、大丈夫かな」
ぼそっとつぶやいた。
「STIVE?」
「この修行で、思ってた以上にレベルが上がってる。彼らの目標としてるのは」
「何?」
スティーブは、琉と愛に聞こえないように耳元で囁いた。
「日本でもっとメジャーになることと、ワールドクラスになること。今の最終目的地は・・・」
スティーブは、流石にそこまでで言うのを辞めたが、アレックスも何かを察したようだ。
「なるほど。そのことは知ってるの?」
「いや、最後のは話してないって。絶対言わないでって言われてる。だから、言わないでくれよ(苦笑)」
「分かった。ITSUKIの時も思ったけど、向上心はすごいな。少しずつでも近づいてく。」
ステージからはけると、ぐったりしていた。
「超緊張したわ。昨日よりライブ時間少ないけど、全神経注いだ感じ。」
「俺も」
「俺もっす。もう限界。これ以上声も出ないっす」
さすがに、ロディもきつかったのか言葉もなかった。
すると、
「お疲れ様です。今までの集大成ですね。今回の中で一番良かったっす。お客の反応も良かったですよ」
「ほんと?そう言ってくれるなら、やった甲斐もあったね。」
「すぐに志貴さんの始まるけど、どうする?」
「ん~結構きついけど、やっぱどんなものか見たいし。とりあえず衣装は脱いで、袖からでもいいから見たい。」
「そうだな。まだ勉強しなきゃいけねぇし、盗めるとこは盗みたいし」
「行きましょ」
「了解。アンコールもあるから袖で見てよう。匠彌君とミカ君も行こう」
「いいんですか?」
「もちろん。袖からだけど、見る価値はあるよ。こんなのめったに見れないからね」
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