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Sterne【改稿&更新中】  作者: 嵯峨野 樹悠
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0009

その日の晩、伊織はある人と会うことになっていた。

夕方、仕事が終わって待ち合わせの場所に向かう。


ホテルのロビーで、待っていると

「伊織?」


『うん?』

振り返るとそこに彼はいた。


「久しぶり」

そう言って微笑んだ。


数分後、二人はあるお店の個室にいた。

「そんなに緊張するな(苦笑)今日は、プライベートで来てるんだし」


『う、うん。』


「伊織から、誘ってくれて嬉しかったよ。」


『ちゃんと・・・』


「うん」


『ちゃんと、言わなきゃって思って。でも、LINEとかではやりたくなかったの』


「そっか。無理に今日じゃなくてもいいよ。しばらくこっちにいるから」

しばらく、雑談して過ごした。


「今度、伊織がいるとこに行っていい?」


『いいけど。誰にも言わない?』


「言わないよ。」


『おにーちゃんとかにも言ってないんだ』


「なるほど。じゃぁ、伊織がいない時に行こっか(苦笑)休みいつ?」

どこまでも、伊織を優先してくれる。

そんな人なんだ。彼は



『あ、あのね。』

彼は、伊織が何を言おうとしてるか悟ると目が真剣になった。


「うん」


『まずは、仕事ほっぽり出してごめんなさい。』


「それは大丈夫。ちゃんとやることやってからだったし。メディアにも基本でないからな(苦笑)」


『誰のせいでもないと思う。だけど出来なくなっちゃったんだ。自分でも理由が分からなくって』

伊織は、淡々と喋り出した。

誰にも相談出来ずに、ずっと一人で抱え込んでいたのだろう。



「無理させすぎたのかな(苦笑)」


『それまでは楽しくやってたんだよ。なのに』

最後まで言えなかった。

彼が、伊織を抱きしめたから。


「誰にも相談出来ずに、悩んでたんだな。気づかなくてごめん。」


『・・・さんが、悪いんじゃない。みんなが悪いんじゃないの。伊織のせいだから』


「伊織。もっと自分の感情を出せよ。気にかけてないわけじゃない。みんな伊織のこと一番に考えてるんだ。辛いなら辛いって言わなきゃ」


『辛くなんかはなかった。これは本当だよ?』


「それならいいんだけど。ちょっと、頑張りすぎたんだろうね。しばらく休んでるといい。」


『ありがと。紘さん』


「俺はともかく、あいつらには相談してると思ったんだけどな(苦笑)」


『伊織よりも忙しいもん。迷惑かけたくなかったんだ。』


「大樹が、久々にぶちぎれて怖かった(笑)でも、逆にいつも天然な良騎がすごく真面目だった。」


『そっか。合わす顔がないな』


「(苦笑)大丈夫。伊織には何もしないって。」


『こっちにいるって言ったの?』


「あぁ。いつ来るか分かんないけどね。俺は、それ以外にヒントは与えてないし。あっちでの仕事はキャンセル出来ないって伝えてるから。二人で来るのか単独で来るのかは分からない」


『分かった。決心がついたらLINEはしようかな。』


「(笑)伊織がやりたいようにすればいい。助言が必要ならいつでも相談にのる。」


『ありがと』

伊織と一緒にいるのは、紘と言って伊織が所属してるところの社長だった。

伊織のことを見出して、誘われてその仕事についた。


『紘さん』


「ん?」


『あのこと。やっぱり、誰にも話しちゃ駄目なんだよね?』


「出来ればして欲しくはないけど。話したい人がいるの?」


『すぐにはしない。でも、伊織を大事にしてくれる人達がいるから。その人達にはいつか言いたい。』


「分かった。判断は伊織に任す。どこからも漏れないって思える人にだけ言うといい。」


『うん』

紘は帰る前に、もう一度会おうと約束して二人は別れた。


★★


紘は、伊織が休みだという日に、バイトしてるところへ行った。



伊織が休みの前日、匠彌に口酸っぱく言われた。

「何かあったら、すぐ連絡ちょうだいよ?飛んでいくからっ!」


「俺・・・どんだけ信用ないんだろう(笑)」


『たー君。無理だよ?』


「なんでっ」


『だって』


「うん」


『たー君の連絡先知らないもん(苦笑)』


「( ̄▽ ̄;)!!」


「(´▽`)アハハ 連絡したくても無理じゃん。どこまでお馬鹿さん」


「すぐ教えるっ。今、教えるからっ。」


「匠彌。今は仕事中。後でね?」


「はい(´・ω・`)」


「匠彌君が、一人で回りきらないぐらい忙しくなるように祈っとこ(笑)」


「啓威さん?」


「ん?」


「鬼~~~ドS~~~~」


『(笑)』

お昼の短い時間でも楽しい時間だった。

伊織は、決心した。


明日のお休みの時に、まず啓威ちゃんに話そうと。

「じゃぁ。伊織ちゃん。明日楽しみにしてるよ」


『明日ね。啓威ちゃん』


「ごちそうさま」


啓威が、帰ると

『たー君』


「何?」


『やっくんに聞いたよ。今度4人で遊びに行くんだよね?』


「うん」


『今度、どこ行くか決めよ?』


「うんうんっ。明日はどこ行くか決めたの?」


『2,3つ候補があるんだけど、まだ決めてない。明日どうしようかなぁ』


「じゃぁ、今度決めようね」


『うんっ』

さっきの落ち込んだのはどこ行ったのやら(苦笑)

ま、伊織ちゃんと喋って、テンションが上がるならそれでいいけど(笑)


「伊織ちゃん。今度さ、髪いじらせてくれない?」


『えっ?』


「ほら、俺は美容師目指してるから(苦笑)」


『切ったりしないなら。いいよ』


「良かった。なんかさ、いろいろイメージがあるんだ。やってみたい」

さすがに、切ったらまずいと思いそう言ってしまった。

でも、匠彌は気にしてないのか良いって言ってくれた。


「パーマとかしても大丈夫?」


『どんな感じになるの?』


「まだ秘密だよ~」

匠彌は、匠彌なりに伊織ちゃんを元気にさせようとしていた。

それが、弥眞斗に伝わってきて、もう大丈夫かなって思った。

たくさん作品がある中、見つけてお読みいただきありがとうございます。


自己満足なストーリーになっておりますが、楽しんでもらえればうれしいです。

ストックはかなり豊富にあり、並行して書き続けております。


【ブックマーク】や【いいね】などの評価をいただけると、更新の励みになります。

是非ともよろしくお願いします<(_ _)>


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