かみさま
わたしの両手は小さくて
こぼれた命を救えない
わたしの時間は限りがあって
やるべきことができないの
赤ちゃん亀が死にました
生まれたばかりだったのに
もっと何かできたはず
そう思ってしまうけど
百回時間をもどしても
同じことをくりかえす
わたしの心は脆弱で
落ち込み傷つきうなだれる
わたしが十倍頑張って
一時的には救えても
きっと十倍はやくたおれちゃう
世界はわたしのなかにあり
わたしがかみさまなんだから
わたしが死んだら世界は終わる
だからわたしが生きないと
生きておぼえてあげないと
悲しい気持ちと後悔を
心に刻んで生きないと
きっと世界のかみさまは
同じ気持ちでながめてる
無力な自分をせめながら
それでも世界をまわしてる
だって何かを助けたら
他の何かが消えるから
すべてを等しく愛すとは
何もしないことだから
きっと世界のかみさまは
誰よりかなしい目をしてる
助けられないむなしさを
必死にまえを向きながら
心に刻みつけながら
この世界が終わるまで
せめておぼえているのです
忘れないでいるのです
今朝、赤ちゃん亀が天国へ召されました。
原因はわかりません。熱中症かもしれないし、生まれたばかりは難しい。
せめて何かの形に残してあげたいと思い詩にしました。