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死神の物語  作者: 笠井
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第四十八話 死神は暇をつぶしに街に出る。

 ミルディンより


 死霊を蹴散らし、遠野さんに報告を済ませ、俺はルカ(半強制的に)と街に出かけた。そして、そんな俺達は、


 ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル


「美味いな〜」


 がつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつがつ


「そうだなァ」


 飯食ってます。










 俺達は腹が減ったので、何食うかの議論をし、俺が、


「蕎麦がいい。」


 と、言うとルカは不機嫌そうな顔をし、


「肉がいい。焼き肉的なモンが食いてえ。」


 と、まあ激しい口論とじゃんけんをしながらさ迷っていると何か見たことある出店を見つけメニューを見ると、なんと両者の要望をクリアしていた。だから俺は山菜蕎麦をルカはミートパイを頼み、現在に至る。


「しかしよぉ、蕎麦とミートパイがある出店なんて珍しいな。」


「つうかそんなファミレスじみた出店なんか存在しねえよ。どうなってんだよ。あれ?」


 メニューを見ると、うどんやソフトクリーム、さらにはハンバーガーなどメニューがありすぎる出店なのに、店には窯1個しかなかった。


「あれきっと魔法の窯だ。材料入れて動かせば料理が出てくる。」


「ああ、そんなのあったなあ。アニメで。」


「しかし、美味いな。」

「そうだなあ。」


 そんな会話をした後、俺達はどこに行くか悩んだ。


「ゲーセン?」


「ナイスアイディア・・・なんだが、そんな気分じゃねえ。」


「遊園地?」


「野郎2人でなにが楽しい?」


「喫茶店?」


「ついさっき一服しただろぉが。」


「酒場?」


「真っ昼間からなにほざいてやがる。て〜か、俺ら未成年。」


「族狩り。」


「何族だよ?つ〜か死神が弱いものイジメか、オイ?」


「おやじ狩り?」


「もっとダメだ!!何!?お前、牢屋に入りてえの!?」


「やばいぞ、ルカ。ジョークのネタがない。」


「オイ、踏ん張れよ。せっかく街に来たのにこのままじゃ帰宅ムードだぞ。」


 せっかく街に出かけたのだ。何かしらやっとかないとむだ足になる。


「つってもなあ〜〜・・・・あれ?」


 俺は何かないかと周りを見渡すと、


「ふひひひひひひひひひひひひひ・・・・」


 明らかに変なやつがいた。


「お〜〜い、ルカ。」


「あぁ?」


 とりあえずルカに呼びかけ変なやつに向けて指さす。するとルカは案の定変な顔になり、


「なあ、警察に連絡したほうがいいか?」


 と言ってきた。


「あるの?」


 ぶっちゃけ、俺はこの街に警察なんているのか知らなかった。


「あぁ?知らねーのか?いくら死者の世界だからって犯罪あんだぞ?」


「ていうかここで犯罪をする意味が・・・ああ、そういうこと。成る程。」


 俺は死者は飯食わなくても死なないから生きるために犯罪を犯す必要はないのではと思ったが、すぐに別の考えが浮かんだ。


「死んでんだから一度くらいはハッスルしたいんだ〜」


「そうだけどよぉ・・・その理屈だと俺らもそうとうのアホになるからやめろ。その言い方。」


 俺の答えにルカは心底嫌そうな顔をしながら言った。しかし、暇つぶしのネタはできた。


「なあ、アレ、追っかけてみない?」


「ハア!?俺らまで変態の仲間入り〜ってか?笑えねえジョークは止めろや。」


 ルカは不機嫌そうな顔で言った。


「だけどさ〜せっかく面白いやつがいるんだ暇つぶしのネタにはなるだろ?それとも、このまま何の収穫もなく帰るか?」


 と、俺が言えばルカはため息をはき、


「わーった。わーったよ。テメーの言う通りだよ、クソッタレ。このまま帰ったらつまんね〜しな。」


 同意してくれた。


「よーし、そうと決まったらさっそく追跡だ!」


 そうして俺達の変なやつ尾行は始まった。










 30分後・・・


「はい、尾行した結果を発表しま〜す。」


「誰に言ってんだよ?それ。」


 尾行してから30分。意外と変なやつは警察に捕まった。現行犯逮捕だ。


「しかも結果を発表するつっても露出魔+痴漢だっただけだろ〜が。」


 そう変なやつは公園で中学生くらいの女子に自らの肉体を見せつけさらに女子の胸を揉むという行為をし、偶然近くにいた警官に逮捕された。回想するとこんな感じだ。








 回想シーン・・・


『るん♪るん♪るん♪』

 カササ


『ん?なにかな?』


 バッ!!


『ヒャッハーー!!!!ロリ顔女子はっけーーん!!!!クヒヒヒヒヒヒ!!』


『きゃああああああ!!へ、へんたい!!』


『グヘヘ。知っているか!?女子に露出した姿を見せれば興奮する!!』


『それは貴様みたいな変態種だけだ。』


 ガチャン!


 フォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォンフォン・・・・・










 回想終了・・・


「いや〜。露出魔ってホントにいたんだね。初めて見たわ。」


 俺は尾行した感想を述べ、近くにあるベンチに座った。


「いや、俺も初だよ・・・神崎、30分しか暇つぶせてねえじゃねーか。」


 ルカもそう言ってベンチに座る。


「そうだな・・・あ。」

 俺はあるものに目が留まる。


「今度はどうした?バカップルいたからカップル撲滅運動でもするんですかぁ?」


 ルカは空を見上げながら言った。


「ルカ・・・ちょうどヒマなんだ。チャンバラでもするか?」


 俺はルカにチャンバラを提案してみる。


「ハア?そりゃあかまわねえけど・・・ここで刃物振り回したりドンパチやると辺りが更地になるぞ?


 ルカが言っているチャンバラは伊織とやってるようなやつだろう。確かに本気でやったら更地になるな。


「誰が得物何でもありチャンバラやろうって言った。あれ見ろ。」


 俺はある場所を指さす。ルカもその先を見ると、


「何で木刀売ってんだ?ここ何?市民街だぞ?寺や神社でも城でも湖でもないんだぞ?」


 その先には木刀を売っている店があった。


「な?木刀なら更地にはならないだろ?」


「いや確かにそうだが・・・待て、チャンバラするとするとして一般人見たら『うわ、何あの人?いい歳してチャンバラ?』みたいな恥ずいことこの上なしじゃねえか!?」


「んなもん、金貰えるくらいのハイクオリティーにやって劇の演習ですって言えばいいだろ!」


 そう言って俺は木刀を買いに行った。






 結果、一応見惚れるくらいのパフォーマンスはできたが、偶然通り掛かった警官に注意された。



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