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死神の物語  作者: 笠井
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第三十五話 死神は後輩をイジめる。(そして、噂に)

 神崎 悠志視点・・・


「まあ、こんなもんだろ。」


 俺はミリアをいじめてスッキリした。


「はあ、はあ、はあ、はあ、せ、先輩〜」


 ミリアはぶっ倒れて、虫の息だった。


「いや〜。あれだけやっても生きてられるんだな。」


 やってるうちに死ぬんじゃないかと思って、内心びくびくしてた。


「はあ、はあ、先輩〜。なんで私が言った、色々を実行するんですか〜」


 ミリアは泣きそうな顔で言った。いや、泣いてた。


「いや〜、実はやってみたかったんだよね。

最初はパシリや家事をして、疲れているところに熱湯をかけられ、そのまま崖へ落とし。今度は水車に括りつけてそのまま放置して、1時間たったら、鞭でたたき付けられ、変な薬飲まされ、ボコボコにして、今度は痛んだ体をさらにありとあらゆる拷問で痛め付け、そのまま三途の川に流すを。」


 ミリアをいじめるために、前にミリアが言ってた、色々を全て試した。


「はあ、はあ、先輩は鬼です。私を傷付けて楽しいですか?」


 ミリアはそう言いながら俺を睨んだ。


「やってるうちに楽しくなった。」


 俺はそう言えば、


「それ、変人の楽しみ方ですよ!!先輩は普通の人だと思ったのに!!」


 ミリアは叫んだ。


「大丈夫だよ。ミリア。」


「何に対してですか!?」


「俺は普通の一般人Aだ。だから、理性というものがちゃんとある。だからお前がなにかしないかぎり何もしないよ。」


「嘘です!!先輩はおかしな人です!!だから、信用できません!!」


 ミリアは叫んだ。それはもう盛大に。


「さっきから元気だな〜おい。もしかして意外と平気?」


「少ない命のろうそくを燃やしまくってるんです!!」


 それからそんな会話が続き、ミリアはばったりと倒れ、仕方ないのでマイケルに預けた。










 社長室より・・・


「で?お前はミリアをぶっ倒れるまでイジめたと?」


 で、そのことが遠野さんにバレて、すぐに呼び出された。


「え〜と。そうです。」


 俺はやや緊張しながら言った。


「やれやれ、仕事は山ほどあるのに、怪我が治ってすぐに伊織と破壊活動を行い、ミリアをお姫様抱っこで連れ去り、イジめまくった・・・お前、この内容聞いたら、誰でも変態と言われるぞ。」


 遠野さんはいつものニヤついた顔で言った。


「ははは・・・」


 俺は笑うしかなかった。


「いやいや。『『刃』が爽やかな笑顔で今にも泣きそうな女の子をお姫様抱っこで連れ去った。』と、聞いたときは俺を始め、全色夢は腹の底から笑ったものだ。『神崎が壊れた』ってな。」


 遠野さんはニヤつきながら言った。


「もういいでしょ、その話は。さっさと山のようにある仕事の話をしましょうよ。」


 恥ずかしくなった俺は話題を変えるために、仕事の話を聞いた。


「おいおい。もうちょっと笑わせてくれよ。っと言いたいところだが、仕事を終わらせてからでも遅くはないか。ほら、これが今日の仕事だ。」


 と、遠野さんに書類を渡された。内容は、死者のガイド、カウンセリング、死霊狩り。と、いつもの内容だった。


「今回はガイドがメインだ。あと、ミリアはお前がダウンさせたからお前一人な。」


 それだけを聞いた俺はとっとと、社長室から立ち去った。










 死者のたまり場より・・・


「はい!畑中さんは1番号船。道中さんは4番号船。ミッチェルさんは5番号船に乗ってください!」


 と、俺が死者たちのガイドをしていると、


「おい、聞いたか?最近のことなんだけどよ。なんでも若い女の子をさらって拷問をしたそうだぜ。」


「本当かい?最近の若いもんは何やっとんのかね〜」


「アタシもその話を聞いたんだけど、拷問をしたのは有名な死神だと聞いたよ。」


「話じゃ、その女の子、今も意識不明だとよ。」


 そんな噂が聞こえてきて、内心めちゃくちゃ焦りまくった。


(もう噂になってんの!?早過ぎだろ!?もし俺だとバレたら引かれるか、ヤジとぶかしかないじゃん)


 いつバレるがビビりまくりだがそんな状況でもミスひとつなく終わらせた俺は凄いのではないかと柄にもなく自画自賛した。










 『黄泉』カウンセリングセンターより・・・


「最近さ、思うんだよね〜、うちの孫、グレたらどうしようってね。」


「いや、どれだけ思っても俺ら幽霊なんで。お孫さんをぶん殴れないし、説教も無理ですよ。」


 俺は相手のおじいちゃんにそう言ったが、


「それは分かってんだ。だけどね、枕元でなら何となく大丈夫なんじゃないか?」


 そんなふうに返された。


「いや、枕元に行っても殴れないですよ。」


「殴んじゃねえよ。耳元で小言を言うんだ。それなら大丈夫だろ?」


「たしかに、実例はありますよ。でも結果は引きこもりになりましたよ。」


「そうかー、じゃあどうすればいいんだ?」


「この際ですし、祈りましょ?」


「神様にかい?」


「お孫さんにですよ。気休め程度ですが気が楽になりますよ。」


 そんな感じにカウンセリングをしていたら、


「そういやよ〜。つい最近、おたくの会社の前を通ったら変な噂を聞いたよ。」


 と、カウンセリングの相手が言った。


(うっ、もしかして・・・)


 俺は嫌な予感がした。


「どんな噂ですか?」


 しかし、聞かなければいけない。


「死神の1人が後輩の女の子をさらって、色々したとかなんとか・・・・なあ、この噂、ホントかい?」


 またこの噂だった。


「そんなことあるわけないじゃないですか〜」


 俺は出来るだけ朗らかな笑顔で言ったが、内心、冷や汗かいている。


「いや、他の死神にも聞いたんだけどさ、みんな笑顔で本当だって言うんだよ。」


 『黄泉』のやつらは俺の敵か?


「で?どうよ?後輩に色々した死神さん?」


 と、カウンセリングの相手は言った。というか、


「何で俺だと分かった!!」


 それを聞いたら、


「カウンセリングを受ける前に、近くにいた死神

たちに聞いたら、笑顔でアンタだって言ったぞ。」


 と、言われた。










 5番ゲート地域より・・・


「はあ〜〜。なんでミリアのイジめた件が、こんなに早く広まるんだ?」


 俺は深いため息をはきながら言った。


「悠志は有名だから。」


 と、一緒に連れて来たノルンが言った。


「いや、他の色夢のほうが有名だろ?」


 エイレンシアはつい最近、『レイス』というガンダム的な兵器を作ったり、その反面、最新のゲートを作ろうとしたら、失敗して、あらゆる妖怪が出てくる扉にしてしまったり。

伊織は買い物中に話し掛けられたチンピラを半殺しにしたり。

部長は最近、アーケードゲームの大会で最高記録をだし。

坂塚さん夫婦は『いい夫婦で賞』を貰い。

イアン達は、『ベストカップル賞』を貰っている。


「そう、他の色夢も有名。有名と同時に変人の部類にもいる。悠志は有名なのに変人の噂はなかった。それだとおもしろくない。だからみんな、悠志の変人化を求めてる。そして今回、見事に噂が出てきた。みんな喜ぶ。」


 ノルンはそう説明した。


「おもしろくないって、他のやつらが面白くても、俺が面白くないよ。」


 と、言ってるうちに、


「ガアアアアア!!!!」


 死霊が出てきた。


「おいでなすった。ノルン、援護頼む。」


「分かった。」


 俺達はそう言い、敵を確認する。と、


「オイ、アレカ?噂ノ?」


 死霊の1人は仲間に尋ねた。


「ああ。あいつだよ。噂の。」


 尋ねられた死霊はそう答えた。その会話を見て、


(オイ、もしかして・・・)


 嫌な予感がした。そして、


「あいつが女をイジめた変人だ。」


 予感が的中した。


「ギャハハハハ!!アイツカ!?」


 死霊共は笑いまくった。


「オイ!死神!!今度はその子を痛め付けるの!?」


 その1人がニヤけた面で言った。


「そうなの?私もイジめられるの?めちゃめちゃにされるの?」


 ノルンはそう言って、俺を見つめた。


「いや、しないから。」


 俺はそう言って死霊共を睨み、


「おい。死霊共。どこからそれを聞いた。」


 俺はそう言ったら、


「ああ?近くで眼鏡の女が『ゆ〜君が壊れた〜』って、仮面を被ったやつと爆走して、」


「ナカマニ情報ヲ集メタ!ギャハハハハ!!」


 と、死霊共は大笑いした。それを聞いた俺は、


「フィフスエッジ・・・解放。・・・弾丸変換・・・神弾、セット。」


 二丁拳銃を創り、


「オイ・・・さっきからなんだ?そりゃイジメは良くないよ?俺は普通の一般人Aだ。それくらいの常識はあるよ?だけどさ?ガイドの死者たちといい、カウンセリングのじーさんといい、なんで情報早いの?こっちが援軍頼んでも、いつも来るのが終わった後だし、エイレンシアのミスで発生した。妖怪扉を壊した時だって、『あ、そんなことがあったんですか?』だぞ?なのに俺がミリアをイジめた時は10分もかからずに死都全域に噂になったのはどういうことよ?そして極め付けはエイレンシアが叫びまくって、噂をばらまいただあ!?」


 俺が長々と独り言を言ってると、


「お、おい。ヤバくねえか?」


「ああ、逃げたほうがいいんじゃないか?」


「コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ。」


 死霊共はビビりまくっていたが、もう遅い。


「エイレンシアの・・・」


 怒り、憎しみ、不満、殺意、ストレスなどなど、色んな想いを銃に込めて、そして、都合よくいた死霊共に向かって、


「ドアホーーーーーーーーーーーー!!!!!」


 ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


 撃ちまくった。『ジャッジメント』で。


「私では悠志の熱い想いは受け止められないの・・・凄く残念。」


 ノルンがそう言ってたが、撃ちまくってるので聞こえなかった。



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