第三十三話 死神は死にかけるPart2
『黄泉』医療室より
「ん・・・」
目を覚ますと見慣れた医療室の天井だった。身体が痛くてしょうがない。そんな状況で、何故か俺はなんかしゃべりたくなったので、
「なんか・・・どうでもいい夢を見た・・・」
あの神の夢の感想を言ってみた。そうしてると、
「ハーイ!ボーイ!身体のコンディションはどうだい〜?」
マイケルが来た。
「最悪だ。」
身体は痛いわ、変な夢見るわで最悪だった。
「まあ、技が技だけにボーイは大怪我してもしょうがないね。」
ハハハと、マイケルは爽やかに笑った。
「そういえば・・・エイレンシアがボーイに会いたいそうだよ?」
と、マイケルは言った。
「俺・・・大丈夫?」
俺はエイレンシアに会って、生きていられるか悩んだ。
「ボーイ、安心しろ。幸いにもここは医療室だ。」
「いや、大事起こる前に止めてくれ。」
「ボーイ・・・人には、できることと、できないことがあるんだ。」
「医者なのにこれから大怪我する事態から守ってくれないのか?」
「私は医者だ。病気の予防はできるが、事故の予防はできない。」
「頑張ってくれよ。筋肉バカ。」
「というかボーイ・・・地味に長引かせようとしてないかい?そんなことしても「すいませ〜ん〜。ゆ〜君のお見舞いに着たんですけど〜。早くゆ〜君に会わせてよ〜」・・・来たよ。ボーイ。」
エイレンシアの声がした。なので・・・
「分かったよ・・・意識あったらお前のDVDをブッ壊す。」
抗うことを諦めることにした。
10分後・・・
「ゆ〜〜君〜〜!!死んじゃヤダーー!!」
あれからエイレンシアは俺に抱き着き、俺の傷を開かせ、そのまま泣き続けた。
「エイレンシア・・・頼むから少し離れてくれ。本気で死ぬ。」
俺は激痛をこらえ、エイレンシアは引きはがす。
「エイレンシア、なんでここに来た?」
「えぐっ、ゆ〜君のお見舞い。」
エイレンシアは泣きながら言った。
「なのになんでいきなり抱き着いて傷口を開かせる。普通の一般人Aである俺は死ぬぞ。きっと。」
「ひっく、ごめんなさい〜。」
しかし、エイレンシアはまた俺に抱き着き、
ブシュ。
「い゛っ!!」
傷口が開いた。
(マイケル!俺、死にかけてる!?早く止めてくれ!!アンタ医者だろ!?)
俺は心のなかで叫んだ。なぜ叫ばないかというと叫べないくらい痛いからだ。
「ハッハッハ!中島さん、もう少し思いきりをつけたほうがいいね!そうすればもっと鍛えられるよ!」
筋肉講座をしてやがった。つまり、見捨てられたわけだ。
「この筋肉バカ!!それでもいっ!!ガハッ!!」
パシャ!どくどく。
「ゆ〜君〜〜!!私をおいて逝かないで!」
怒りのあまり、大声をあげた俺は吐血した。意識が無くなりかけた時、
「ふむ・・・アイツは毎回、主によって死にかけてるらしいな。仕方がない。今回はおとなしく自己鍛練でもするか。」
なぜか知らないが、屍がそこに立っていた。
(なんで・・・誰も助けてくれないんだ?そして怪我人を戦わせるな。)
そう思ってすぐに俺の意識は途絶えた。絶対に生き延びて、あの後輩をいじめてやると胸に刻んで。