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死神の物語  作者: 笠井
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第三話 死者は溺れる

 歩く・・・歩く・・・歩く・・・


 少年は歩く、どこまでも。


 歩く・・・歩く・・・歩く・・・歩く・・・歩く・・・


 少年は目的の為に歩く


 歩く・・・歩く・・・たまに走る・・・歩く・・・歩く・・・


 少年は道なき道を歩き続ける。


 歩く・・・歩く・・・たまに周りを見渡す・・・歩く・・・歩く・・・


 少年はただ・

「やかましいわぁ!!」・・・今頃吠えた・・・。


「なんだよコレ、三途の川どころか人の気配すらないのはどういうことなんだよ!?なんで見渡す限り荒野オンリー!?」


 俺は今までの想いを空にぶちまけた。


「ハア・・・ハア・・・ハア・・・はあぁ〜。」


 あまりの空しさに俺は泣きたくなった。

 そう、かれこれ三時間くらい歩いたり、走ったり、様々なアクションをしてきた。なのに荒野は俺を野垂れ死にさせようとしか思えないくらい広かった。(もう死んでるのだが)


「さすがに疲れてきた。どこかで休みたいが・・・休める場所が無いじゃねーか。」


(あれ、また目に涙が・・・)


 もう俺はいろいろヤバイ状態らしい。


(なんで誰もいないんだ?ここあの世のはずだ。なら、俺以外の死者だっているはずなのだが。)


 人どころか、動物や虫すらもいない。


(こうなってくると不気味だな。あの世に俺一人だけというのは変だ。昔の人の死後の世界についての暴露本は、ちゃんと人がいたらしいし・・・。)


 思考の世界にどっぷり浸かった俺は周りの世界に異変があったことに気付かなかった。


 無限に広がる荒野は霧に包まれ、川の流れている音は俺には聞こえなかった。


(大体、なんで殺されたのに、こんなに辛いことが起きるんだよ。)


 少しイラッと来るねコレは、


(コレはアレか?殺される方にも非があるって言いたいのか?ふざけた話だ。あの女とは一切の面識はありません!!これは断言してやる!)


 俺の思考の世界はだんだん不平の世界に変わっていた。


(まったく、なんでこんなことになっ・・

「すみません。そこから先は危ないですよ。」のわぁ!!」


 めちゃくちゃ驚いた。

と、その拍子に・・・


「あれっ?(なにこのいや〜な浮遊感?)」


 その後すぐに・・・










 どっぽーーーーん!!!!









 川から落ちてしまった・・・


「ちょっっとぉぉ〜!?大丈夫ですか!?」


声をかけた人は、このリアクションに凄く驚いていた。その証拠に、


「きゅ、救急車〜〜!!!!」


 原始的な方法で救急車を呼ぶほどパニックになっていた。










 一方、俺、神崎 悠志は、


「ヤバイっ!落ちた瞬間足つった!」


 溺死するよくあるパターンのベスト5にはいるシチュエーションだった。


(くそっ!!なんかもう意識が遠くなってきた・・・)


 もう死んでいるにも関わらず、また死にかけていた・・・










 夢を見た。なぜか俺の人生をさかのぼっても、絶対に存在にしない夢。

夢なのだから当たり前だが、この夢だけは、実際にあったと確信している自分がいた。

 それは、ある男の物語。男は神だった。神といっても元は人間だった。

 つまり彼は所謂、最初から神だったやつらとは違う成り上がりの神だった。そのため地位は中間くらいだった。にも関わらず、彼は多くの功績をのこした。それと比例し敵も多くなった。ついに彼は孤独になった。そしてあの日、彼は一人の死神に出会った。

 その夢を見ていて俺は、


(なんで死神の顔が見えないんだ?いやそれよりなんで俺は・・・)






 この夢に執着しているのだろう・・・






 今までの人生で自分が違う存在だったというのはよくある。それは、エイリアンとやり合ったり、〇ャファーに追い掛けられたりと様々だ。なのに何故この夢に執着し、懐かしいと感じてしまうのだろう・・・それじゃまるで、






 全てはここから始まった・・・という予感めいた夢だっていうのか?






 そう問い掛けても、答えてくれる者なんて誰もいなかった・・・












 一方、叫んだ人は・・・


「きゅう〜〜〜きゅう〜〜〜しゃ〜〜〜!!」


 まだ叫んでいた。


「きゅう〜〜〜きゅう・・・って、こんなんでくるか!?」


 とノリツッコミ?をした。


「てっ、一人漫才やってる場合じゃ

「およびかい?ボーイ?」てっ、来るんかい!!」


 奇跡が起きた。


 とりあえず、状況を伝え次の連絡をした。


「もしもし、社長ですか?今、三途の川に落ちた一般人がいて・・・・・ハイ、わかりました。ではその人を連れて戻って来ます。ゲートと万が一のために白夢ハクムの手配をよろしくお願いします。」


 連絡は一通り終わり、後は川に落ちた少年を待つだけだった。


「大丈夫なのかなぁ?あの人?それに、交通班の方も・・・あの人、うっかりミスがあるしなぁ。」


 待っている間、多くの悩みが彼を苦しめた。

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