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死神の物語  作者: 笠井
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第二十六話 死神は夢を見る。

 訓練が終わり、医療班のところで診察を受け、やっと部屋のベットに寝転んだ。


「疲れた・・・」


 五時間も戦い、最初と最後に少し本気を出したのでもうへとへとだった。


「にゃ〜〜(おつかれ)」


 ノルンが頭を撫でてきた。


「ああ、ノルン。ありがとう。」


 とりあえずノルンに礼を言って寝ようとしたら、


「ニャ。(起きて)」


 ガン!


「ぐあ!!」


 殴られた。しかも氷で、


「の、ノルン?痛いんだが・・・」


 俺はノルンに訳を聞くと、


「ニャニャニャ。(ちゃんとお風呂に入りなさい。)」


 風呂を勧められた。


「このまま寝たいが・・・仕方ないか。」


 俺は外套を脱いで風呂場に向かった。











































 30分後・・・


 風呂から出た俺はすぐにベットに倒れた。


「おやすみ〜」


 俺は一言言ったら、


「ニャー(おやすみ)」


 ノルンの声が聞こえ、それから俺は意識を手放した。






































 変な夢を見た。今回はあの神になったやつの夢ではなかった。かわりに変なやつがそこにいた。


「やあやあ!元気にしてるかい?」


 妙にフレンドリーに挨拶をしてきた。当然、俺は、


(何この生命体!?)


 と思った。外見は雪だるまのようで、大きさは人くらいの大きな雪だるまだった。というか、


「お前、街でもらった人形か?」


 UFOキャッチャーでもらったあのでかい縫いぐるみにそっくりだった。


「う〜ん。君にはそう見えるんだね〜」


 雪だるまは笑いながら言った。


「俺には?じゃあほかのやつにはどう見えるんだ?」


 俺はそう質問すると、


「ナイスバディなお姉さんに見えた人もいたよ!」


 そう返ってきた。


「そうかい。で?お前は誰だ?変な夢見てきたが、お前みたいにフレンドリーに話しかけてくる縫いぐるみが出てくる夢なんてみたことないぞ。」


 俺がそう言うと、


「僕かい?僕はね!サンタクロ・・「もうクリスマスは過ぎたぞ。」・・・ちょっと〜、人の話は最後まで聞こうよ〜」


 サンタクロースと言う前にツッコンだ。


「サンタは冗談だよ!僕はね君の力だよ。」


 縫いぐるみはとんでもないことをぬかした。


「力?信じられん。じゃあ何?『流れ読み』や武器の創造はお前のおかげと言いたいのか?」


 夢で自分の力が出てくるとは思わなかった。


「そうだよ!まいったか!!」


 縫いぐるみは胸を張る。


「で?俺の力がわざわざ人の夢に出てくるのは、どういった理由で?」


「理由?君と話したかっただけだよ。」


 コイツと話しているとストレスが溜まってくる。


「さいですか・・・じゃあもういいか?明日から仕事でね。」


 俺は横になったら、


 ポカポカポカポカ


「ね〜な〜い〜で!!〜。話聞いてよ!〜」


 駄々をこねられた。


「分かった!分かった!じゃあなんか話題あるか?なかったら、ぶっ飛ばすからな。」


 たまらず俺はコイツの話を聞くことにした。縫いぐるみは喜び、


「わ〜い!!あのね、今日のこと、社長さんに言わなかったけど、いいの?」


 と聞いてきた。報告するの・・・忘れてた。


「やっちまった・・・」


 明日、なんとかするしかない。


「ね〜ね〜。誰を色夢とやらにするの〜?」


 縫いぐるみはしつこく聞いてきた。


「明日のお楽しみー。というか、お前、俺の力なのに俺の考えてることわかんないのか?」


「うん。君が僕にあまり浸透してないから、君の考えは分からないよ。」


「浸透?どういう意味だ?」


「こればっかりは教えられないな〜。今、話しちゃうと、君の頭の中がパンクして廃人になっちゃうよ。」


 縫いぐるみはそう言った。


「今は・・・か。じゃあいつ話してくれるんだ?」


「話さなくても君は少しずつ知っていくよ。そうすれば・・・」







 縫いぐるみは、







「クレアが君を殺した理由も分かるから。」







 とんでもないこと言いやがった。


「な・・・に?」


 俺は縫いぐるみの言葉に驚いた。


「お前は知ってんのか!?クレアを!!」


 俺は縫いぐるみに疑問をぶつけた。


「うん。知ってるよ。でも僕からは話せない。これは時間で解決するしかないんだ。」


 縫いぐるみはそう言った。


「そうかい・・・じゃあもうひとつ聞きたいことがある。」


「何?」


「生前にお前が現れなかったのはなんでだ?」


 縫いぐるみが俺の力なら、なんで生きている間に使うことが出来なかったのだろう。


「それはね。生前には必要ないから封印されたんだ。だから君が殺されるまで力が使えなかったんだよ。ついでに言うとね、クレアとの接触が封印を解く鍵なんだ。」


 縫いぐるみはそう答えた。


「そうかい。」


 なぜか俺はその答えを聞くと眠たくなった。


「もう時間だね。続きはまた今度ということで。」


 縫いぐるみはそう言って、消えていった。縫いぐるみが消えた後、俺は周りを見てみた。


「一面、真っ黒だな。余計に眠たくなる。」


 俺はホラーな展開が起こらないことを祈りながら目を閉じた。

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