表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神の物語  作者: 笠井
1/48

第一話 少年は死者になった

 6月中旬、今の天気は曇り空。そんな日に俺は散歩をしていた。    俺は神崎かんざき 悠志ゆうじただ普通に生きている人間だ。

 今歩いている場所はあまり人気のない橋の上。

周りを見れば車の数は少なく、ほとんど川の音だけが心地よくひびいていた。俺は此処が一番落ち着く。だから、暇があればいつも此処に足を運んでいる。

しかし今までと違う光景を見た。


(なんだアレ?)

 橋の先に立っていたのは女性のようだった。

それ自体が光を発しているかのような長い銀髪、

透き通るような白い肌、整った顔立ち、そしてルビーのような朱い瞳。

誰がどう見たって、美人だと言うような女性だ。


実際俺も、

「綺麗だ・・・。」

と言ってしまった。だけど、


(なんで俺はアイツを見るとこんなにも・・・)


不安になるんだ?



頭がガンガン痛む。身体が震える。何故?




デアッテシマッタ・・・

           アノオンナニ!!


(なんだっていうんだ!!ただあの女を見ただけだってのに。)

 頭の中の声に苛立ちながらそれを無視して突き進んだ。

それが間違いだったと気付かずに・・・


(ただ普通に歩けば何も起こらないんだ。そうだよこっちから何もしなければ大丈夫なんだ!)


 必死にそう言い聞かせ震える身体を動かした。

自然と歩くスピードをあげていた。

その間も頭の声が響いてくる。


モドレ・・モドレ・・モドレモドレ・・モドレモドレモドレ・・・


スグニニゲロ・・・・

ハヤクニゲロ・・・

ソレイジョウチカズクナ・・・


 アイツに近付くごとに声が強く響いていく。

           (もう少し・・・)

           それでも俺は歩みをやめない。

            (あと少し・・・)

            そう言い聞かせ続ける。            (このまま突っ切る!)


そう思って歩くスピードを早めた。

そしてついにアイツの傍まで近づいた。

その瞬間、




トスッ・・・・




その音を聞いた瞬間、俺は今まで感じたことのない鋭い痛みを感じた。



「えっ・・・」

その痛みの先を見れば、

(なんだよ・・・コレ・・ナイ・・フ・・・)


それを確認したあと痛みが強まった。


「グッ・・アアァ・・・ガッ・・ハッ!!・・」


痛みのせいでろくに息もできない。まだ刺さっているからか、血はあまり出ていなかった。


(でもこのままじゃ、あともって3分だなぁ。)


何故か俺はそう冷静に考えることができた。そしてあの女は通り過ぎて行った。

俺はその女を見た瞬間黒い感情が芽生えてた。

(どこに行くつもりだ。人刺しといてそれはねぇだろ)

いまだに痛む腹を押さえながら、


(ふざけんな!ただですむと思うなよ。)


そろそろ血の味がしてきた。なのに俺は・・・


(コレを抜いたら、あと30秒であの世行きだな。)


ドクンドクンと震えているナイフを確認していた。


(かまうもんか。どうせ残り少ない命だ。なら・・・)


 その命を燃やしアイツを・・・


「殺すまでだ。」


 そして俺は刺さっているナイフに手に掛けて、そのナイフを抜いた。






ズブリ・・・






 妙に生々しい音を出してナイフは抜けた。


「ゲハァ!!・・・スゥ・・ハッ!!」


 ナイフを抜いた痛みは想像以上で、一瞬にして俺の体は血で染まった。

だが・・


(まだだ!まだ死ねない!!)


痛みを堪えアイツに向かった。最短でアイツに追い付き、ナイフを構え、


「うおおおぉぉぉ!!!」


アイツに突き出した!

だが・・・


「えっ・・・・」


アイツは翻りナイフを躱した。そしてアイツは、


「やっぱり、向かってきたんだ。」






笑っていた・・・・






この場面に似合わないくらい明るく、妖艶に。

長年逢えなかった恋人を見つけたかのような・・・そんな笑みを・・・。


(な・・んだよ・・ソレ?なんで俺にそんな笑みを向けるんだ?)


 そんなこと思いその答えを探す間もなく、アイツは俺を蹴飛ばした。

 俺の傷をえぐるかのような蹴りだったが一番驚いたのは、


「グアッ!」


 今いた場所から数メートル先にあった電柱まで吹き飛ばされたことだ。

 俺は電柱にぶつかってすぐに意識が遠くなった。




 薄くなっていく意識のなか最後に見たものはあの笑顔だった。

初めての投稿でしたがいかがでしょうか?復讐する物語ですが重い話にはあまりなりません(というより文才ないのでできません<汗>)。どうかこれからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ