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28話 ステータス(3) 





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


アルフォート・グランセル(5)

種族:人間

称号:グランセル公爵家三男 神童

HP:500/500

MP:500/500

魔法適性:火・風


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ──どういうことだろう?



 アルは目の前に映し出されているステータスに首を傾げる。


 アルが自分で出しているステータスウィンドウは今までと同じように異常なものであるが、鑑定盤を通して映し出されたステータスは、「───」以降が表示されておらず、アルが望んでいたステータスに切り替わっていた。


 そして、レオナルドやカルムンがその事に対して不信感を持つことはなく、普通に受け入れている。



 ──もしかして、「───」以降が見えるのは「鑑定眼」のおかげなのかな?



 アルは、自身のステータスにある「ギフト」欄の「鑑定眼」見る。すると。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



スキル:なし

ギフト:鑑定眼(鑑定の意思を持って万物を見ることで、

        それらの情報を鑑定することが可能になる) 

    魔眼(魔力の流れ、魔力自体を視認可能)

加護:創造神の加護(創造神の権限を一部行使可能)



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ステータス部分に説明文が付け足された。


 どうやら、自身のステータスについても「鑑定眼」の使用が可能なようだ。



 それよりも気になるのが、「創造神の加護」である。


 創造神。つまり、アルをこの世界に転生させた神様のことだ。


 その神の権限を一部行使可能とはいったいどういうことだろうか。



「──さて、洗礼も終えたことだし、屋敷へ行こうか」



 アルが自分のステータスを確認している間に、すでにカルムンの姿は部屋のなかになく、レオナルドとアルの二人になっていた。



「すみません。ステータスに夢中になっていました」



 アルは洗礼を引き受けてくれたカルムンにお礼を言いそびれてしまっていた。しかし、レオナルドはそのことに対して、別段怒ったような様子はなかった。



「ふふ、洗礼を受けた後、お前の兄たちも今のアルと同じように放心状態でステータスを見ていたものだよ」



 レオナルドは昔の記憶を懐かしみながら、アルの今の行動を見ていたのだ。


 ベルだけでなく、ガンマも放心状態にあったということは、ほとんどの子供がそうなのだろう。


 アルとレオナルドは、外に止めてあった馬車に乗り込み、王都にあるグランセル公爵の屋敷へ向かった。



 ──そういえば、正妻に会うのはこれが初めてだなぁ。



 アルはそんなことを考えながら、街並みを傍観していた。流れる景色を横目に、馬車はどんどん前へと進んでいった。








 グランセル公爵家の屋敷は、王都の中でもかなり奥のほうにあった。


 レオナルドが王国の中でかなり重要なポストにいることはある程度知っていたし、王城で仕事をしている以上は、すぐに王城へ向かえる場所に屋敷を構えることは至極当然だ。



 ただ、アルの想像以上にその屋敷は立派な建物であった。


 王城付近は貴族家で囲うように配置されているのだが、それらの建物のなかでも群を抜いて大きな建物だった。



「レオナルド様、アルフォート様。お待ちしておりました」



 屋敷の前に、執事のような恰好をした老人が待っていた。余裕のある雰囲気や話し方、そしてびしっと決まった礼に品の高さや格式の高さが見て取れる。



「アル、この者は我が家に長く仕えてくれている執事のセバスだ。何か困ったことがあれば、セバスを頼るといい」



 レオナルドはセバスを簡単に紹介する。


 仕事もできそうだし、何か始めるときはこの人に意見を聞いてもいいかも。



 アルはそう思いながら、セバスが開けてくれた扉をくぐった。








「──貴方がアルフォートね。私はカリーナ。お母様と呼んでいいのよ?」



 屋敷に入ると、アルたちはすぐに第一婦人であるカリーナの元へ向かった。この屋敷を管理しているのは、基本的には第一婦人であるカリーナで、使用人たちに指示を出しているのも彼女なのだ。


 つまり、この屋敷の中においてはレオナルド以上の権力を有している人物であるのだ。



「はい。お母様」



 アルは無邪気な笑顔をカリーナへ向ける。前世では顔も覚えていない母親だが、今世ではアルにとって二人目の母だ。


 そのため、意識していなくても自然に笑顔がこぼれた。



「あぁ……。その笑顔は……」



 アルの笑顔を見て、カリーナは顔を真っ赤にする。ベルと同じ銀色の髪を持つ彼女だから、余計にその赤面さが際立って見えた。



「……カリーナ。もしかして、息子にときめいたのかい?」



 レオナルドは彼女の反応を見て、昔の自分への反応を思い出す。レオナルドが笑顔を見せると、決まって彼女は顔を真っ赤にさせていた。当時は、変な子だなと思っていたが、それが自分に対してだけだとわかってからは愛おしくも思っていた。



「──んんっ、貴方の部屋は二階にあるから、セバスに案内してもらいなさい」



 カリーナはわざとらしく大きな咳ばらいをして、ごまかすようにそう言った。


 正妻のカリーナさんは、予想以上に可愛らしい方のようだ。



 アルはセバスに案内されながらそう思った。




今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!


アルのステータスの詳細がある程度つかめてきましたね。

ただ、ステータスの隠蔽はできましたが、本質的な実力はステータス通りですから、彼の異常性は変わりありません。


第一婦人は、作者の好みである女性像として描いてみました……。

趣味全開で申し訳ございません。

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