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27話 ステータス(2)

5/17 ステータス数値を訂正しました




 ──あ、これダメなやつだ。



 アルは自分のステータスの異常さに戸惑っていた。



 まず、一番に目につくのが「魔法適性の数」だ。


 ベルの3属性ですら珍しいとされているのに、アルの魔法適性は6属性全て。その異常性は誰でもわかるだろう。



 次に、魔力量の多さ。


 魔力量の平均は分からないが、他のステータスと比べて桁がおかしいことになっている。



 そして、この「ギフト」や「スキル」とは何だろうか。


 今まで、ステータスには魔法量と魔法適正くらいしか書いていないと思っていたのだが、実際は割と詳しく細分化されていた。



 アルは、自分のステータスへの疑問を一旦飲み込み、期待の眼差しでアルのことを見ているカルムンとレオナルドへ視線を向けた。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



レオナルド・グランセル(42)

種族:人間

称号:グランセル公爵当主 知将

HP:3,000/3,000

MP:2,000/2,000(上限)

魔法適性:火


────────────────────


レベル:15(知+10,他+20/毎)

攻撃力:380

防御力:380

知力:240

俊敏力:380

スキル:片手剣(4) 事務(3) 礼節(4)

ギフト:魅了

加護:なし




カルムン(54)

種族:人間

称号:大司祭 

HP:1,000/1,000

MP:3,900/4,000(上限)

魔法適性:光


────────────────────


レベル:8(知+55,他+5/毎)

攻撃力:135

防御力:135

知力:485

俊敏力:135

スキル:洗礼(5) 礼節(2) 祈願(3)

ギフト:なし

加護:なし



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




 レオナルドたちのほうを見ると、急に彼らのステータスが視界に広がった。



「──ステータスはどうだった?」



 レオナルドはアルにそう尋ねる。アルとしては、目の前に広がっているステータスの処理に追われているのだが、レオナルドから見るとアル自身のステータスを見ているように捉えられただろう。



「火属性と風属性に適性があるみたいです」



 アルは咄嗟に嘘をついた。


 全属性に適性があるだなんて伝えれば間違いなく気味悪がられてしまうだろうし、兄たち二人とも火と風の適性があるのだから変に思われることもないだろう。


 そういう意図で、アルはこの二つの属性に適性があったと伝えたのだ。



「兄弟三人とも2属性以上の魔法適性とは。おめでとうございます!」


「あぁ! ありがとう。大司祭」



 レオナルドも心なしか嬉しそうにカルムンと握手を交わしていた。アルにも複数属性への適性があったことを喜んでいるようだ。


 しかし、相手にステータスは見えないはずなのに、どうして僕には二人のステータスが見えるのだろう。



 考えられるのは「ギフト」の「鑑定眼」だろう。あと、どうして「───」で上と下に区切られているだろうか。



「──では、一応決まりなので『鑑定盤』のある部屋へご足労願います」


「『鑑定盤』とはなんですか?」



 アルはカルムンの言葉に反応する。



「『鑑定盤』とは、ステータスを相手に示すための道具です。洗礼の後や入国時には『鑑定盤』によって自身のステータスを提示しなければならないのです」



 アルの質問にカルムンは丁寧に説明をする。


 これはまずいことになった。今、嘘をついてごまかした魔法適性や異常に高い数値であるMPがばれてしまう。



 アルの質問に答え終えたカルムンは、アルとレオナルドを先導するかのように部屋の外へ歩き出す。


 アルはその後ろをついていきながら、自身のステータスを出す。さっきと同じように異常なステータスが出現する。



 ──なんとかステータスをごまかす方法はないだろうか。



 アルは必死に頭を動かして、このステータスを隠蔽(いんぺい)する方法を模索し始める。








 結果的に、その方法はなかった。


 ステータスウィンドウには直接手で触れることはできない。そして、その数値を変えることもできなかった。


 アルは半分諦めながらも、様々な方法を模索し続ける。


 しかし、時は無情にも過ぎ去り、カルムンは『鑑定盤』があるであろう部屋に入っていく。



「では、アルフォート様。『鑑定盤』に手を置いて、ステータスを出してください」



 アルは意を決して、鑑定盤に手を置く。



 ──なんとかMPが500くらいで、属性魔法は火と風、ギフトや加護も「なし」になってくれ!



 アルは目を閉じてそう願いながらステータスを出す。



「──これがアルのステータスなのか?」



 レオナルドから驚愕の声があがる。


 やっぱりそう上手くは──。



「称号が神童となっておりますよ! これは将来期待ができますな!」



 ──え? 驚くのそこ?


 アルは二人の会話に面くらいながら、鑑定盤に表示された自分のステータスを確認する。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



アルフォート・グランセル(5)

種族:人間

称号:グランセル公爵三男 神童

HP:500/500

MP:500/500

魔法適性:火・風



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 ──え、何このステータス。





今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!


今回は、前回の「ステータス」の続きになります。


主人公のギフト『鑑定眼』は実に良い物ですね。作者はこの能力が一番欲しいです。


さて、次回も話の続きになります。



お気づきの方もいるかもしれませんが、ここ数話から20:00の投稿となっています。

by最近まで予約掲載を知らなかった作者より

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