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プロローグ




 ──()()()()()()()()()に命はあるのだろうか。



 僕のこの胸のなかには、血液をあらゆる器官へ送り出すポンプのようなものが存在していて、その送り出される血液が、体外から取り込んだ空気を体全体に届けているそうだ。


 そしてこのサイクルが破綻すると、人間はそう長くない時間で生命活動を停止するらしい。





 ──()()()()()()()()()に命はあるのだろうか?



 おそらくあるのだろう。


 でも僕たちは、趣味やプレゼント、祝事や別れの席のために、道端に確かに存在している命を簡単に摘み取ってしまうのだ。


 自らの糧とするために動物を殺し、自らの住処(すみか)を得るために木々を伐採して、僕たちは今の生活を維持している。


 現代に住む僕たちにとって、これらの犠牲の上に成り立つ社会はごく当たり前に存在するものであり、自らはどのような(いしずえ)の上に成り立っているのかなんて、一切考えもしないのだ。




 かくいう僕もそのなかの一人であり、今しがた目の前の惨状(さんじょう)から現実逃避している。


 目の前には()()()()()らしき物と彼らを()()()()()が立っている。



 彼は、まるで僕を親の(かたき)であるかのような恨みに満ちた目でにらみつける。


 彼とは面識などないはずだ。目の前に転がっている人たちも、おそらくそうなのだろう。




 ──彼にとって、僕たちは()()()()()()()()()なのだ。



 男は、何やら叫びながら凶器を持って走ってくる。おそらく僕はここで殺されてしまうだろう。


 僕は目を(つむ)り、最後の瞬間を迎えるのだった。





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― 新着の感想 ―
[気になる点] >「道端に咲いている花」には命があるのだろうか。 そりゃあ、あるのでは?咲いてるんだから。命がなかったら咲いてない、もしくは枯れてるでしょう。 そもそも、なぜ命があるのかどうか疑問に…
[良い点] 彼にとって、僕たちは道端に咲いている花なのだ. 花が生きているという事を印象付けて、人を花に例えるという手法がとても良いと思います。 全ての草花に生命があるとすると、弱肉強食の世界といえど…
2021/10/20 15:03 退会済み
管理
[一言] え!? すごく物騒な始まり!!! でも続きがすごく気になります!!
2021/10/18 20:46 退会済み
管理
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