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身バレ

『チャンネルチェンジ!!』


またも鳴った独特なメロディーと共にチャンネラーは稲妻に貫かれる。


《ACTION Channel♪Ready Go♪》


そこに立っていたのは青色に変色したチャンネラーだった。


『ホゥワッチャァ!』


チャンネラーはカンフー映画のようにキャットゾンビに対して安い挑発を投げかける。

「てんめぇ…!」

キャットゾンビはさらに突進による追撃を繰り返した。

再びチャンネラーの身体に巨体が衝突する。しかし、チャンネラーはそれを避けようとしなかった。

__グニャッ…!

「なんだぁ!?」

『捕まえたぜ…デブ猫!』

チャンネラーはぶつかった直後にキャットゾンビにまとわりつくようにしてその背中にしがみついた。

__“アクションチャンネル”、剛の力を持つ“ヒーローチャンネル”に対して柔の力に特化したチャンネラーの変身形態である。運動能力が主に強化され、体を水のようにして攻撃を受け流すことを得意とする。

『おら!おら!』

「や…やめろ…フギャァァァァ!!!」

背面を揺らされ続けたキャットゾンビはとうとう横転してその勢いのまま壁と激突した。

粉砕された壁の中から一本の鉄骨がチャンネラーの足元に転がり込んでくる。

『へっ…丁度いい。』

チャンネラーがベルトのダイアルを回し始めた。


《ACTION Channel♪Every Day♪》


その音と共にアンテナが前に倒される。


《prululululululu…syupa!!”Replacement Hand“……yhaaaaaaa!!!》


その時、チャンネラーの手のひらが青く発光した。

チャンネラーはその手で転がってきた鉄骨を手に取る。鉄骨からは異様な音が発せられ、やがて棍のような武具に変質した。

その武具をチャンネラーは軽々と振り回し始める。

「フシャアアアア!!!」

ダメージを負ったキャットゾンビはとうとう表層上の人格も取り繕うことすらやめ、本性を現した。剥き出しにした鋼鉄の爪でチャンネラーに切りかかる。

二、三度“棍”と“爪”がかち合って火花が生じた。

大ぶりの攻撃を誘ったチャンネラーはキャットゾンビの頭部に向かって棍を突き出した。

__見切った!

棍の間合いをすでに測っていたキャットゾンビは持ち前の瞬発力でその一撃をかわそうとする。

__ジャラッ!

「ギニャァッ!!?」

突如、棍から鎖が伸び先端がキャットゾンビの鼻頭を粉砕した。チャンネラーの棍はただの棍でなく二箇所で折れ曲がる、いわゆる三節棍と呼ばれる物だった。

顔を押さえながらふらつくキャットゾンビをチャンネラーは三節棍をヌンチャクのようにして追撃する。

『これで止めだ!!』

三節棍に青い光が灯る。

チャンネラーはキャットゾンビの体を横一文字に薙ぎ払おうとした。

__ピタ!シュルルル…!

「フ!?ニャアァァァァ!!!?」

『あ!?』

三節棍の薙ぎ払いが空振りに終わる。

キャットゾンビは謎の黒い紐によって高速で上空に吊り上げられていった。

『なんだ!?やったのか!?』

「やられた…!もう一体ゾンビがいたなんて…!」

『クソッ…!』


《nbyyye…》


アンテナが抜かれ、チャンネラーは丈一の姿に戻った。


「どっち飛んだかわかるか?」

「全然ダメ。何回再生しても垂直に連れてかれてるようにしか見えない。」

「…しょうがねえ、ちゃんと倒しきらねえと再生数伸びねえからな。今日は一旦帰るとするか。」


「どういうこと…?」


「…!?」


唐突に後方から女の声が聞こえ、二人は慌てて振り返る。

そこにはあの瑠李が立っていた。


「瑠李ちゃん…!?」

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