表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変わってしまった現代で錬金術師になった  作者: 月輪林檎
第二章 繋がり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/146

70.設計図と部品作り

 咲と分かられた香織は、空を駆けていって、羽田まで向かった。


「何か、もっと速い移動方法無いかなぁ。空を駆けていくのも地味に面倒くさいんだよね。まぁ、車とかよりもこれの方が速いんだけど……」


 そんな独り言を言いつつ、香織は羽田空港に着いた。


「よっと、さてさて、飛行機はどこかな?」


 香織は、羽田空港の滑走路を歩く。


「あそこら辺で朽ちてるのは違うよね。あるとしたら、格納庫の方かな」


 滑走路の傍にある飛行機は全て、朽ち果てていた。タイヤは潰れ、機体の表面の装甲は剥がれ落ちている。それだけでなく、機体のあちらこちらが錆び付いている。無事に残っている部品の方が少ないくらいだ。見る影もない。


「てか、二年で飛行機があそこまで跡形も無くなるものなのかな? モンスターの仕業? まぁ、使える飛行機を探すことが出来ればいいか。格納庫は、あそこかな」


 香織は、格納庫の方まで軽く走っていく。すると、格納庫の前に何人もの人が集まっていた。


「あれは……冒険者かな?」


 綾子から聞いていたため、香織は、得に警戒することは無かった。むしろ、そちらの方に近づいていった。段々、冒険者達の顔がよく見えるようになってくると、その中に玲二と里中の姿があることに気が付いた。


「あれ? 坂本さんと里中さん?」

「ん? 香織か。俺達は、空路に必要な飛行機の状態を見に来たんだ。俺達で直せるようなら、直しておこうと思ってな」

「だが、見たとおり、完全に壊れていてな。そもそもどこが壊れていて、どこが壊れていないのか分からないんだ」


 香織は、玲二達が見ていた飛行機をのぞき見る。外に放置されているもの程じゃないが、二人の言うとおり、ボロボロの状態だった。


「外よりはマシだね。ちょっといい?」

「ああ、構わないぞ」


 玲二からの許可を得て、香織が飛行機に近づいていく。


「腐食が激しいなぁ。直すこと自体難しそう」


 香織は、そう言いながら、飛行機に手を伸ばす。そして、手のひらに魔法陣を出して飛行機に触れた。


(錬成の要領でやれば、錬成出来る場所と出来ない場所で、壊れている部分が分かるはず……)


 香織の魔力が飛行機に流れていく。そして、香織の頭の中に、飛行機の全貌が映し出される。その中に不自然に部品が足りない箇所が多々あった。


「結構足りない部品が多いね。表面の装甲もそうだけど、中の部品が無い部分が多いよ。一から作った方が良いかもしれないよ」

「そうなのか? でも、設計図がないから、結構難しいよな。うちのギルドには、電車の整備士はいても、飛行機の整備士はいないからな」

「これ分解して良いなら、私が書けるけど?」

「……頼む。製造はこっちに任せてくれ」

「分かった。じゃあ、分解しちゃうね」


 香織は、飛行機を錬成で部品単位に分解していく。一度飛行機の中を錬成で見ているので、ある程度の形は分かっているが、分解することによって、より詳しく知る事が出来る。


「足りない部分は、適当な素材で補ってみるかな」


 香織は、足下に魔法陣を出し、地面から部品を作り出していく。


「香織、それが出来るなら、一から作る必要は無いんじゃないか?」


 思わず、玲二がそう言う。


「今、作った部品は、かなり適当で耐久度が低いからモンスターに襲われたら、ひとたまりもないよ。部品単位の強化も含めて行うべきだと思う。ちゃんと直ったわけでもないし」


 香織がそう言うと、里中達生産職が香織が分解した部品を見ていく。


「確かに、このままだと耐久度が全く無いな。こっちの素材を直すことは出来ないのか?」

「う~ん、無理に直すと逆に全体の耐久度が低くなるんですよね。その素材に合ったもので補強するのが一番です」

「ということは、この飛行機の素材と同じものが必要になるということか」

「そういうことです。それと、一から作るので、素材は魔鉱石が良いと思いますよ。モンスターの攻撃に耐えられるものが作れると思います」


 香織がそう言うと、玲二だけでなく、他の冒険者も眉を寄せた。


「魔鉱石か……そもそも取れる量が少ないから厳しくないか?」

「まぁね。今も咲が取りにいてくれてるよ。魔導発電機にも必要だからね」

「資源が枯渇しないといいんだけどな」

「ダンジョンの資源が枯渇するのかしないのかの調査になるね」

「気楽に言ってくれるな……まぁ、どのみち必要になるからな。冒険者総動員でやるか」


 玲二は、頭を掻きながらそう言う。


「それじゃ、設計図を引いたらギルドに届けるね」

「ああ、頼んだ。こっちも材料を揃えておく」


 香織は、分解した飛行機を回収して空を駆けて家に帰っていく。


「俺達も移動手段が欲しくなるな」

「それには、燃料の採取を増やす必要があるな。香織のおかげで、あの小さな油田にも燃料が残っていることが分かった事だしな」

「それで、車か何かを作るって事か。それには道路を舗装する必要があるな」

「つまり、まだまだ先だということだな」


 玲二の嘆息は、香織には聞こえなかった。


 ────────────────────────


 家まで戻ってきた香織は、店番をしている二人に会いに行った。


「ただいま!」

「お帰りなさいませ、マスター」

「お帰り、マスター」


 焔は礼儀正しく一礼し、星空は片手を振って答える。


「お客さんはどう?」

「ぼちぼちですね。知り合いになった冒険者の方々が来るので、前よりも多くはなっています」

「回復薬と魔力回復薬が少なくなってる。後、テントを買いたいって人が来てた」

「メモ取ってくれた?」

「うん」


 星空が香織にメモを手渡す。


「四人用を二つかぁ。明後日だから、早めに作っておこ。ありがとうね」


 香織は、二人の頭を撫でてから、工房に向かった。そして、手早くテントを作り上げて、焔達に渡しておく。テントは焔達が店の中で、取り置きしておくのだ。


「さてっと、設計図を引いていこ。普段、頭の中で考えるからあんまり使ってない製図台だけど、壊れてないかな?」


 香織は、部屋の一角に備え付けてある製図台に座る。


「久しぶりだから、少しテンションが上がるなぁ」


 香織はウキウキしながら、製図台を使って設計図を引いていく。


 約二日掛かって設計図を引き終わることが出来た。


「終わったぁ!!」

「お疲れ様、休憩にする?」

「ううん、そのまま部品作りしておく。咲が一杯集めてくれたし。まぁ、それでも足りないんだけどね」


 連日、咲がダンジョンに赴いて、魔鉱石を採掘していた。しかし、それでも、必要量に達していなかった。


「確か、鉄もなくなりかけてるのよね?」

「うん。その他鉱石系も少ないから、何でも掘ってきてくれると嬉しいかな。いっそ、焔達も一緒に行って貰うのもありかな?」

「そうね。明日から、二人も一緒に行こうかしら」

「うん。お店は閉めても構わないからね。じゃあ、部品作りに戻るね」

「ほどほどにするのよ。設計図は、ギルドに届けておくから」

「ありがとう、咲」


 香織は、咲に設計図を渡す。設計図を受け取った咲は、工房を出てギルドの方に向かった。


「さてと、私も部品作りをがんばろ!」


 香織は身体を伸ばしてから、錬金釜まで歩いていく。


 次の日から、焔と星空も咲を手伝って、魔鉱石を集めに行った。それほどまでに、魔鉱石の数が足りなくなっていた。


 部品全てを作り終えるには、咲、焔、星空が東奔西走して、一週間の時が必要になった。ちなみに、香織は何日も徹夜をしていたため、咲から猛烈に叱られた。

読んで頂きありがとうございます

面白い

続きが気になる

と感じましたら、評価や感想をお願いします

評価や感想を頂けると励みになりますので何卒よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=312541910&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ