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6.新しい攻撃手段

改稿しました(2021年7月29日)

 咲を家まで送った後、香織は、自宅へと帰ってきた。


「ふぅ、疲れた! まずは、お風呂に入ろう」


 香織は、帰宅してすぐに風呂場に駆け込む。汗を流してスッキリしたところでリビングに行き、テレビをつける。


『――神奈川で発生した魔物の行進は真っ直ぐ東京に向かっています。一部の魔物は行進から外れて学校やショッピングモール、マンションなどに向かっています。人が多い場所が狙われているのでしょうか!?

 また、一部の学校では、一面が血の海になっている場所もありました。被害の規模は調査中です。続い…そ、速報です。神奈川で発生した魔物の行進ですが、群馬、千葉、栃木でも同様のものが発生しました!これらの原因ですが、一説にはダンジョンと呼ばれるものができたためと言われています!――』


 魔物の行進について、ニュースになっていた。途中で言われた血の海がある学校は、香織の学校だった。

 香織は、一瞬、カメラに見られたかと焦ったが、香織が去った後の映像だったため安堵した。


「危ない、見られてたら面倒くさいことになってたかも……」


 そう言いながら、錬金術のレシピを取り出して、読み始める。


「遠距離は魔法でもいいし、近接は棒があるし、中距離は鞭があるけど、他にも、何か攻撃に使えるものはあるかな?」


 しばらく、レシピのページをめくる音だけがする。


「あっ! これいいかも、だけど少し危険かな?」


 香織が見つけたのは、爆弾のページだった。


「遠くに投げれば、まとめて倒せる。あっ、でも、これ使ったら家とかへの被害がでるか……」


 爆弾は、魔物の群れの一部を始末するのに便利そうだが、その爆発で周りの家に被害がでるのは、かなりまずい。確実に揉め事になるだろう。


「まぁ、一応作っておこう! 素材は……?」


 香織はそう言いながら、開いたページをみる。


『素材:火薬、鉱石(鉄など)orプラスチック、紙or紐』


 と書いてある。


「これって、火薬とそれを入れる器ってこと?」


 おそらく紙と紐は導火線のことだろうと香織は思った。


「まず、火薬が無いなぁ……」


 そう、一般家庭に火薬がドンっと置かれてることなんてそうそう無い。

 一応確認のためにアイテムボックスを見る。学校で倒した魔物をしまっておいたのだ。


「あった……」


 倒した魔物の中に火薬関係の何かがいたらしい。取り出すと、粉状だったので慌てて瓶詰めにした。


「あっ、取り出した瞬間、爆破ってこともありえるんだった。気をつけないと」


 取り敢えず、多少の衝撃では爆発しないタイプだったらしいので助かった。


「よし、錬金しよう!」


 香織は、錬金釜を火にくべ、中に火薬を入れる。火薬が釜の中で液状になる。これは、異常反応によるものだ。

 火薬が液状になった所で、プラスチックを入れる。これは、部屋にあった小さなプラスチックケースを使用する。

 プラスチックも液状になった所で、麻紐を入れる。

 材料を全て入れ終わったら、中身をかき混ぜる。

 中身が光に包まれていった。光がおさまった時にあったのは丸い形をした物体だった。


「これで、完成? 取りあえず、確認してみよ」


 香織は、鑑定眼を使い何か調べる。


 ――――――――――――――――――――――――


 小型爆弾:小規模(半径2〜3m)の爆発を起こす。範囲内にいるものにダメージを与える。威力は小。


 ――――――――――――――――――――――――


 小型爆弾が出来上がった。


「爆弾も作り方によっては威力が変わるのかな?」


 香織は試そうかと思ったが、火薬の残り少ないので、諦めた。


 香織が、爆弾を調合していると、ニュースから速報が流れてきた。


『──ただいま、侵攻を続けるモンスターに対して、自衛隊が派遣されました。現在、自衛隊の奮闘で、モンスターを倒す事が出来ているそうです! ですが、モンスターを全て殲滅することは出来ないようです。まだ、モンスターは存在していますので、注意して行動して下さい──』


 自衛隊が優勢で進んでいたが、全滅させることは出来ていないらしい。それもそうだろう。モンスター達も常に前にしかいかないわけではない。バラバラに動く事もあるだろう。それこそ、香織達の学校を襲ったときのように。


「ふぅん、銃火器を使っても、倒せるんだ。あんな原始的に倒しているのって私だけ?」


 魔法が原始的なのかどうか疑問だが、香織は、そこをあまり考えてはいなかった。


「うぅ~ん……今日は疲れたから休もう。明日、咲の家にもう一回行ってみようかな」


 咲を家まで送ったとはいえ、今現在どこも安全とはいかない。それは、先のニュースを見て、分かることだ。香織は、咲に魔法の使い方を教えてみようと考えていた。安全な場所がないなら、安全に暮らせるだけの力を持ったらいいのではないかと考えたのである。

 香織はそんな事を考えつつベットに入り、眠りについた。


 ――――――――――――――――――――――――


 香織の成果

 小型爆弾一つ生成

 威力、爆破範囲ともに小規模

 以上


 ――――――――――――――――――――――――

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