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2.探索開始!

改稿しました(2021年7月28日)

 香織が、外に出ると、朝出た時と変わらず、草木が生い茂っていた。いつもとそう変わらない景色のはずなのだが、香織は、ものすごい違和感を感じていた。何か、他にも、変わった事があるのかもしれない。


 周りを見回してみても誰もいない。今、外出している人は、香織だけのようだ。それもそのはずだろう。ほとんどの人は、テレビから情報を得て、家に引きこもっているのだろう。それが、当たり前の反応だ。


「よし、行こう。確か、発見術は常に発動してるんだよね。後は、鑑定眼が、知りたいものに対してそう念じることで発動するから、気になったらとにかく鑑定してみよ」


 香織は、早速、道路に生えている草を鑑定する。


 ――――――――――――――――――――――――


 雑草:そこら辺に生えているただの草。付加能力なし


 ――――――――――――――――――――――――


 と出た。


「雑草かぁ。もしかして薬草を見つけるのって、難しかったりするのかな?」


 香織は、道端の草などを鑑定しながら、道沿いに歩いて行く。十分程歩くと、公園に出た。

 公園は、草が生い茂り、ちょっとした林のようになっており、遊具が錆びついた状態だった。昨日まで、子供達が楽しく遊んでいた姿から、想像もつかない状態となっていた。


「うわぁ、遊び場から朽ちた遊び場になってる。そうだ、ここの草も鑑定しよっと」


 公園に生えていた草を鑑定すると、


 ――――――――――――――――――――――――


 低級の薬草:少しだけ魔力が宿っている。付加能力なし


 ――――――――――――――――――――――――


 と出た。


「低級かぁ、宿ってる魔力の量によって等級が変わるって感じかな? でも、まずはこれを沢山集めて、錬金術の練習をしよう」


 香織は、公園に生えている薬草を片っ端から鑑定して引っこ抜いていく。十分程で草が生い茂っていた公園の一角が、完全にはげた。


「やり過ぎたかな? いや、草毟りしたって考えれば、良いことしたって感じするし大丈夫だね」


 と、香織が自分を誤魔化していると、草をかき分けて、不定形のよく分からない生物が出てきた。ぷるぷると震えている。ただ、身体の中に、一つだけ塊のようなものがあり、それが、動き回っていた。


「何こいつ? 変なのが出てきた。まさか、これがモンスター!? スライムかな? ゲームでよく見るのより気持ち悪い。いや、それよりも倒さないと!」


 アイテムボックスから鞭を取り出す。


「使ったことないけど、こんな感じかな? えい!」


 鞭を振るう。先端がスライムの核を吹き飛ばした。


「先端に威力が溜まるって言うけどこんなになるの? 怖っ! でも、鞭術のスキルのおかげかな、狙った所に当てられた。もしかしたら、私、冒険家になれるかもしれない! なるつもりはないけど……」


 そう言いながら、香織は、あの考古学者で冒険家の有名な映画を思い出す。


「あっ、このスライムも材料になるかな? 取り敢えず瓶詰めにしよう」


 頭の中で、風魔法の魔法式を描き発動する。

 アイテムボックスに入れておいた瓶に、風を使って集める。核を無くしたスライムは、市販品のスライムなどと何ら変わらなかった。


「よし、帰ろう!」


 材料を集め終わった香織は、帰路につく。帰りの間も、香織は、鑑定を続けて、薬草などがないかどうかを確認していた。


「ふぅ、帰りは何もなかったなぁ。発見術も発動しているのかいないのか、よく分からなかったし」


 帰ってきた香織は、手を洗い、お昼ご飯の準備をしようとすると、電話が響き渡った。


「ん? 誰だろう?」


 香織は電話をとる。


「はい」

『もしもし! 香織! 大丈夫!?』

「お母さん!?」


 海外にいる母からの電話だった。国際電話もまだ生きている


「そっちは夜中じゃないの?」

『そんなこと関係ないでしょ! 東京にモンスターが出たって聞いたわよ!? 神奈川だって近いでしょ!? 私達も帰りたかったんだけど、飛行機が飛ばなくて帰れないの!』


 空港も飛行機を飛ばしていないようだ。どんな状況になるか分からない今、それが賢明な判断と言えるだろう。


「私は大丈夫だから、無理して帰ってこなくても平気だよ。状況が状況だから、帰って来れそうだったらでいいよ。何が起こるか分からないし」

『そう、わかったわ。モンスターが出てくるからあまり外に出ちゃダメよ!』

「あっ、もう外に出たし、モンスターとも戦ったよ。無事に倒せた」

『えっ!? ちょ!? あまり危険なことしちゃダメよ!?』


 まさか、娘がすでにモンスターと戦っているとは、思いもしないだろう。香織の母も、声だけで驚いていることが分かった。


「うん、ヤバかったら逃げるし大丈夫」

『気をつけてね! じゃあ私達もこっちで色々やってみるから! バイバイ!』

「バイバーイ」


 と香織と母の電話は終わった。常に心配していた母だったが、香織は、終始ぽやぽやとしていた。


「お母さん心配性だなぁ。まぁ、こんな状況になったら、当たり前か。よし、それじゃあ錬金術を試そう!」


 錬金術を使っての回復薬作りの始まりだ!

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