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変わってしまった現代で錬金術師になった  作者: 月輪林檎
第一章 変化と解放

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29.最悪の事態(2)

 玲二がギルドに帰った後、香織達は、テーブルに座ったまま話を続ける。


「一週間。少し短いかもしれないわね」

「ちょっと、詰め込もうか」


 香織達が、何を言っているか分からない万里と恵里は、のほほんとお茶を飲んでいる。もちろん、焔が淹れたお茶だ。


「万里、恵里、あなた達の事よ」

「え!?」

「どういうことですか?」


 万里と恵里は、何が何だか分からないようだった。


「修行のことではないでしょうか?」


 焔がそう言うと、万里と恵里はハッとする。自分達がどうしてここに来たのかを思い出したらしい。


「えっと、詰め込むってどういうこと?」

「そのままだよ。もうちょっと時間掛けてやることを、短縮して行うの。その分厳しくなるけどね」


 万里と恵里の額に汗が流れる。


「じゃあ、始めるよ。焔、店番頼める?」

「はい。やり方も分かりますのでご安心ください」

「うん、任せたよ」


 香織は、焔に店を任せて、庭の方に出る。咲、万里、恵里も香織について行く。


「じゃあ、恵里ちゃんはこっち。万里ちゃんは、咲の方について行って」


 香織達は、庭にある畑の内、今は、何も育てていない所に向かった。そして、香織は恵里を、咲は万里を育てる。


「じゃあ、始めようか。恵里ちゃん、魔力を纏ってくれる?」

「は、はい!」


 恵里は、香織の言うとおりに魔力を身体に纏っていく。これは、魔力操作によって、身体の中に魔力を循環させることで出来る。


「もっと、魔力を高めようか」

「えっと、それだと制御が……」

「うん、高めようか」


 香織は有無を言わせない。恵里は、少し緊張しながらも纏う魔力を多くしていく。


「もう少し……そこ! そのまま……一時間!」

「え!?」

「乱れてるよ。制御して」

「は、はい!」


 恵里は、驚いて乱れた魔力を立て直す。


「じゃあ、時々脅かすから、乱さないようにね」

「は、はい!」


 恵里は、頑張って制御を続ける。少しでも、気を抜いたら魔力が制御出来ずに、魔力爆破を起こす危険もある。魔力爆破は、魔力が衝撃波となって周囲に放たれてしまうことをいう。

 その中心地にいる本人も、その衝撃を受けるので、自分を含めた周りを衝撃が襲ってしまう。だからこそ、恵里は、制御を誤ることは出来ない。


「この修行は、使える魔力を高めるのと保有魔力を高めることが出来るの。特に、使う魔力が多くなれば、より上位の魔法も使えるようになるよ。恵里ちゃんは、一撃の威力がまだ十分じゃないから、この修行を行うの。後は、魔力を自分の思いのままに操ることは、魔法の柔軟性にも繋がるからね。こういう感じに」


 香織が、水魔法で水球を作り出す。そして、その水球の形を変化させて色々な動物の姿に変えていく。


「わぁ、すごい。水球からこんな風に形を変える事が出来るなんて……」

「まぁ、使い道なんてほぼないけどね。でも、こういう風に自由自在に魔法を使えることが出来るというのは、魔法使いとしてのアドバンテージにも繋がるから」

「は、はい!」


 そうやって、香織と恵里が話している最中に、パンッという破裂音がした。


「ひゃっ!」

「乱れたよ。早く立て直して」

「はい!」


 その破裂音は、香織が風魔法で起こしたものだった。先程言ったように、恵里を脅かしたのだ。


「こういったことに驚いても、魔力を乱さないようにしないとだめ。いちいち驚いて、魔法を失敗するわけにはいかないでしょ?」

「はい! 頑張ります!」


 恵里は、真剣だった顔をもっと引き締めて修行を続ける。


 一方その頃、万里は咲との模擬戦を行っていた。互いに木剣を装備して、打ち合っている。


 咲の攻撃が、何回も万里に当たる。しかし、万里の攻撃は、一切当たることがない。


「ほら、我武者羅に攻撃しても意味がないわよ。相手の攻撃を読んで攻撃を防ぐのよ。力の差がありすぎるときは、防いでも全く意味がない時があるから、受け流しも使っていって」


 咲はアドバイスをしながらも、攻撃を一切止める気配がない。万里は、必死に攻撃を受け止めようとしている。しかし、その防御をすり抜けて攻撃がどんどん当たっていく。


(なんで、防げないんだろう……攻撃は見えているのに、いきなり当たる。ってことは、急に早さが上がっているって事?)


 万里は普段の姿からは分からないが、きちんと考えて動ける人だ。そして、今も咲の攻撃が何故当たるのかを、攻撃を受けながら探っている。何百何千と攻撃を受けてようやく一撃防ぐことに成功した。


「やった! ぶっ!」


 万里が、防げたことに喜んだ瞬間、咲の攻撃が万里を打った。


「何を喜んでいるの。防いだら終わりだなんて一言も言ってないわよ」

「うぅ、咲さん、鬼……」

「まぁ、剣鬼だからね。さぁ、続けるわよ。私の攻撃を防ぎ避けながら、一撃入れてみなさい!」

「はい!」


 万里が構え直した瞬間、咲は攻撃をしていく。しばらくの間は、万里を打つ音だけが響いていたが、そのうち、少しずつ木刀と木刀が打ち合う音もしてきた。


 万里と恵里の修行は続いていった。そして、一週間の時が過ぎていった。その間に、綾子さんから複数の情報を得ることが出来た。

 それは、東京全域にダンジョンが広がっているということ。難易度がかなり高いということ。奪還者が、東京奪還作戦を練っているということなどだ。


 そして、今日、冒険者達の東京攻略作戦が始まる。

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