表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変わってしまった現代で錬金術師になった  作者: 月輪林檎
第一章 変化と解放

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/146

18.目覚めと状況確認

改稿しました(2021年8月5日)

「ただいま」


 香織は、玄関を開けて家の中に入った。


「「お帰りなさい!」」


 万里、恵里が迎えに来てくれた。


「咲は?」

「まだ、寝ています」

「そう……」


 咲は、まだ目覚めない。そろそろ、意識を失ってから半日経とうとしていた。前使った時にはこのくらいで起きたので、もうそろそろ起きてもおかしくないのだが……


「ふぁ~」


 さすがにあれだけ戦って、徹夜での作業もしたので、眠気が限界になってきた。


「万里ちゃん、恵里ちゃん、私も少し寝るから。誰か来ても居留守してね」

「わかった!」

「おやすみなさい」


 香織は二人に手を振って、咲の眠る部屋に入りベットに潜り込んだ。


「早く起きてね」


 咲にそうささやいてから眠りについた。起きたら、咲が目覚めていることを祈って……


 ────────────────────────


「……んっ、ん~~」


 目を覚ますと、隣に香織が寝ていた。すごく穏やかな寝顔だ。咲は、香織の頭を撫でる。


「心配かけちゃったわね……夜になってるってことは、丸一日気絶していたのね。やっぱり、鬼神化は、デメリットが大きいわね」


 周りと窓の外を見て、現状を把握し、改めて自分の使った力について考える。


「しばらくは、鬼神化の修行をするのもありね」


 咲は、香織を起こさないようにベットから抜け、布団をかけ直してあげる。足音を立てずに部屋を出てリビングに向かう。リビングのドアを開けると、万里と恵里がソファに座って、読書をしていた。

 今の時代、暇なときにすることは読書くらいしか無かった。電波が飛んでいないため、テレビはみれず、電気も来ないためゲームも出来ない。スマホなども使えないため、SNSなども無くなっている。

 外国との連絡も取れず、日本国内であっても連絡を取り合うのは至難の業となっていた。


「万里、恵里、留守番ありがとう」


 咲が、二人にお礼を言うと、本から顔を上げて先の方を見る。少し固まってから、本をソファに置いて、泣きながら咲に抱きついた。


「咲さん! 起きて良かった!」

「咲さん……ひっぐ、えっぐ……」

「二人とも心配かけちゃったわね。私はもう大丈夫よ」


 咲は、二人の頭を撫でて安心させる。

 二人が、泣き止む頃に上の階からドタドタと忙しない音がしたかと思うと、その音が下まで降りてきて、リビングのドアをバンッと開けた。音の主は香織だった。肩で息をしている香織は咲を見るや否や、泣きながら飛びついた。


「咲~! よかった! 目覚めたんだね!」


 万里や恵里よりも、大泣きしながら咲に抱きつく。


「心配かけて、ごめんね」


 香織の大泣きに苦笑いをしながら、頭を撫でる。万里や恵里よりも長い間泣いて、ようやく泣き止んだ。

 まだ、目元が赤いが落ち着いているようだった。


「それで、あれからどうなったのかしら?」


 リビングのソファに座って、寝ていた間に起きたことを訊く。赤龍を倒したこと、空から聞こえてきた声のこと、ギルド本部を再建したことの三つを話した。


「そう、領空権ね。それは、私を殺せば殺した者が得られるということなのかしら」

「その可能性は高いね」


 領空権の譲渡は認められていない。しかし、モンスターを殺して得られるということは、所有している者を殺せば委譲される可能性がある。


「でも、領空権を得たような感覚は無いわね。本当に得たのかしら?」

「ステータスは?」


 香織に言われて、ステータスカードを見る。このステータスカードは、香織が作ったものだ。魔力を通すことで登録されている人のステータスを見ることが出来る。セキュリティとして、登録者以外には反応しなくなっている。例外として、作った本人の香織は無理やり見ることが出来る。


 ――――――――――――――――――――――――


 魔剣士 Lv116


 HP:3260000/3260000 MP:98000/98000


 STR:127900 DEF:99800 SPD:102200 DEX:10980 INT:15960 MND:19800 LCK:100


 スキル:『剣術Lv10』『魔剣術Lv10』『魔法言語理解Lv10』『火魔法Lv10』『水魔法Lv10』『風魔法Lv10』『魔法式理解Lv10』『恐怖耐性Lv10』『身体能力強化Lv10』『五感強化Lv10』『腕力上昇Lv10』『走力強化Lv10』『鑑定Lv10』『未来予測Lv10』『軽業Lv10』『弱点看破Lv10』『刀術Lv10』『抜刀術Lv10』『威圧Lv10』『超加速Lv3』『空中走行Lv1』『鬼神化』『環境適応』『超再生』『限界突破』『不老不死』『日本・アメリカ領空権』


 ――――――――――――――――――――――――


 Lvが100を超えて、スキルも新しいものを手に入れていた。


「スキル欄にあったわ。それに、私も『不老不死』になっているわね」

「嘘っ! やった! ずっと一緒にいられるね!」

「そうね」


 香織は咲に抱きついた。咲は迷惑そうな顔など一際せずに微笑みながら頭を撫でる。

 香織の見た目は、二年前から変わっていない。咲は、この二年で背が少し伸び大人に近づいていた。しかし、これからはお互いに年をとることが無くなった。

 万里と恵里は、衝撃の真実に驚いていた。香織達が、赤龍を倒したことは空からの声で知っているが、不老不死の件は全く知らなかった。


「お二人ってもう年をとらないんですか?」


 恵里が、恐る恐る香織達に訊く。


「うん、私は二年前から、咲は……昨日からかな」

「二人はずっと若い姿のままってこと?」

「そうね。万里や恵里がおばあちゃんになっても、私達は、このままね」

「いいなぁ。どうやったら獲得できるの?」

「さぁ、気がついたら持っていたから分からないわね」

「私にいたっては、最初から持ってたし」


 うらやましがった万里だったが、獲得方法が分からないと聞いて落ち込む。


「そうだ、領空権の教本を生成出来るかな?」


 香織が、目を閉じて手を前に出す。手のひらの前に光が集まっていく。光が収まったとき、そこには一冊の本が生まれていた。


「出来た! はい、咲」

「ええ、ありがとう」


 香織が生成した教本は『日本・アメリカ領空権』の本だ。


「かなり薄いわね」

「そのままだからかな」


 咲は、本を開いて中を確認する。咲は終始眉を寄せていた。薄い本だったので二分ほどで読み終わった。


「どうだった?」

「う~ん、難しいわね。とりあえず読んでみて」


 咲は、香織に本を手渡す。香織も中を開いて確認する。書いてあったのは簡単に言うと、以下の通りだ。


 ――――――――――――――――――――――――

 日本とアメリカの領空権。

 これを持つ限り、日本とアメリカの空を支配することが出来る。

 出来ること以下の通り。

 ・領空侵犯の感知

 ・侵入者の強制排除

 強制排除は、何者でも問答無用で排除することが出来る。

 許可を出せば、他の者も空を飛ぶことが許される。

 許可の仕方は、所有者本人との契約でのみ成立する。

 契約の仕方は契約の教本を参照

 ――――――――――――――――――――――――


「この教本って本当に簡単なことしか書いてないよね」

「まあ、それだけでも役に立つからいいじゃない。ただ、本当に面倒くさいものを受け取ってしまったわね」


 咲の感想も香織と同じく面倒くさいというものだった。


「なんで面倒くさいんですか?」

「そうだよ、すごいことじゃないの?」


 恵里と万里が二人にそう訊く。香織と咲は互いに見合って苦笑いをした。


「確かに、二つの国の空を支配できるのはすごいことよ。でも、それって、他の人からしたら、赤龍が私になっただけなのよ。私の一存で空を飛ぶことが許される。その逆もね。

 それに、この契約がくせ者で、対面で無いと発動することが出来ないし、魔法紙が必要になってくるの。魔法紙での契約は反故すれば、契約者の命を奪う契約なのよ」


 契約については、香織が店を出すときに教本を生成したので、ある程度理解している。あの時は、契約しよう、契約しようとうるさい連中がいたので、一応生成して確認していたのだ。

 魔法紙は、紙を作る際に魔力を注入すると生成できる。香織は、普通の紙と魔力水を錬金釜に入れて、錬成している。


 万里と恵里は、契約の恐ろしい部分を知って怯えている。


「だから、普通は、魔力紙を使った契約はしないんだけどね、領空権の契約は魔力紙での契約しか出来ないみたいなのよ。だから、とても面倒くさいの」

「な、なるほど……そうしたら、咲さんは、余計に狙われるんじゃ……」

「そうなのよね。まだ、領空権だからましかもだけど、統治権を持ったら本当にやばいかもね」

「はぁ、対策のために、いろいろ作るから、咲は、外に出ないでね」

「ええ、わかったわ」

「万里と恵里もここにいてね。私達の知り合いだって、バレてると思うから」

「「はい」」


 香織は、咲と万里、恵里の暗殺、誘拐対策の道具を作るために工房に向かった。

面白い

続きが気になる

と感じましたら、評価や感想をお願いします。

評価や感想を頂けると励みになりますので何卒よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=312541910&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ