1.何これ?
改稿しました(2021年7月28日)
0.プロローグ
私の名前は桜野香織。
この春から高校生になったばかりの十五歳。
高校で沢山の友達作って毎日を楽しむ。
そのつもりだった。
こんなことになる前は…
1.何これ?
四月三十日
時刻は朝六時、目覚ましが響く。
香織は眠気を抑えながら目覚ましを叩き止めた。
「ふぅあ〜〜〜〜」
欠伸を堪える事はできなかった。身体を伸ばし、寝ている間に凝った身体を解していた。
香織は、まだ寝ぼけながらも、朝のルーティンをこなすために、まず、眠気覚ましにシャワーを浴びにいった。その前に、洗濯機を回すのは忘れない。寝ている時に着ていた服も洗濯機の中に入れて洗濯する。
シャワーを浴びて完全に目を覚ました後は、洗濯機が洗濯を終えるのを待ちながら朝ご飯を作る。今日の朝ご飯はトーストにスクランブルエッグと茹でたソーセージだ。
トーストにマーガリンを塗って、スクランブルエッグとウィンナーを挟む。それを食べながら、ニュース番組を観ていた。
「あっ、今日雨なのか。はぁ~部屋干しか~」
香織は天気予報を観て少ししょげる。部屋干しだと洗濯物の乾きが遅いのだ。
そんなことを考えているうちに朝ご飯を食べ終え、洗い物をする。洗い物を終える頃、タイミングよく洗濯が終わった。
「終わった~終わった~、よいしょっと」
洗濯物を籠に移し、干していく。自分一人分だけなのでそこまでの時間をかけずに干し終わった。
「今日からまた、お母さん達が居ないけど、前と変わらずにできてるね!」
香織の両親は現在海外へ赴任している。香織も海外に連れて行くか悩んでいたが、両親の考えで、香織は日本に残ることになった。
両親は、時々日本に帰ってくることもあるが、そのほとんどは、海外にいる事が多い。偶々まとまった休みを取れたので、昨日まで一週間ほど帰ってきていたが、仕事のために、また海外に飛んで行った。
ちなみに、香織の家は二階建ての一軒家だ。
朝のルーティンが終わったら、学校へ行く準備をする。
「今日は体育があるから体操着を忘れないように」
香織は、家では一人である事が多いためか、独り言が多くなってしまった。そうすることで、寂しさが紛れるからだ。
「よしっ、準備完了!」
時間を確認すると朝七時半になっていた。
「行ってきまーす」
鍵を掛けて、学校へと向かう。だが、傘を忘れたことに気づき取りに戻った。
「危ない、危ない。天気予報を見た意味がなくなっちゃうところだった……」
今度こそ、準備を終えて、学校へと向かった。
学校に着くと、クラスの友達と昨日のドラマの話などをして、盛り上がった。今日の授業は、数学、体育、国語、社会、英語、理科という週の中で一番重い時間割りだ。だが、香織は、理科だけは好きなため、最後まで苦痛というわけではなかった。
放課後は、また友達と少し話をしてから、学校を出た。部活は、家事などがあるためやっていなかった。香織は、夕食の材料を買って家に帰った。
香織は、帰宅すると、手を洗い、お風呂を沸かす。その間に、夕飯の支度をし、洗濯物の確認をした。朝の予想通り、部屋干しのせいで、まだ半乾きだった。
「やっぱりかぁ、明日までに乾くといいなぁ」
そんなことを言っていると、お風呂が沸いた音がした。
「よし! お風呂入ってスッキリしよっと」
着替えを用意して、お風呂に入る。 香織は、長風呂派なので、たっぷり五十分入った後、夕飯の仕上げをして、テーブルに持っていく。 そして、映画のBDを用意して、ご飯を食べながら観る。香織の一日の一番楽しみな時間だった。
「今日は、これ!」
香織が選んだのはヒーローが世界を救う洋画だった。香織が好きな映画は、アクションとSFである。なので、選ぶのは必然的にそういう系に偏ってしまう。
ご飯を食べ終わっても、映画は続いてしまうので、一旦中断し、洗い物をした後、紅茶を用意して、飲みながら続きを観る。この際に、デザートを用意することもあるが、今回は用意してなかったのでなしだ。
映画を見終わった後、すっかり冷めてしまった紅茶を飲み干して、カップを洗う。 映画に集中し過ぎて飲み物を忘れてしまうことは、いつものことだった。
「ふぁ~~」
香織が少し眠気を感じて、時間を確認する。すると、時計は、十時半を指し示していた。
「よし、寝ようっと」
寝る前に玄関と窓の戸締りを確認して、自室に行きベットに入る。
「おやすみなさい」
この日までは、これがいつも通りの生活だった。
次の日から、世界は一変する…
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