3話 真夏の激闘、砂浜に踊るビーチバレー
「ちびっ子! そっちいったわよ!!」
「はい…………っ」
黒髪おかっぱの白スク少女は眼の前に飛んできたビニール製の球体を組んだ両手で受け止める。
「詩織ちゃん…………お願い…………」
「おっけー任せて!」
サイドテールを揺らしながら花柄ビキニの少女が浮いたボールと地面の間に滑り込み、次の一手へと繋げるためにその両手を使い天高く打ち上げる。
「氷柱ちゃん、頼んだ!!」
「まっかせなさい!――――いっけぇぇえええええ!!」
氷柱は高く跳び上がり雪の様に白い腕を振りかぶると、宙に浮かぶビーチボール目掛けてその手を振り下ろした。
ズパァアアアアンッ!!
水面を叩いた様な音と共に、ネットを超えた先の砂浜にビーチボールが突き刺さる。
「ふふん、どーよ? これで七対〇、あと三点であたし達の勝ちが決まるわけだけどその時は…………分かってるわね」
雪女、千里眼、女子高生という異色のチームの先頭に立ち対戦相手をビッと指差す。
「あー、俺と璃亜の馴れ初めやなんやかんやが聞きたいんだっけ? …………もっとも、俺らに勝てたらの話だけどな」
「でも探偵さんたち崖っぷちですよ? そんな余裕ぶっちゃってていいんですかー」
「ここからの逆転は…………いくらお二人でも…………」
「って言われてるみたいだけど、どう思う? …………璃亜」
海パン一丁の相一は隣に立つ、発育豊かなその体を黒のビキニで抑えこむ美少女に声をかけた。
「わざわざ隠さなければいけない程私と所長の関係にやましい所などありません…………が、所長と並んで戦う以上負ける訳にはいきませんね」
そう不敵に笑うと一歩踏み出し、相手チームと自陣を隔てるネットに歩み寄った。白い砂浜に黒いポニーテールとビキニが映える。
「さて所長。あの子達の動きも把握しましたしそろそろ…………」
「ああ、反撃開始といくか」
「格好つけるのはいいけど今更この点差をどうひっくり返そうっていうのかしら」
額に汗の粒を光らせる雪女が挑発的な視線を光らせた。
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試合は進み、得点は両チーム九対九。
どちらかがあと一点奪えばそこで試合は決着を迎える局面。
「これで最後だ、決めてやれ璃亜!」
「はいッ!!」
相一が弾き上げたビーチボールに合わせて絶妙なタイミングで砂浜を蹴り飛び上がった。
「はぁッはぁッ――――来なさい璃亜、絶対に止めてやるんだから!!」
「真夏のビーチというあなたにとってとことん不利な状況でよくここまで戦いました。しかしそれもここまでです――――ッ!!」
最高点に到達すると同時、振り下ろした右手が空気の張り詰めたビニールの球体を捉える。
ドッパァァアアアンッ!!
ビーチバレーでそんな音でんの? そう思う程凄まじい音と衝撃が閑散とした海水浴場に響き渡る。




